#AQM

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#舞妓さんちのまかないさん 13巻 評論(ネタバレ注意)

「やっぱりおにぎり食べる。」

「なんだよ。」

「みそ大根入ってへんやん。」

「いったろうが。みそ大根入ってねえくらいで泣くな。」

「泣いてへん。」

「ほんとよく泣くよな。」

「泣いてへん。」

「ぼうしかえせ。」

「いやや。」

「キヨのばあちゃんち寄ってくだろ?」

「うん。」

京都花街を舞台にした舞妓さんの世界+働く女の子の日常+料理。

青森から上京して舞妓さんを目指すも候補から降りた屋形まかないのキヨ(16)が主人公というかヒロインなんだけど、青森以来の幼馴染で舞妓の百はな(ももはな)の雅で可憐な鉄人ぶり、超人と鉄人のダブルヒロインな感じ。

今日の晩ごはん、桃のシロップ煮、今日のお昼ごはん、みそ大根のおにぎり、ハンバーグ、みそおにぎり、むぎ茶とあんずのしそ巻き、パンの耳ラスク、今日の晩ごはん、今日の朝ごはん、今日の晩ごはん、今日の晩ごはん、すーちゃんのおにぎり、すいか。

親戚の結婚式で青森に帰郷した百はなは、怪我で野球の道を断たれた幼馴染の健太に会う。そして再び京都の日常へ。

バランスを崩せば退屈にすらなり兼ねない静かな作品で、肝心なことはほとんど言葉にされないですけど、読んでいて心が温かくなるようなキャラクター同士の愛情や思いやりが行間と食べ物に託される様子が、とても繊細に描写されています。

特に百はなと健太の再会のシーンは出色。蛍に照らされた百はなの秘めた幼い恋。三人が三人とも相手の願いが叶うことを願う、彼らの優しい三角関係はどう帰結するでしょうか。

次巻予告で「物語は大きく動き出す…!!」とあるんですが、この作品にそんなこと起こるんかな。あれ…もしかして終わるつもりなんかしら。

 

 

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