#AQM

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#ドラえもん 0巻 評論(ネタバレ注意)

「あけましておめでとう。
 おとしだまにどらえもんをあげる。」

「いらないよ そんな へんなの」

「ドラえもん」の第0巻が昨日発売だったので。

勉強も運動も苦手な怠け坊主の少年・のび太。ある日、部屋の机の引き出しからネコ型ロボットが現れる。彼はのび太の子孫によって先祖の人生お助けのために送りこまれた、未来の世界のロボット・ドラえもんだった。22世紀の科学道具を駆使するドラえもんと、のび太の愉快な生活が始まった。

作者が死んでも作品は死なない典型例、生ける伝説の子ども向け漫画の0巻。

小学館の学習雑誌「よいこ」「幼稚園」「小学一年生」「小学二年生」「小学三年生」「小学四年生」「小学五年生」のそれぞれに掲載された「ドラえもん」第1話を収録しています。その他、ドラミちゃんの初登場話などなど。

小学館の各学年の学習誌にドラえもんが掲載されていたのは知ってましたが、てんとう虫コミックスに収録されているのは漫画誌「コロコロ」で連載されていたバージョンだとずっと勘違いしていました。この巻の解説によると各学年の学習誌に掲載されたものからチョイスして収録しているんだそうです。「コロコロ」に連載されていたのは「大長編」の他にはわずかな短編だったっぽい。

自分は「なぜのび太達の学年は不詳なのか」がずっと疑問だったんですが、掲載誌がバラバラで、且つその掲載誌の学年の子どもが「自分と同じ学年」と思えるように、あえてぼかしてた感じなんですかね。

ちなみに1970年1月号から「よいこ」「幼稚園」「小学一年生」「小学二年生」「小学三年生」「小学四年生」で、1973年4月号から「小学五年生」「小学六年生」で連載が開始され、6学年×12ヶ月の連載+αで年間72本以上のエピソードが量産され続けていたそうです。正気の沙汰じゃねえ。

他、ドラえもん開始前月の予告ページや、ドラえもん創作秘話の短編漫画、全45巻に収録される全話タイトル一覧も収録。ドラえもん各1話のレイアウトやロゴ、煽り文も当時のものが再現されています。最初期の「え、マジで!?」ってなる各種設定違いのうんちくも面白い。

全45巻って子どもの頃は無限のように感じられましたけど、今となると「お、持ってた分も持ってなかった分も含めて、買い戻せるな…」とw

大長編が現在24巻だそうで、遠い未来に巻数抜かれたりして。

意識・無意識に関わらず影響を受けなかったことにするのは不可能な伝説的な存在ですが、近年隆盛を誇る異世界もののキモになる「チート」要素も、「ドラえもん」のひみつ道具が、元祖ではないにしろ中興の祖ではあるような気がしてきますね。

初期ドラミちゃんが意外とドジっ子で可愛いのと、あとのび太の結婚相手がジャイ子でもしずかちゃんでもどっちみち子孫にセワシが生まれるの、こいつらの遺伝子は一体どうなってんだと今さら思いました。

 

ドラえもん 0巻 (てんとう虫コミックス)

ドラえもん 0巻 (てんとう虫コミックス)