「この店 簡単にはなくさないから
もし むーちゃんがお家に合わなくても
戻ってこられる場所としてあるつもり
だからね 安心していいのよ
外が大雨でもずっとまっくらでも
変わらない場所が一つあるだけで違うと思う
あたしは今までもこれからも
どんな価値観にもぶれないでずっといるつもり
大切な物のことを弱い部分のことを思っているとき
人はいちばんきれいな顔をしている
あんた今すごくきれいよ」
脱サラした偏屈者の店長(表紙左)が古民家をリノベーションし、保護した猫たちと、ラテアートが得意なバイトの後木(表紙右)と営む猫カフェ「えびしっぽ」。希望するお客さんには面接の上、里親として猫を譲渡する。
普通の喫茶店と勘違いして迷い込んだ猫カフェ初体験のサラリーマン。
中学以来疎遠になった久しぶりの連絡で猫カフェで再開した女友達同士。
年齢を理由に断られ続けてきた里親希望の老夫婦。
店長不在、後木一人のとある一日。
人見知り猫の縁結び。
地元の商店街の寄り合いみたいなスナック飲み会と店長。
賑やかすぎて猫に懐かれない女子中学生たち。
猫好きの自覚がないおっさんの初めての猫カフェ。
猫カフェで「まま」を見つけちゃった子猫と店長の苦悩。
無自覚だったペットロスに気付いてしまった後木の友人。
後木の恋の予感とでっかい猫むーちゃん。
続いていく日常。
優しく楽しい、猫をめぐる「人間交差点」的な、連作短編集的な。
「1巻」表記がなく、本編の締め方もあとがきも、単巻で完結していることを示唆していますけど、続き出ねえかなーコレ。