「かつてはあの運命の池田屋で死闘を繰り広げた俺達三人
生きてまた再会出来たのもまた何かの運命…」
「いや…俺は池田屋には参戦してない」
「あれ…」
「拙者も出撃許可が下りなかったでござる」
「そだっけ?」
てきとー過ぎるやろw
表紙が赤、青、黄色、ときてますが、次は緑とかですかね?
「るろうに剣心」の続編が始まったのは見聞きして知ってたけど、連載始まっていきなり作者自身が自業自得の大変不名誉な罪状で書類送検され半年に渡って休載、「なんだかな」と思ってスルーしてて、連載再開後、3巻に達してだいぶエンジン暖まったようなので、どれ、いっちょ読んだるかい、と3冊まとめて。えらそー。
今作の狂言回しになる新キャラの少年・明日郎にちなんで序章のサブタイトルが「明日郎 前科アリ」となってんだけど、作者もいきなり前科アリになる衝撃の展開、1巻の著者コメント曰く
「今作は続編ですが一から出直して頑張ります。」
とのこと。是非とも汚名を雪ぐお仕事ぶり、期待してます。
あれから5年(厳密には前作1巻時点から5年)、明治16年。
神谷道場の跡取り娘・薫と結ばれ一児をもうけ、道場の師範を務めつつ人助けに勤しむ剣心。平和な一家のもとに、賊の一味が持っていた一枚の写真がもたらされる。今年の春に北海道の函館で撮影されたとされるその写真には、6年前に西南戦争で死んだはずの薫の父親・神谷越路郎の姿が写っていた。道場を師範代の弥彦に任せ、剣心と薫の夫婦は幼い息子・剣路を伴って、函館に向かう。北海道の地では新たな争乱が芽生えつつあった…
的な感じ。
幕末〜明治で北海道となると、否が応でも「ゴールデンカムイ」にも登場している土方歳三や永倉新八の登場に期待してしまう。
「新たな敵」が今のところ完全新キャラ勢ということもあり、剣心チームは左之助や斉藤一などの旧味方勢の他、志々雄真実の十本刀の生き残り、果ては前作で温存した新撰組の生き残りまでオールスター。大丈夫?こんなに味方たくさんいて、敵、足りる?
前作では「あの伝説の」と史実の人物、例えば新撰組の名を借りて見栄を切ってたけど、今作は自前のオリジナルキャラでも見栄を切れて大変見応えあって豪華。Zガンダムのシャアやアムロがたくさんいる感じ。
旧作のネームドMOBの三島栄次の存在が、旧作の敵が味方になることの苦さ、一筋縄にいかなさを体現していて良い。
前作ラストで弥彦に託したはずの逆刃刀があっさり剣心に返されたことに違和感を感じた読者さんが多いみたい。根本原因は、作者が前作で相当意識して頑張ってたけど、それでも弥彦を「育て損なった」ことに尽きると思う。次代に時代を託す、という意味では本来、続編の主人公は弥彦でなくてはいけなかったんだけど、主役を張れるところまで育てきれず、結果、弥彦は今回は道場で留守番で読者のスコープからフェードアウト。追って合流するのかな。
今作では、明日郎、阿爛、旭という、「ガンダム」のカツ、レツ、キッカに当たるような新キャラの16歳の少年少女トリオが、主役というか狂言回しとして登場。明日郎(1巻表紙 左)に至っては志々雄真実が「十一本目」として育てようとしていた、また妖刀「無限刃」を受け継いだ曰く付き。彼らが弥彦を差し置いて活躍できるまで成長するのか、結局大事なところはまた剣心がやっちゃうのか、も大きな見どころ。
ギャグというかコメディというか、は、前作より面白くなってるよねコレ?左之助がバカなのは前からだけど、斉藤が面白いってどういうことなのw
なによりワクワクさせるバトル展開の少年漫画を描かせたら相変わらず一級品。
正直、大ヒットの後にヒットに恵まれない作家がキラータイトルの続編に回帰するジャンプ作家のいつものやつ、ぐらいに思ってたんですけど、予想を上回って「想い出はいつもキレイ」に留まらない面白さ。「ワートリ」のためだけにジャンプSQ買ってますけど、ちょっと「るろ剣」も読み返そう。
今後の展開も、土方歳三の登場を祈念しつつ期待したいところ。和月が描く土方歳三、見てみてえなあ。やー、マジSQ買う楽しみが増えたなコレ。
(選書参考)
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