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#千年狐 七 ~干宝「捜神記」より~ 評論(ネタバレ注意)

古代中国で千年生きた九尾の狐・廣天たち精怪(妖怪)と人との交わりをコミカルにシリアスにロマンチックに。ジャンルレス。

「千年狐 七 ~干宝「捜神記」より~」より(張六郎/KADOKAWA)

主人公・廣天の出生にまつわる悲喜劇のエピソード群が一旦完結しまして、平穏を取り戻した廣天たち。

だが住まいとする墓陵の改修工事で一時的に立ち退くことになった廣天たちは、友達の家に泊まりに行ったはずが流れ流れて、なぜかお金持ちが主催する道術の天下一武闘会的なやつに参加することに。

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「千年狐 五 ~干宝「捜神記」より~」より(張六郎/KADOKAWA)

わけのわからない展開で、対戦相手の術士・導士たちと次々と相対する、前々巻以来の謎エピソードの完結編。

天下一武闘会的なやつに優勝した廣天。

賞金を辞退した廣天の主催者に対する要求は、「話をすること」だった…

「千年狐 七 ~干宝「捜神記」より~」より(張六郎/KADOKAWA)

ということで、今巻含めて3巻かけてやってきましたが、話としては一応繋がっていますが展開としては断絶していると言っていいぐらい急展開の完結巻。

でも断絶している二冊の前編がないとできない話でもあり、前編に登場したキャラクターたちも大活躍します。

人一人の生命を救うために道士や神妖たちが必死に大騒ぎ。

「千年狐 七 ~干宝「捜神記」より~」より(張六郎/KADOKAWA)

びっくりするキャラの「再登場」も。お前、あの時の…生きていたのか…

解決するために得られる成果以上のたくさんのものを犠牲にした、とても効率の悪い、哀しく優しく美しい話。

良い読後感ですよね。

「千年狐 七 ~干宝「捜神記」より~」より(張六郎/KADOKAWA)

この作品のエピソード完結の度の読後感や余韻は、王道なようで他に類を見な…『FSS』のエピソード完結の読後感に似ている気がするな。

 

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