#AQM

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#カッコウの許嫁 1巻 評論(ネタバレ注意)

「親同士4人で話し合って決めたことなんだけどよ」

「やっぱりわたしたち実の子も育ての子も大切なの」

「だって16年だもんネー そこでぇ!二人が結婚しちゃえばあ
 二人とも自分の子供になるって発見しちゃったんだよねぇ!!」

「いや…何言ってんの?」

ホントだよ。

近年ヒットしたラブコメ漫画「かぐや様は告らせたい」「ぼくたちは勉強ができない」「五等分の花嫁」は、ハーレム・非ハーレムの別はあれど、いずれも主人公男子が「片親」「裕福でない家庭環境」「学業優秀」「可愛い妹がいる」という共通点がありました。なんでしょね。偶然でしょうか。

旧い映画・演劇ファンにとっては「カッコウ」と言えば「カッコーの巣の上で」や、そのタイトルの由来となったマザーグースの詩が想起されますが、近年の漫画作品ではもっぱら「托卵」のモチーフとして用いられます。007の「スペクター」でもそうでした。

ハーレムラブコメ「五等分の花嫁」が大ヒットといっていい人気を博した週刊少年マガジンで、その終了と入れ替わるようなタイミング(厳密には4号カブり)で始まったラブコメ漫画。マガジンとしては「五等分の花嫁」のヒットをぜひ再現させたいところ。

裕福でないながら父・母・妹との4人家族で賑やかに暮らす高校生の海野凪(♂)は、勉学に励むも学年万年2位。誕生時に病院で他家の赤ん坊と凪が入れ替わっていたことが1ヶ月前に発覚、取り違え相手の一家(実の両親)と初の面会の会食に向かう途中、奇妙な行動をしている美少女と遭遇する。

ヒロインは3人。

取り違え相手の少女、天野エリカ。ホテル王のお嬢様でSNSクイーン、両家の両親は二人を「結婚させれば二人とも両家の息子・娘じゃん!」と取り違えのリカバリーを画策。

凪の片想い相手で、常に学内1位をキープして彼を万年2位に留まらせている才女・瀬川ひろ(♀)。凪は彼女に勝ったら告白しようと心に誓っている。

血が繋がらないことが発覚した妹・幸。

という四角関係になっていく感じ。1巻ということでメイン本命っぽいエリカ中心の展開。まだハーレムってほどモテモテでもないですけど、テコ入れでヒロイン増えていく余地もあり、みたいな。

という、どっかで見た設定をおいしいとこ取りしたような同居ラブコメ。近年ヒット作の共通要素から「片親」アウト、「血の繋がらない妹」イン、「同居」イン、という感じ。

女の子可愛いですけど、まだ絵が上手くなる途中、という感じもして楽しみ。あとはなんだろ、好感度の邪魔をしない主人公の人物造形とサブヒロインの個性が出るのはこれからかな。凪の陰キャのインテリだけどヤンキー気質育ちの二面性とか、瀬川の負けず嫌いとか、楽しそうな設定。

男の子と女の子の赤ちゃん取り違えるかとか、両家が結婚させたいとは言え16歳の男女2人だけで同居させるかとか、主要人物4人中3人に許嫁がいるとかいつの時代だよとか、まあツッコミどころはいっぱいあるんですけど、こういう漫画は面白くありさえすればそのへん余裕でチャラにできるので。

主人公が恋愛鈍感人間の朴念仁ではなく、本命が居るけどメインヒロイン以外、ということで、面白くなりそうな予感はしますけど、まだよくわかんねッス。

ジャンルとして王道かつ、なんたって生き馬の目を抜くような激戦区だもんで。

 

カッコウの許嫁(1) (週刊少年マガジンコミックス)

カッコウの許嫁(1) (週刊少年マガジンコミックス)

  • 作者:吉河美希
  • 発売日: 2020/05/15
  • メディア: Kindle版