

「質問です 我々は『薬物汚染』と戦うのでしょうか
それとも資金ネットワークを叩くのでしょうか」
「屑共の資金源よ ああ そうそう
麻薬をばらまく糞を撃ち殺してもコラテラルダメージと認めるわよ?」
「幼女戦記」原作者による情報・防諜・公安もの。表現が陰惨かつ偽悪的で問題作のように見えて、内容は「攻殻機動隊」の原作と変わらない。
東西の大国に挟まれ緩衝国として強制的に戦火の舞台にされた小さな共和国に、両大国の都合で今度は強制的に平和が訪れて一年。
強制された屈辱的な平和、両大国と唯々諾々と安保条約を結ぶ政権を、不満を募らせる左右の過激派は「売国奴」と罵り、暴徒・テロリストと化す。
前線で血を流し友を亡くしながら平和を勝ち取った「塹壕貴族」たちは、平和をすべての脅威から死守するべく、特務機関・軍務省法務局公衆衛生課独立大隊「オペラ座」、蔑称「売国機関」を設立。「平和の敵」と化した市民たちへ銃を向けた。
今巻は、戦禍の舞台となった東部に駐屯する大国の師団による軍製麻薬密売ルートの摘発と世論の操作。
かつて軍の盾にされた東部市民に対する少佐の敬意と同情。彼女のシンパシーは「自ら血を流した者」にのみ働くんだね。
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