ファイブスター物語、連続掲載継続中。
「第6話 時の詩女 アクト5-2 終わりの始まり TRAFFICS4 Both3069」。
扉絵コミで13ページ。
他の号はこちらから。
aqm.hatenablog.jp
以下、宣伝と余談のあとにネタバレ情報を含んで論評しますので閲覧ご注意。
(余談)
お前らすぐ「クリスティンはGTMの操縦ヘタ」とか言うけど(言ってない)、ロボの操縦ってすげー難しいんだからな。
『AC6』、一見、洋ゲーっぽい雰囲気ながら日本のロボ・メカ文化の要素たちが仄見える正統後継という感じですげーかっこよくて面白いです。
オペレーター役の「エア」も無機質ながらどことなく人間味が覗いて、なんとなくファティマっぽい。
ネットの天位級の攻略動画とか観比べると、ハイアラキがカイエンに説いた
「MHは手足の延長」
の意味がよくわかります。
技量がある程度拮抗している場合「マシンの性能」はもちろん大事だけど、「マシンの性能」が下手クソを上手くしてくれるわけじゃないのよね…
そういえば、昔は『バーチャロン』好きが有名だったまもるは『AC6』はやってんのかしらん。
ヘイ、イソノ! レッツ・プレイ・アーマード・コア!
機体デザインには有名メカデザイナーも複数参加ということで、『AC7』にはぜひ永野デザインの機体も! フロムが『FSS』をアクションゲーム化でもいいよ!
(扉絵)
ファティマ・バルタン。カラー設定画と解説テキスト。
(本編)
ヨーンの顛末に激昂するジークに対し、アイシャは胸中を曝け出し、和解。ジークは覇道に向かい、アイシャは身を引くことを考え、そしてヨーンは…。
「覚悟を決めたジーク。正気を取り戻したヨーン。それぞれが進む道は……!?」(ニュータイプ2023年10月号より)
(所感)
扉絵&テキスト
出番が近いのね。
サヤステ家にはもともとバルタンの他に静が居たはずですけど、養子?のミューズにバランシェ・ファティマの静をつけて、宗家のイゾルデに銘無しのバルタンなんですね。
なんでそうなったんだろう。
ミューズの期待がそれだけ高かったのか、それかクローム・バランシェ作の時点で静はまあ若いファティマで、バルタンの方が古株かつサヤステ家の象徴ファティマな感じなんでしょうか。
こう、ルーン騎士団とローテ騎士団はミューズとデコースの対決の時もそうでしたけど、後詰というか、騒動の鎮圧役がハマってる感はありますねw
イゾルデは今もメヨーヨの客将? ということは、あそことあそこの仲裁役が「非常に重要な役目」?
ミラージュ騎士たち&ファティマたち
アイシャが天照以外から呼び捨て&「お前」呼ばわりされてるとこ初めて見て、リアクションに困って固まっとるw
大御所をドツき回すハマタにドン引きしてる若手芸人みたいw
ワスチャとメナー
帰ったと思ったらまだおったんかい! 聞こえてるんかい!
アイシャ
「鉄の女」のようでいて、出番が多いだけあって実は作中、よく泣きます。
憶えてるだけでも、ラキシスが天照に嫁いで失恋が確定した時、そして光皇救出戦で天照のもとにたどり着いた時、に次いで今回が3回目。
今までは天照絡みでしか泣かなかったんですけど。
ミラージュ騎士としても政治家としても全巻皆勤賞キャラとしても、筆頭王家コーダンテ家の代表として(ある意味、作者の便利に)獅子奮迅の活躍をし続けてきましたけど、実は家庭を顧みずに仕事に没頭する「昭和型の仕事人間」タイプだったことが明らかに。
両親がシナーテ家によって暗殺されて、気弱な妹への接し方がわからず距離を取り、家族を喪い家族を捨てることで「失うものがない」かのようなブーストかかってんですね。
天照への片恋と、家族をパージされた/したことが、アイシャの強みと弱みの表裏一体に。
「弱さ」の質がワスチャととてもよく似ていて、ワスチャはヨーンの、アイシャはワスチャの、それぞれ「(愛する)人の弱さ」への接し方がわからず目を逸らす、距離を取る、逃げるところがすごくよく似てます。
ワスチャ、そこにおるんやから直接言うたれよ。
ちなみに現実でも、大病や大怪我や障害を得た身内から目を逸らす、距離を取る、逃げる人というのは、たくさんいます。
ジークのいうとおり、鉄面皮の下は情に脆くてやわやわなのをあまり隠せていないところ、人間臭いというか、天然の人たらしですよねw
シトロン・メナー
ジークがアイシャを赦す言葉を述べているときの、メナーの表情。
クールで無表情な子なんでセリフがないと情緒がよくわかんないとこありますよね。
「親友(ワスチャ)をほったらかしの実姉(アイシャ)」を冷ややかに見る目線にも、
「また人たらしで赦されて…」という冷ややかな目線にも、
「筆頭王家が情けない」というメナー家としての冷ややかな目線にも、見える。
「ワスチャの護衛」以上の役割、物語への寄与の仕方がイマイチまだよくわからないキャラ。
王族・貴族で、身内を引き立てて身の振り方の面倒を見るのは当主の義務なので、ワスチャを無位無冠の無職(大学生?)の独身で居させてるのは、自らが結婚しなかったことと併せて、明らかに筆頭王家当主としてのアイシャの瑕疵です。
「オロオロといつも頼りなく…」
って、アンタが例外的に鋼鉄製なだけで、アイシャもワスチャも本来は専制国家の「お姫様」なんですよw
ジーク
アイシャに悪意があったわけではないのを理解して和解しましたけど、怒りの矛先が自分とはちょっとズレてるな、とは。
ヨーンは、野垂れ死んでもいいんですよ別に。自身の選択だし、もう大人だし。
アイシャがちょっかいかけようが、かけまいが、どっちみちヨーンは素手でデコースに挑んで死ぬか死にかけるかなのは一緒なんだから。
そんなことより、ヨーンの野垂れ死にの運命に、パルスェットを力づくで巻き込んだよねっていう。
「まったく同じ言葉」
11巻と13巻を読み返したけどよくわからなかった。
「あの子こそが本物の…」
本物の…なによ!
