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#ダイヤモンドの功罪 2巻 評論(ネタバレ注意)

小学5年生の少年・綾瀬川次郎は、人格はただのスポーツ好きの遊びたい盛りの子どもだったが、体格と運動神経に優れる素質が災いし、スポーツ競技を習い始める度に、先に始めた子ども達を一瞬で抜き去って傷つけて逆恨みを買い、コーチたちからはより上位のクラブへの転籍を勧められ、漠然と罪悪感と疎外感を感じていた。

弱小ながらコーチと子どもたちが和気藹々と野球を楽しんでいる小学生の硬式野球チーム「足立バンビーズ」に入団を決意。

初めての団体競技で「チームメイト=友人」との関係を楽しみ、

「今度こそ、野球をこそを一生のスポーツにしよう」

と決意していたものの、次郎の才能に目が眩んだコーチが本人の意向を無視してU-12日本代表チームに勝手に応募したことで、次郎のゆるふわ野球人生計画は壊されていく…

『ダイヤモンドの功罪』2巻より(平井大橋/集英社)

ちょっと話それるんですけど、このU-12日本代表の監督を見てると、どうしても『かぐや様』の白銀パパにがスターシステムで登場しているような錯覚に陥ってしまうんですけど、俺だけ?w

『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』28巻より(赤坂アカ/集英社)

絵柄なんか全然違うのに不思議。アニメ化したら声優は子安武人が良いと思う。

さて。

「どう描くか」がエグく少年たちの心を抉って傷つけ、そして「何を描くか」はこれまでスポーツ漫画が目を逸らしてきた負の側面を描いています。

巻数にして若干2巻、生まれて初めての野球の試合が、U-12日本代表のエースとして練習試合でリトルシニア日本一の最強チームとの対戦。

『ダイヤモンドの功罪』2巻より(平井大橋/集英社)

競馬のサラブレッドだったら、1戦勝ったら即引退して種牡馬になった方が稼げるんちゃうか、という野球デビュー戦。

自分は「全打席三振かな」と思ってたので、その想像よりはリアリティのある(?)展開になりました。

日本代表の監督・コーチ陣は、野生のワナビー崩れよりはだいぶマシというかモノを考えて指導していて流石です。

『ダイヤモンドの功罪』2巻より(平井大橋/集英社)

チームスポーツにおける「フォア・ザ・チーム」の重要性も、蹴落とされたライバルの無念も、日本代表の価値も、まったく理解できていない次郎に試練を与えて悟らせようとするが、次郎の素質は与えられた試練をブルドーザーのようにぶっ壊し、コーチやチームメイトの野球観・人生観をへし折り、そしてまったく空気の読めない発言でトドメを刺していくのだった…

『ダイヤモンドの功罪』2巻より(平井大橋/集英社)

一見もはや「超人サイコパス野球」みたいなんですけど、本人は相変わらず「スポーツ好きの遊びたい盛りの子ども」のままで、空気読めない発言も本人なりの過去のトラウマに基づく一種の逃避なので、もはや読んでて誰に同情すれば良いのかよくわかりません。

もう全員なんか可哀想。

『ダイヤモンドの功罪』2巻より(平井大橋/集英社)

もう野球やめてみんなでケイドロやろうぜ。

スポーツ面では当分、次郎の無双が続くんだと思いますが、周りとのコミュニケーションで次はどんな空気読めない失言をして他人の心を悪意なくへし折るのかと、ハラハラしてしまうw

1巻の強力なツカミに続いて、ヒキの強い2巻。

強いて次郎を擁護するとすれば、

「次郎が何を言おうが言うまいが、どうせプレイ見て心が折れるんだから一緒じゃね」

という…

『ダイヤモンドの功罪』2巻より(平井大橋/集英社)

いや、やっぱ擁護になってねえなコレw

 

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