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あ、今日読んだ漫画

#幼女戦記 26巻 評論(ネタバレ注意)

サラリーマンがリストラ逆恨みで殺されて成仏の際に神に反抗した罰で、近代欧州っぽい異世界、WW1前のドイツそっくりな帝国の魔導師の素質持ちの女児に転生。

戦勝と栄達と安穏な後方勤務を夢見つつ、少佐の階級、エース・オブ・エース「白銀」「ラインの悪魔」の二つ名、第二〇三遊撃航空魔導大隊大隊長として、戦場の空を支配する主人公ターニャ・デグレチャフ11歳。あれ12歳になったっけ?

『幼女戦記』26巻より(東條チカ/カルロ・ゼン/KADOKAWA)

「砂漠の狐」をモチーフにした南方(擬アフリカ)大陸編が決着、帝都ベルン(擬ベルリン)に凱旋するターニャたちを待っていたのは恩給と休暇ではなく、部下の昇進と新たな作戦だった。

その作戦とは帝国(擬ドイツ)東方に国境を接するルーシー連邦(擬ソビエト連邦)に対する偵察侵入。ターニャたちがルーシー連邦へ侵入を果たしたまさにその時、ルーシー連邦は帝国に対する宣戦を布告した…

北のレガドニア、西のフランソワ、南の南方大陸ときて、お次は東のルーシー連邦。

『幼女戦記』26巻より(東條チカ/カルロ・ゼン/KADOKAWA)

言わずもがなにソビエト連邦をモデルにした国家で、ラノベ原作で当然図ったわけでもないのに、現実でウクライナとロシアの間で戦争が始まったタイミングで、コミカライズがこのエピソードに入っちゃうという。

今巻は主人公・ターニャ周りは割かれたページは少なめで、偵察先で開戦を迎えたターニャがルーシー連邦首都モスコーに対する電撃戦を立案、司令本部に許可を仰いだぐらい。

『幼女戦記』26巻より(東條チカ/カルロ・ゼン/KADOKAWA)

巻の2/3を占めるのは、もう一人の「神に選ばれし者」、メアリー・スーの覚醒エピソード。

「メアリー・スー」については固有名詞(『幼女戦記』の登場人物)であること以外に、創作上のキャラ造形に関する含意があるので、詳しくはこちらを参照されてください。

dic.nicovideo.jp

確か神々の連携ミスで偶然"恩寵"が三重にかかってしまってるんですよね、この子。

『幼女戦記』26巻より(東條チカ/カルロ・ゼン/KADOKAWA)

超常能力ではターニャをも上回るスペックのはずですが、戦争を相対化できずに遺族・復讐ポジションから軽々しく神の代理・正義を名乗るあたり、名前のとおり薄っぺらくて全然好きになれないキャラですね。

狂信者的というか、人間味がないというより名前のまんま「装置的」というか。

今巻はむしろ、そのメアリー・スーの引き立て役になった「吟遊詩人」のが印象的でした。

『幼女戦記』26巻より(東條チカ/カルロ・ゼン/KADOKAWA)

「白銀」に互するネームドのエースがちょっとずつ露出してきて厨二病的には嬉しい限りですけど、いかんせん引き立て役の食物連鎖の底辺〜中辺なのが悲しいところ。

魔導士の空中戦描写とか、度々『BASTARD!!』を彷彿とさせる描写があった作品ですけど、今巻はまた魔法の描写といい、「天使の羽」といい、いつにも増して『BASTARD!!』っぽくてかっこよかったなw

 

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