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#【推しの子】 4巻 評論(ネタバレ注意)

地方の病院に務めるアイドルオタな産婦人科医師・ゴローのもとに双子を妊娠したお腹を抱えて訪れた少女は、彼が熱狂するアイドル・アイ(16)だった。驚きショックを受けたゴローだったが、身近に接するアイの人柄に魅了され、彼女の出産を全力でサポートしようと決意する。

だが出産予定日の当日、ゴローはアイのストーカーに殺害される。驚くべきことに、ゴローはアイが出産した男女の双子のうち一人として転生する…

「かぐや様」の赤坂アカの作話を「クズの本懐」等の横槍メンゴが作画、という期待作。

要約すると二周目人生は伝説のアイドルの双子の子どもだった転生チートな芸能界サクセスストーリー、ミステリー付き。

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「【推しの子】」4巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

双子のアクア(元医師・♂)とルビー(♀)も高校受験する年齢に。ルビーはアイドル志望でオーディションに応募し続け、アクアは自分たちの父親を突き止める目的のために芸能界デビュー。

前巻のリアリティーショー編が終わり、新メンバーを加えてアイドルユニット「B小町」のデビュー編。

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「【推しの子】」4巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

サブヒロインの有馬かなにスポットが当たって人気です。感情移入しちゃうよね。

話の本筋的にはメインヒロインは別にいるんですが、「Re:ゼロ」のレムとか「GS美神」のルシオラとか、サブヒロインが暴発的な人気を得てメインヒロインを喰っちゃうことはたまにあるんですけど、有馬かなの場合は計算づくな感じしますね。メインヒロインの逆転が余裕で残されてそう。

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「【推しの子】」4巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

タイトル回収入りましたー。

次巻から2.5次元舞台編で、これまで別の章で登場したキャラたちの顔合わせ。

次巻5巻で第五章と、1冊1章ペースで非常にテンポ良く進んで、それでいて端折った感じはなく魅せるところはしっかり魅せて、構成の確かさ、無駄のなさ、小気味良さを感じます。

演劇にまつわる情念にまみれた「ガラスの仮面」と比べて「アクタージュ」はだいぶテンポ良く感じましたけど、それより更にテンポアップしてモダンな感じ。

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「【推しの子】」4巻より(赤坂アカ/横槍メンゴ/集英社)

ジャンルとしてはスポ根ものに近い感じで、似たような描写をくどいぐらい繰り返して情念や情熱を表現してきたそれらの作品に比べて、熱いシーンがありながらクールにすら感じます。

このクールさが、最終的に吉と出るのか凶と出るのか。

とても現代の読者向けな作品という感じで、意外と何十年後とかに読み返すと、最新トレンドも取り込んで時事や現代の風俗をふんだんに取り入れて時代性が強い分、「ガラスの仮面」より古く感じるかもしれないな、と思ったり。

良し悪しではなく、いま「オレンジロード」を読み返す感覚というか。

 

 

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