

「一緒に一夜を過ごした男女が」「一緒に朝ごはんを食べる」「短編」を描きなさい。
というお題に則って描かれたようなオムニバス恋愛短編連作の第三集。
そうそう代わり映えはしないものの、前巻、前々巻に続いて安定して良いです。

「ワンナイト・モーニング」3巻より(奥山ケニチ/少年画報社)
友人宅に対戦ゲームをしにお邪魔したら、友人の姉が旦那と喧嘩して家出中だった。「肉じゃが」。
大学の喫煙所友達だった女の子から「ピザ食べない?」のLINE。「竹の子ご飯」。
ハンバーガー店の店長の送別会であまりシフトが被らないバイト同士、初めて話した女の子の事情。「ハンバーガー」。
腰を痛めた大家さんの犬の散歩代行にバイト先のあの娘がついてきた。「ホットドッグ」。
連休の久しぶりの帰郷で高校時代好きだったあの娘に5年ぶりのLINE。「焼き鮭」。
コンビニでバッタリ会った「友人の彼女」が突然の大雨でうちで雨宿り。「ツナマヨトースト」。
親と喧嘩して家出して公園で途方に暮れる眼鏡っ娘に声をかけたのは高校時代の同級生のヤンキー君だった。「牛丼」。
深夜のコンビニの冷蔵室に閉じ込められちゃったバイトの男女。「冷やし中華」。
眼鏡っ娘とヤンキー君のその後。おまけ漫画「牛丼」。

「ワンナイト・モーニング」3巻より(奥山ケニチ/少年画報社)
前も書きましたがやってることはちょっと「やれたかも委員会」っぽさもありつつ、「審査」目線の嫌味が抜けた代わりにポジティブで優しい視点で物語にまとめている感じで、「やれたかも」のシニカルさや上から目線、消化不良感が苦手だった人にもオススメ。
短編集なんでキャラ人気で引っ張る作品ではないんですけど、短いエピソードの中で主人公の男女に感情移入させる手腕は出色で、ちょっと性描写が多めですけど、アニメ化したら「徒然チルドレン」的にいろんな声優さんが代わりばんこに出演できて映えそうな気も。

「ワンナイト・モーニング」3巻より(奥山ケニチ/少年画報社)
ヒット作ですし、もうとっくにどっかが企画してそうな気もしつつ、出版社は…と確認したら、タイトルからてっきり講談社の「モーニング」だと勘違いしてたら、少年画報社の「ヤングキング」だったわコレw
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