「それは『死の穴』
底がなく落ちたら二度と帰っては来れない
冥界へ続くとも言われている穴…」
「江戸時代"大奥の女性"が自分のうんちを見られないために
汲み取りをする必要がないくらい深く掘ったトイレ
『まんねん』みたいだ…」
すいません、マニアックすぎて余計わかりにくくなる喩え話をしないでくださいwww
えー、うんこ版「ダンジョン飯」です。ダンジョンうんこ。
異世界に飛んだ主人公が美少女仲間と冒険しながらうんこ漏らしたり、妖精にうんこするのか訊いたり、世界樹の葉でケツ拭いたり、倒したスライムでケツ拭いたりします。
歴史上のうんこにまつわる雑学が作中セリフや解説コーナーに地味に豊富に盛り込まれてるので、うんこやトイレの歴史に興味ある方は是非。
前巻ラストで、現代日本に転移してしまったヒロインズ、ヌラエルとギギーの日本トイレ事情道中記。へー、スカイツリーのトイレの構造ってそんなことになってんだ…
一方、魔王城に囚われの身となった主人公ヨータロー。
彼らは再び合流し異世界に平和をもたらすことができるのか!?
最終巻です。最終巻なのに表紙の主人公(左奥)ちっちゃwww
異世界ものって歴史が浅い割りに長期展開の作品が多いこともあって完結までちゃんと見届けた経験って数えるほどしかないんですけど、「異世界ものはちゃんと完結するとこういう感じなのか」という感想です。
大団円オブ大団円。終盤で化ける名作の典型とでもいうか。
全ての要素にトイレとうんこのうんちくを絡めながら、ベタながらダイナミックで大胆な世界観設定、意外性と説得力に満ちた悪役キャラの動機、ゆるいけど「作者どうしたの!? 熱でもあるの!?」ってぐらい熱いラストバトル、迷いのない欲張りで超甘口なエピローグ、「その先」を想像する楽しみと余韻を残した堂々たる完結。
特にラストバトルの、主人公のすべての技にトイレ要素が詰まった戦いぶり。「Zガンダム」最終回のカミーユの背中を押したヒロインたちの思念体のように主人公の背中を押す、歴史上のトイレを愛した偉人たちのシーンは圧巻。TOTO創業者の一人、大倉和親氏も! いいのかコレwww
どう見てもイロモノの小品なんですけど、イロモノの小品なりにコメディもシリアスも雑学うんちくも取り組み方が真剣で、シンプルながらすべてがハイレベル。
作者のキャラたちへの愛情と、主人公のトイレへの愛情。トイレをただのネタとしてだけではなく、人類に寄り添って進化きた誇るべき文化として正面から真摯に取り組んでいて、その真摯さがギャグコメディをも冴え渡らせている。
ちょっと「ルーツの本気」を見た気が。
たった3巻だったとは思えない、謎のスケール感、謎の感動、謎の余韻がここにはある。いい最終回だった。
aqm.hatenablog.jp