「アルテが道義にもとる行為をするような…私たちを裏切るような
そんな事をする人間では決してないと…そう 確信しています
あなたもそう確信なさってるのでしょう?」
「勿論です」
ルネサンス期のイタリア、フィレンツェで貴族の実家をおん出て徒弟制で男社会の芸術と職人の世界に身を投じたアルテ。貴族出身の若い女流画家ってことで変わり種として業界で見下されたり重宝されたりする自分の立場に、柔軟に強かに折り合いつけて頭角を現していく。
スペインから長期旅行に来た正体不明の貴族令嬢・イレーネの接待役を兼ねて肖像画の製作を依頼されたアルテ。令嬢は気品と思いやりのあるいい人だったが、ただの貴族令嬢にしては警備は厳重すぎ、周囲は高貴に扱い過ぎていた。彼女の正体はスペイン・カスティリャ王国の王女カタリナだった。
前巻の感想で
イレーネをめぐる陰謀劇は気になるヒキが入ったものの、肖像画の製作自体はひと段落して、次巻は後片付けの後に新章かね?
とか呑気なこと書いてたんですけど、確かにひと段落で後片付けで新章っぽいですけど、不穏な伏線が最悪の形で回収されちゃってすごい急転直下。
痛快ではあるんだけど、あわわ、あわわ、あわわわわ。
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