AQM

あ、今日読んだ漫画

#呪術廻戦 8巻/9巻 評論(ネタバレ注意)

「先生 俺強いよね?」

「あぁ 生意気にもな」

「でも 俺だけ強くても駄目らしいよ
 俺が救えるのは 他人に救われる準備がある奴だけだ」

呪術・呪霊をめぐって特殊訓練教育機関な学園もの要素もありのダークなバトル漫画。ギャグコメ系の変化球な会話芸・顔芸と、直球シリアス展開のギャップ。

natalie.mu

アニメ化記念かな、8・9巻同時発売。

8巻の冒頭1/3ぐらいで壊相・血塗兄弟編が終わり、1冊半以上をかけた長い回想シーンに入る。五条と夏油の高専生時代、五条の覚醒と、夏油の…闇落ち?闇落ちって感じでもねんだよな。


前巻までの「パンダ」や「黒閃」の説明を見ても、この漫画は作風としてわざとわかり難く描いているか、作者の頭がよっぽど悪いのか、読んでるこっちの頭がよっぽど悪いのか、どれなんだろう。と思ってたんですけど、要するに作者の頭の中で一貫して整合して確固としてある世界観や年表の解像度が細密で情報量が多すぎて、誌面で全部伝わりきれてないっぽい。あと一から十まで説明するのも好きじゃないっぽい。


8巻の例えば「描写もなく女が攫われ」「特に必然性もなく場所が沖縄に移り」「何の描写もなく女は救出され」「沖縄では観光だけをして帰路の困難を予感させ」「次のページで何事もなく帰ってくる」という展開は、伏線を張ってない事件ばかりが起こったり、大ゴマで緊張を盛り上げて張った伏線はページをめくると何も起こらず肩透かしに終わったり、8巻だけ見ると漫画の展開として外法というか意味がないように見える。この手のメタな漫画遊びはあだち充がよくやる。

8巻読んだ時点では修学旅行的な、思い出作り的な意味しかないんじゃないかと思ったんですよね。そういう意味ももちろんあるんだろうけど。

 

話は考えたけど、描きたいところと描くのが面倒くさいところがハッキリ分かれてて「描きたいとこだけ描いてます」「面倒くさいところは飛ばします」的に、わざと情報量しぼってナゾナゾみたいに読者に考えさせつつ独自の謎のテンポを楽しませたい意向なのかな?って思わせといて、9巻になって「8巻の展開の意味のなさ」自体に意味があったことがようやくわかる。

ああ、もしかしたら2冊同時発売なのはこの為なのかもしれない。8巻で一旦切ったら9巻を読んでもらえないかもしれない。

9巻で相当わかりやすく8巻で起こったことを解説してくれてるんだけど、その解説自体、作者は「ダッセーな」って舌打ちしながら描いてそう。本当は描かれてないことを察する快感を読者に提供したい人なのかもしれない。


永野護あたりは開き直ってその辺のヒントや解説の提供は年表や設定資料集に丸投げしてて、それを30年来の訓練された読者たちが未消化の伏線を箇条書きでメモして勝手に解読しながら読んでるので、20年前に張った伏線が回収されたことを読者が勝手に気づくとかいうことが成立してんだけど、この始まって2〜3年しか経ってない漫画は年表も設定資料もなしに似たようなことをやってる感じがする。

過去のジャンプ作品でいうと「BASTARD!!」に似てて、物語の進行に従って仄見えるバックグラウンド設定の大きさと緻密さに我々読者はワクワクしてたんだけど、段々作者がやりたいことに対して、長期に渡って回収されない伏線や理解不能な唐突な展開の連続に読者がついていけなくなって作者のモチベーションが下がってしまって、作画のこだわりから遅筆化したのもあり、ダメになってしまった。


先々がとても楽しみな反面、今回のメタテキストでも少年ジャンプ編集部コードに対して「無視しました」とハッキリ書いてあって、アニメ化して大丈夫なんだろうかこの漫画、と思いつつ、5年後にはアニメ化できない作品になっているか下手したら他社に移籍しちゃってる可能性もあって、アニメ化するなら今のうちだった、という気もする。

 

過去の描写に向けても伏線張ってそうなので、とりあえず0巻からもっかい読み返そう。

虎杖、五条に並ぶあと2人の主人公、乙骨憂太と秤をまだ隠してんだよねこの漫画。

 

呪術廻戦 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)

呪術廻戦 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)

  • 作者:芥見下々
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2020/01/04
  • メディア: Kindle版
呪術廻戦 9 (ジャンプコミックスDIGITAL)

呪術廻戦 9 (ジャンプコミックスDIGITAL)

  • 作者:芥見下々
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2020/01/04
  • メディア: Kindle版

 

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