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#機動戦士ガンダム ポケットの中の戦争 1巻 評論(ネタバレ注意)

「機動戦士ガンダム」のスピンオフOVA作品「ポケットの中の戦争」のコミカライズ。

本編コミカライズは2度目、番外編やフィルムコミックを含めると4度目のコミカライズとのことです。

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「機動戦士ガンダム ポケットの中の戦争」1巻より(玉越博幸/KADOKAWA)

オリジナルが発表されたのは1989年、「逆襲のシャア」の翌年で、ガンダム初のOVA作品、ガンダム初の非パイロット主人公、ガンダム初のレギュラー「ガンダムライダー」ヒロイン、ガンダム初の「富野以外」による映像作品。

「パトレイバー(初期OVA)」に続くOVAシリーズとして、レンタルビデオ全盛の時代に発表され好評を博しました。

1話20分強×6本で完結、とちょうど映画1本分のサイズ。

「機動戦士ガンダム」の特に「宇宙世紀」世界観のコンテンツは、正伝にあたる映像化作品の他、近年ではKAODKAWAの漫画雑誌「ガンダムA」を中心に多数のスピンオフが描かれ、日本においては米「スターウォーズ」と並んでその歴史に詳しい人間の数の規模が最大級の架空戦記ですが、その作品群の中でも「ポケットの中の戦争」を「オールタイムベスト」に挙げる人も少なくないように思います。

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「機動戦士ガンダム ポケットの中の戦争」1巻より(玉越博幸/KADOKAWA)

コンパクトに整理され完成度の高いシナリオ構成、わかりやすくシンプルなコンセプト、MS戦闘より人間ドラマを優先、ともはや初期作品でありながらも、長大・難解・禅問答になりがちなガンダム作品の中で異彩を放つ名作。

原作OVAは1年戦争末期、中立コロニーで暮らす少年がジオンと連邦の戦闘に巻き込まれ、その双方のMSパイロットが親しい知己だった、という「非戦闘員の少年の目を通した戦争」という作品でしたが、今コミカライズはもっとじっくりやるつもりらしいです。

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「機動戦士ガンダム ポケットの中の戦争」1巻より(玉越博幸/KADOKAWA)

主要登場人物のうち、1巻ではアルもバーニィも未登場、クリスがかろうじて登場、という感じ。

1年戦争末期、ジオン軍のマ・クベが放棄したオデッサ基地を地球連邦軍が接収。過酷な拷問に遭う捕虜たちを救うべく、ジオンの精鋭サイクロプス隊が基地に潜入・襲撃した。

時を同じくして、極寒の極地に設営された連邦のモンタナ基地には、新型MS「G-Ⅳ」が教導隊とともに配備され、テストが開始されていた…

1巻はこれで終わりです。先が長そう。

まだ面白いもクソもないんですけど、味見した感じとしてはMSの作画は「ガンダムA」の標準以上、人物の作画もカッチリした感じ、戦争描写は比較的モダンで残酷、という感じです。

ただヒロインのクリスの顔の作画に関してはまだ試行錯誤中、という感じなんですかね。

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「機動戦士ガンダム ポケットの中の戦争」1巻より(玉越博幸/KADOKAWA)

なんかクリスだけ「ゴールデンカムイ」のアシリパさんみたいな顔なんですけど、たぶん描いてくうちにこなれていくのかなと思います。

これ、アルじゃなくてニシオカ主観で進行するんですかね? 1巻ラストはどうでもいいおっさん同士の模擬MS戦の途中で終わってしまったので、3〜4巻ぐらいよまないと面白いかどうかよくわからん感じ。

原作が原作なので、まあ先が楽しみですね、という。

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「機動戦士ガンダム ポケットの中の戦争」1巻より(玉越博幸/KADOKAWA)

作者や出版社に非がある話では全然ないですけど、正直この時期にオデッサ(ウクライナの港湾都市)を舞台にした戦争描写はあまり読みたくなかったな、というのは少しあります。時代が変わっても要衝であるとはいえ、やな偶然が重なっちゃったね。

 

私はロシアのウクライナ侵攻に反対し抗議し、即時撤兵を求めます。

戦争はもう、漫画や映画の中だけでお願いしたい。

 

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