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#呪術廻戦 12巻 評論(ネタバレ注意)

呪術・呪霊をめぐって特殊訓練教育機関な学園もの要素もありのダークな能力バトル漫画。ギャグコメ系の変化球な会話芸・顔芸と、直球シリアス展開のギャップ。

第98話「渋谷事変⑯」〜第106話「渋谷事変㉔」ということで、1巻丸ごと渋谷事変の途中。何かって言うと悪玉集団が渋谷で起こした大規模テロで、味方側も総動員の大規模バトル。

主人公の師匠で作中最強キャラの五条が封印されてピーチ姫状態、殲滅戦が五条救出作戦に移行。

各個に東京メトロ渋谷駅構内への侵入を図る呪術高専陣営と迎撃する呪霊陣営。ジャンプのバトル漫画らしい多方面での同時並行バトルで昼行灯な脇役たちの見せ場、見せ場、見せ場!釘崎ちゃんも出るよ!

チェンソーマンといい本作といい、能力バトルの描写・表現意図を理解してツボにハマった時の快感は深い反面、複雑怪奇さと省略の美がエスカレートしていって、展開予想どころかいま現に描かれている紙面で何がどうなってそうなっているのか、集中して読まないとなかなか理解が及びません。

名前を上げていけば枚挙にいとまがないジャンプの変則能力バトル漫画の系譜を読んできた蓄積の上で、海外を含めて多くの読者がコレを理解する「プロトコル」を頭の中に備えているというのは、よく考えたらものすごいことだな、と思う反面、それらの先達がいなければここまでエスカレート「してしまう」こともなかっただろうな、と。'70〜'80年代にこのまま存在してたらただの意味不明漫画ですよね。

けもの道のような「異端」をブルドーザーのような面白さの力業で「王道」に変えてきてしまった歴史とでもいうか、「呪術廻戦」は特にそれらの系譜を強く感じます。正統後継とでも言うか。

「渋谷事変」も今巻で「㉔」に達し、余談ですけど「㊿」を超えると丸数字のフォントの用意がなくなるんじゃないかと、あらぬ心配を。

 

呪術廻戦 12 (ジャンプコミックスDIGITAL)

呪術廻戦 12 (ジャンプコミックスDIGITAL)

  • 作者:芥見下々
  • 発売日: 2020/08/04
  • メディア: Kindle版

 

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