#AQM

あ、今日読んだ漫画

#攻殻機動隊 THE HUMAN ALGORITHM 1巻 評論(ネタバレ注意)

「率直に話します 『東北』から手を引いていただきたい」

「…"アテルイ"の件ですかな?」

「あれは我々の問題です 公安が首を突っ込むことではありません
 たとえ内閣総理大臣直轄の特殊部隊といえど
 踏み込んではならない領域がある」

「"そこ"に踏み込むために9課(うち)がある」

「攻殻」の漫画を記事にするのはこのブログでは初めてなんですが、我ながらカテゴリータグの数がすげえw

「攻殻機動隊」は士郎正宗の近未来SF公安警察漫画。派生して押井守監督の劇場版がグローバルでブレイクしたり、アニメシリーズ「Stand Alone Conplex(SAC)」シリーズが大ヒットしたり、リブートしたり、スピンオフ漫画がたくさん出たりと、ガンダムとまではいかないまでも一つのジャンル化・産業化してる側面があります。

派生作品が多い分、作品間には矛盾する設定も多く、基本的に「士郎正宗による原作漫画」「押井守の劇場版」「アニメ『SAC』シリーズ」「スピンオフ漫画」がすべてパラレルな世界観設定になっています。

今作は、士郎正宗による原作漫画「1.5」、草薙素子が公安9課を去った後の続編の、そのまた続編という位置付けの新シリーズで、士郎正宗の原作シリーズに比較的近い世界観。

とはいえ、SACシリーズの影響は感じられ、表紙の2人、SACで人気が上昇したトグサとバトーが主人公っぽい扱い。

おなじみの荒巻、イシカワ、サイトー、パズ、ボーマに加え、「1.5」以来隊員のアズマ、今作から加入・霊能局からアラマキが引き抜いた紅一点のツナギが登場。

義体のさらなる発展を主張する神子元シンラ議員に対する操作された義体たちによるテロ事件。犯行に使われた義体はすべてオオサキ重工製だった。

バトーとアズマが沖縄のオオサキ重工の調査にあたる一方、トグサとツナギは東北の義体不法投棄事件の調査へ。不法投棄された義体の中には「草薙素子」が使用した義体も含まれていた…

イケメンロンゲのトグサ。東北を根城に「肉体原理主義」と唱える宗教団体「アテルイ」。その周辺で影が浮かぶ樺太戦線の生き残り「白熊」。オシャレモヒカンのバトー。沖縄で抗争を繰り広げる山原興業と中華系マフィア「青蛇」。超剛性義体化された青蛇の頭領。女子高生義体化したイシカワ。すべてをつなぐ階上(はしがみ)家に連なる者たちの謎。

絵は劇画タッチで、あまり劇画を嗜まない自分は井上雄彦の近作を思い浮かべる絵柄。

攻殻機動隊の、コメディスピンオフではない新作を描くというのは常に士郎正宗の原作と比較され、読者の期待も高い大変ハードルが高い仕事ですが、今まで見たことのないサスペンス・ミステリータッチの新しい「攻殻」としてハードルを超えてきたように思いました。

新ヒロインのツナギもいいよね。次巻では草薙素子が現れる「か」のような予告がされてますが、まあまだ出てこねーだろうなあ。