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I oppose and protest the Russian invasion of Ukraine.

FSS (NT2023年9月号 第18巻相当) 評論(ネタバレ注意)

ファイブスター物語、連続掲載継続中。

「第6話 時の詩女 アクト5-2 終わりの始まり TRAFFICS4 Both3069」。

扉絵コミで13ページ。

  

他の号はこちらから。

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以下、宣伝と余談のあとにネタバレ情報を含んで論評しますので閲覧ご注意。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(余談)

マツダのロードスターを買うことにしました。

新型がまだ発表もされてないので入手できるのはまだだいぶ先ですけど。

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十数年、クルマなし生活を続けていて特に必要でもないんですけど、なんか欲しく、というか乗りたくなっちゃって。

つい厨二病ゴコロで白い車体に花十字とか、黒い車体にオレンジの勾玉とか、銀色の車体にシュペルターマークとかをカッティングで小さくワンポイント入れたくなりますけど、自重しますw

 

(扉絵)

「ブラック・エンペラー〜漆黒の皇帝 フィルモア帝国239代皇帝・レーダー9」

のカラー設定画と解説テキスト。

他、今後の刊行予定など。

 

(本編)

ヨーンがバッハトマに嵌められたことを察知したミラージュ騎士・カイダは、脱走者・抜け忍として追われるアーリィを救出。一方、ヨーンは精神崩壊しており医師はアイシャに、彼の騎士能力の除去を勧める。そのやり取りを、見舞いにきたワスチャとジークが聞いてしまう。

「ジークの怒りが爆発!アイシャはどう受け止めるのか……?」(ニュータイプ2023年9月号より)

 

(所感)

扉絵&テキスト

レーダー9については後述。

フィルモア帝国の旗騎に「マッハ・シャルトマ(マーク4)」があるので、クバルカン法国を併合するのかな、とも思ったんですが、その割りには法王が駆る「破烈の人形(マーク3)」は旗騎に叙せられていないので、ちょっと謎っちゃ謎です。

旧の「カーディナル・バング」ですよねコレ。バング周りは設定変更が多すぎてよくわからん。

旧設定のカーディナル・バングの騎士だったはずのイゾルデ・サヤステの、ライバル筋のフィルモア騎士、ナイアス・ブリュンヒルデが捕縛されて死刑を待つ身ですけど、なんか関係あんのかな。あ、違う、アレはノンナ・ストラウスか。

わからん、全然出番もなくて活躍もしないのに設定ばっかり多い上にコロコロ変わってもう全然わからん。

パッと思いつくのは

①「サヤステ返して」パターン

もともとドナウ帝国の出の家系であるサヤステ家のイゾルデ・サヤステが、ナイアスの後任としてマッハ・シャルトマごとフィルモア帝国に召還されるパターン。

 

②「移籍・レンタル移籍」パターン

ミューズの法王就任で役目を終えたイゾルデがGTMごとフィルモアに移籍(亡命?)する、もしくはレーダー9の要請でミューズ法王がサヤステをフィルモアに出向させるパターン。サヤステ家はもともとフィルモアからクバルカンへの出向っぽいとこありますよね。

 

③フィルモア帝国とAKDがクバルカン法国を併合するパターン

フィルモア帝国がクバルカン法国を侵略、もしくは平和裡に併合し、マッハ・シャルトマ(マーク4)を鹵獲もしくは譲渡されるパターン。

破烈の人形(マーク3)がフィルモアの旗騎でない理由は、AKDのミラージュに鹵獲される、もしくは譲渡されるから。根拠は、ログナーが破烈の人形(マーク3)をミラージュマシンとして駆る設定。

ログナーの設定との整合性考えると、③が一番説得力ある気もしますね。バキンラカン帝国が属国になるなら、クバルカン法国もそうなったって全然不思議じゃない。それが「グレート・ショルティ連合」なんかな。

ミューズ法王は我々読者から見ると「主人公格」のいい奴なので、もう一人の「主人公格」のレーダー9に滅ぼされたり傘下に降るのはピンとこないですけど、レーダー9から見るとそもそもミューズ法王は同じ立場にあった皇帝ダイ・グの苦しみに寄り添わなかった無能な法王なので忖度する理由ないし、フィルモアがクバルカンを滅ぼしたり傘下に治めたりするのはもっと後年でその時には既にミューズは法王を引退している可能性もあるし。3159年ってミューズまだ法王やってんのかな?

