「よォ〜く思い返してみたんだけどよ〜
俺が知り合う女がさあ!!全員オレん事殺そうとしてんだけど!!」
「私がデンジ君を好きなのは本当だよ」
「えっマジ…?」
「敵の言葉を聞くな!!お前はチョロすぎだ!!」
「…はっ!危ね〜な!!危うく騙されるトコだったぜ!!」
野茂がレゼを見覚えあるようなこれ見よがしな伏線はなんだったんでしょうね。ソ連の件の報道か手配写真で見覚えがあったとかかな?
父親の借金を背負って臓器を売りながら生き延びてきた野良犬少年・デンジ。
悪魔・ポチタとコンビを組んでヤクザの下で搾取されながら悪魔狩りを営むも、ヤクザが悪魔に乗っ取られ絶体絶命のピンチ。
デンジはポチタと融合しチェーンソーの悪魔として美少女・マキマにスカウトされ、美少女魔人・パワーと組んで公安デビルハンターとして悪魔と戦っていく。
前巻後半以来の新ヒロイン・レゼ編が完結。レゼ編通じて1本の映画みたい、というか映画化して欲しい。
まるで運命の出会いのように恋に落ちたデンジとレゼ、仕組まれた罠、衝撃のキスシーン再び、ボムによる殺戮と逃亡戦、デンジの復活と激突、決着、デンジの決意、マキマによる哀しい結末、パワーちゃんオチ。
ノワールでピカレスクでハードボイルド。戦闘シーンもクソかっこいい。
猫が見送るシーン、最初意味がわからなかったんですが、デンジはすべてを捨ててレゼと一緒に逃げる決意をしたんですね。
マキマに操を立てていたデンジの恋と性欲が入り混じった気の迷いが本気の恋になって、でも約束の店に彼女は現れず、何も知らないままのデンジ。
無情にして無常、純粋にして凶暴、素朴にして過激、汚く美しい絵面、テンション高く頭は悪く、脇役たちにも満遍なく見せ場を作りつつも、デンジとレゼの物語が縦軸を貫いて、迎える救いのないラスト。いい女が出てきた端から次々に死んでいく。
「チェンソーマン」でこんな話を読めるとは思ってもみなかった、の反面、この作品以外でこんな哀しく美しい話は読めないだろうな、とも思う。最後の最後でパワーちゃんで〆るのもいいよね。
少し「ブラック・ラグーン」の双子編を思い出すね。でも、そうはならなかった。ならなかったんだよ、ロック。だから…この話はここでお終いなんだ。
一連の「レゼ編」のエピソード、大好きだコレ。
「デンジ君ホントはね 私も学校にいった事なかったの」
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