もう一度アイシャ
ジークの正体に全然気づいてない「風」だけど、ミラージュと典星舎は大丈夫か。
あえて知らんふりなのか。
ブラウ・フィルモアは一目でちゃあの正体に気づいてたけど。
ゆだった〜
なんだっけこれと思ったけど、13巻読み返して、ちゃあがクラーケンベール・メヨーヨとジークに渡した例の「友好の証」か。
那里
那里自体は「うちの妹が引きこもりでなんとかかんとか」みたいなラノベのヒロインみたいなルックスだなw ぐらいしか、今のところないですけど、ナイアスの助命フラグはここか。
わざわざピンチになってわざわざ助命して、ということは、物語に対してナイアスの役割ってなんかあんのかな。
4カードの帽子
アラン・リーだっけこの子。ラルゴの親戚の。
何この帽子、近い将来アルカナナイトの上に立つ暗示かしらん。
もう一度ジーク
青春と決別して、いざ!という感じですけど、
アイシャに対して最後、
「(天照と)絶対に敵対したくない」
と言い残して行ったことの方が後々重要っぽい。
「敵対しない」伏線なのか、「したくないのに敵対する」伏線なのか。
もう二度アイシャ
自分は読者としてアイシャがいい奴なのでとても好きですが、ヨーンはともかく、駒のようにパルスェットの運命を狂わせた責任が、「いい奴」なだけに在ると思ってます。
けどそれは読者感情としてであって、作中のAKD(の王族・貴族・政府)、例えば東の君あたりの論理で言えば、ヨーンは騎士のなり損ないのフリーのチンピラで、パルスェットはそのパートナーの銘無しで、2人ともミラージュ騎士団どころかAKDの国民ですらないんですけど、アイシャほどの大幹部が引退する理由になりますかね?
誰に対する責任でミラージュ騎士を辞めるの? 俺が「彼女にフラれたので会社辞めます」ってぐらい、理由になってなくない?
ブラフォードをはじめ、一部のミラージュ騎士たち個人々々としてはヨーンに対する期待も多少あったとは思うけど、AKDの公的な立場では、私的に使役してた他国?のフリーのチンピラと銘無しのファティマが死んだり死にかけたりした「だけ」ですよ。
「スキャンダルでミラージュ騎士団の名誉を汚した」として退団したシャーリィは結果的に片腕を失いましたけど、天照が止めなかったらあのまま喉をついて死ぬ気だったぐらい、「退団は死をもってのみ」だったはずでは。
アイシャ、死ぬ気なんかな。
アイシャ自身が、自分の身と引き換えにしていいぐらい、
「こいつ育て終わったら自分はミラージュ辞めてもいいわ」
ってぐらい、次世代ミラージュ騎士としてヨーンに期待して入れ込んでいたんだろうか?
ヨーン
こっちはこっちでフォークで自殺しようとして、思い出の匂いで思いとどまる。どん底終わりかな。
実は「昭和型の仕事人間」みたいだったアイシャと少し似てて、
視野狭窄して「バーシャ」と「デコース」と「パルスェット」しかないと思っていた人生に、実は他にも大切なものが在った。
もうヨーンはデコース倒して「騎士の中の騎士」になったら、騎士廃業してお世話になった人たちに恩返ししながら余生を過ごしなさいよ。
ところで、ヨーンはジークとアイシャの会話を聞いてないので、アイシャとワスチャが姉妹であることをまだ知らないんですよね。
そこは物語的に大事なのか、大事じゃなくてたまたまなのか。
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