少なくともログナーが破烈の人形に乗る未来はほぼ確定してますしね。

クバルカン法国がフィルモア帝国に平和裡に併合されるパターンは、

「カラミティ星崩壊に備えて団結しよう」

もしくは

「AKDに対抗して団結しよう」

で、なくはない話。

 

デザインズ7は一応年内目標とのことですけど、去年も秋頃に

「『緋色の雫』は年内完結」

と言いつつ伸びましたし、この作者のメタ・スケジュールはあんまり当てになりません。

むしろ自分で決めたスケジュールに納まらない発想が後から飛び出して(作中で語られるところの「プリマ・クラッセ」というやつの一端ですね)メタ・スケジュールが遅れるところにこの作者の本領があるとも言えるので、あんまり自分で言ったスケジュールにこだわらないで欲しいな、と思います。

そもそも自分は「本編>設定資料」派ですし。

 

ヨーン

またカミーユに似ちゃって…星がバァーッって。

 

アーリィ

逃亡中で追っ手に位置把握されるにも関わらず、絶交されてるかもしれない返事のこない相手にLINEを送り続けるのを我慢できないメンヘラ・ストーカー器質、いかにもアーリィだな、とw

でもマルターだけは無事に逃がそうとしていて、ファティマを道具として使い捨てるフィルモア騎士たちよりも立派な人間性だ。よく巴なんかの部下やれてたな。

 

カイダ

今号でもっとも株を上げた人。

作品当初からいた「忍者(暗殺者?)騎士」の設定がようやく活きました。

FSSはこの手の「死んだ設定」「眠ってる設定」を抱えたキャラが多すぎるので、新たな設定増やすのもいいんですけど、それ以上に作った設定をちゃんと活かしてあげて欲しいな、と思います。

ので、今の自分は「本編>設定資料」派。

 

泉興京巴

もう二度と登場しなさそうな初登場キャラが語る巴の思い出とかどうでもいいというか、「間違っていなかった証」ってあのブサイクな死に顔が「笑って死ねた」って言うのかな。

 

医師

騎士の面倒見る、騎士能力持ちの医師っていないのかなってちょっと思いましたけど、ミラージュ騎士のディッパ・ドロップスとか普通にいますね。

まあ光帝の代理人たるミラージュ騎士を、ヨーンの24時間介護に専従させるわけないか。

 

ワスチャ

本編初の姉妹そろったのシーンが、こんな形になるとは。教師と生徒みたいね。

あらためて、ワスチャはFSSの登場人物で王族で騎士ですけど、極めて「普通の人」なんですね。

身内の変貌や病気などから目を逸らしたくて、面倒を見たり見舞いしたりを敬遠する人というのは現実でたくさんいますし、自分も身に覚えがあります。

「普通の人」からしたら、ヨーンの妄執はそりゃ怖いよ…

 

ワスチャの同行者

後ろ姿がどう見てもヒュートランには見えないというか、剣聖マドラ?

いや、ベレー帽だからシトロン・メナーか。あの目が細い子。

 

ブラフォード

MOBみたいなつまんねーセリフ…主が変わって落ち着いただけで、犬体質は治らんな。

って思っちゃうので、このシーンでこのポジションに置かれたことが貧乏クジというか…

 

アイシャ

 ・ヨーンの廃人化に今さら逡巡する

 ・ヨーンとワスチャの関係を今さら知って狼狽える

など、先述のブラフォードと同じくメタに「そういう役どころ」とか「人間らしい」とか言ってしまえばそれまですが、ここのところのアイシャは愚鈍で無能でダサすぎる。

ヨーンとワスチャが同じ学校で学年も近いことなんて、典星舎によるヨーンの身上調査でわかってたはずなんですけど、

①典星舎が調査・報告していなかった

②アイシャが報告をちゃんと読んでなかった

③アイシャは報告は読んだが、自分の家族の人間関係と仕事の人間関係を結びつけられないバイアスが働いた

④アイシャはワスチャを「子ども」と侮って、国際情勢に関わる人間関係から完全に除外して考えていた

のどれか、という感じでしょうか。③と④の複合かな。

③のバイアスは現実でもよくありますよね。「仕事や学校」と「家庭」はマルチバース的な別世界なので、そこが急に結びつくと脳が混乱します。

ワスチャとクラーケンベールの関係とかも、もしかしてフォローできてないんですかね?

