「その気になれば世界征服できそーな戦争の天才たちが
野菜について語りながらメシを食う…
私としてはこの時間が永遠に続いてほしいんだけどなぁ…」
田中芳樹の名作のコミカライズ。最終巻。原作はSFマガジンに80年代後半に掲載、後に文庫化。
地軸が90度傾いて滅亡しかけた地球で、復興した7つの都市のSF架空戦記。旧世界の遺物のレーザー衛星が高度500m以上の飛翔物を無差別に狙撃してくる、飛行機が飛べない世界観。各都市には個性的な主人公格の軍人や政治家が計6人ぐらい、エピソード毎にあっちと戦いこっちと手を組み、人の動きがダイナミック。
世界観にマッチした火薬の匂いがする好コミカライズ。
主要登場人物が顔見せがてら一通り活躍して先が楽しみ!なところで完結。原作も文庫1冊、小品なのは当然で、全盛期に書かれたとは言え田中芳樹が全力を出し切った作品だったとは思えませんが、それだけに原作者の「悪い癖」が出る前の準ハッピーエンド。
続きを読みたくもありますが、原作者に筆力が残されているとも思えず、おそらく登場人物たちも続きを描かれない方が幸福でしょう。主要登場人物6人中、少なくとも5人ぐらいは死んじゃうでしょうし。
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