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#16bitセンセーション 1巻 評論(ネタバレ注意)

「このお話は今から少し昔…
 まだまだ走り始めたばかりの、
 90年代の美少女ゲーム業界のお話です」

アキバBlogが3日連続で「一番の上」の記事がこの作品に関する記事で、「やけに推すなあ」と興味を持ってたところに、著者のツイートがはてブで目に入ったのがトドメになって、読むことにしました。これは確かにアキバBlogが推すわw

1992年、大学生になった上原メイ子(19)は、車の免許の費用稼ぎに大学の近所のパソコンショップでバイトを始める。POPの絵を見初められたメイ子は、ショップの2階の古い和室にぎゅうぎゅう詰めの人とパソコンで営まれる美少女ゲームソフトハウス「アルコールソフト」のグラフィッカーとしてスカウトされる。

時はまさに美少女ゲームとインターネットの黎明期。制作の現場に身を置くメイ子の眼を通じて美少女ゲームの熱い時代と変遷が振り返り語られる。

という美少女ゲーム史漫画。

もともとは同人誌で描いてたものを商業化するにあたって、実在の美少女ゲームの権利者に許諾を取りまくったという労作。

その甲斐あって熱かった時代が実名のコンテンツタイトルを伴って振り返られます。

作品の構造としてどうしようもなく「回顧」なので、「同じ時代を体験したか・しないか」でだいぶ評価が分かれる作品かもしれないな、と思います。

テキストのコラムも充実。急速に進化した美少女ゲームたちへのあの感動が抑制的ながら熱さが隠しきれない筆致で書かれ、当時の「流れ」を追う意味での史料的価値もなかなか。

「『同級生』が開いたメジャーへの道」

「ときめきメモリアル〜集まれ伝説の樹の下へ」

「『たかがエロゲから』から生まれるすごい物語」

「同級生2 〜未来からきたオーパーツ〜」

「震災、同級生2、会社の分裂、オウムの事件…
 胸騒ぎが止まらなかったこの年の
 最後のドキドキがエヴァでした」

うちは父親がMacitosh派で実家のパソコンがMacintoshだったので当時の美少女ゲームってあまり触れていないんですが、「Win95/Mac両対応」のエロゲーを探し求めてパソコンショップをハシゴしたなーとw

ヒロインの個人史として「アルコールソフト」があのまま2020年を迎えているとは思えず、モノローグがずっと「2020年から振り返った視点」なんですよね。

ベタですが、頭の中でずっと加藤登紀子の「時には昔の話を」が流れて止まない。

次巻予告は、

「98の絶対治世がまもなく終わろうとするその時、
 DOSエロゲーは最も偉大な時期を迎える!!

 アルコールソフト疾走せよ! 次話1996年!!」

とのことです。楽しみだ。

 

 

(選書参考)

 

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