 

ジーク

自分はパルスェットが死んだ時に、こんなことを書いたので、

後述するが、『FSS』が始まる前から「こう」なることは予見され、予見されていることを作者自身も知っていた中で描かれたアイシャが、「こう」なることを予見できなかったとするのは無理がある。

星団を代表する強騎士に対して復讐心に燃えて血気盛んで、でもGTMを持たない騎士の出来損ないの若造に、ファティマだけを与えれば、巻き添えになったり盾になったりでファティマが「こう」なることは十分予見できた。

読者と違って「主人公補正・ヒロイン補正でなんとかなるだろう」という希望的観測をもつ理由も、アイシャにはなかった。

そもそもGTMを持たない騎士のなり損ないにファティマだけを与えて、どうするつもりだったのか、何をさせたかったのか。

「パルスェットに情が湧いて、情に負けて、そのうちヨーンが騎士になる」

と思っていたのであれば、「結果的に」それは叶ってしまうかもしれない。

アイシャはパルスェットを「道具」「奴隷」「家畜」として見事に使いこなした。

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ジークには共感しかありません。

強いてアイシャを擁護するとすれば、一兵卒を道具として使い捨てにするのは特にジョーカー星団の王侯貴族としては別に当たり前なんですけど、「出来のよいお姉さん」とはレイヤーの違う話ですよね。

というのと、本心は

「見どころのある可愛い男の子を、善かれと思ってパトロンとして育てようとしてやらかした」

だけで、悪意や「王侯貴族の傲慢」があったわけではないとは思うんですけど。

 

レーダー9の恐怖政治も、見たところその対象範囲は王侯貴族と政治家と騎士までで、民衆に何かしたとは書かれていません。

その後、フィルモア帝国の善玉キャラが増えたので錯覚しそうになりますが、ギエロがシューシャの死体を河に投げ捨てて、その価値観を良しとしてむしろ誇らしげに訓戒としてイキっている時点で、フィルモア帝国上層部は基本的に因習に囚われて疑問に思わない人間のクズの集まりなので、レーダー9に粛清されるのはしょうがない。

その場合、ナイアスとか普通に死刑になって終わりそうですけど、どうなんかな。

また無駄に設定を抱えたまま見せ場もなくキャラが死んじゃいますが。

ドリュー・ゼレとかもこのまま今後出番がなかったら、「別にいなくてよかった無駄キャラ」になってしまいます。

前にエストを「人間だったら人間のクズ」と書きましたけど、レーダー9が黒騎士を襲名せずにエストを娶るのも、

「この人間のクズを野放しにしてヨーンの不幸を再生産させられない」

という、幽閉・拘束目的なんじゃないのか、と。

 

・ジークがヨーンを差し置いてエスト(もしくはバーシャ)を娶る状況

・ワスチャ、アーリィ、桜子とヨーンのミラージュ内での四角関係

・「ジークとヨーンがそれぞれ別の方向から魔導大戦を終焉に向かわせる」とは

・星団中の騎士が見守る戦い

・ヨーンがミラージュ永久欠番になる理由

・アイシャがミラージュ引退する理由

・ジークが最終的に即位を決意する理由

のすべてに辻褄が合って、きっかけを与え、もしくは解決できる結末を、自分は一種類しか予想できません。

 

ジークはフィルモアの複数の王家の血を引く血統から「三色の皇子」とあだ名されていますが、

・レーダー1とダイ・グの理想・意志

・パルスェットの血

・ヨーンやワスチャとの友誼

という「三色」も持ってるんですね。

 

次回ですが、逆ギレしたアイシャがジークにビンタ、

「うちのジークになにすっだ!」

とブチ切れた璃里・ブラウ・フィルモアが乱入して来てアイシャに襲いかかり、止めに入ったマドラとログナーも交えて星団一武闘会が開催されるとはオラびっくりしたぞ!

絶対観てくれよな!

 

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