#AQM

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#東京入星管理局 2巻 評論(ネタバレ注意)

銀河の端、連邦の末端である地球には、常に連邦法に違反した宇宙人が入星していて、女子高生のラインとアンは入星管理局の局員として違法入星した宇宙人を日々取り締まっている。

あらすじ見るとJKバトル版「メン・イン・ブラック」、もしくはSF版「逮捕しちゃうぞ」、表紙を見ると少年漫画然としたバディSFバトルものに見えますけど、自分は1巻を読んで「士郎正宗の正統後継のような漫画だ」と思いました。1冊読むのに3時間かけるぐらいのつもりで気合い入れて読みましょう!

と、思ってたんですが、初見が難解だった1巻を何度も何度も熟読したせいか、「攻殻機動隊SAC」のスタンドアローン・エピソードのように比較的短いエピソード群だったためか、今巻2巻はだいぶすんなり読めて普通に楽しめました。

情報量が多いので一見難解な漫画のように見えますが、むやみに難解さで煙に巻いてカッコつけようとしてる漫画ではなく、むしろ商業作品であることを意識して丁寧に読めば理解できるように、だいぶ歩み寄ってわかりやすくしてくれてる感があります。

省略の美、説明不足の美が生み出すテンポの良さやプロっぽいカッコ良さ、察する快感は相変わらずなんですが。

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「東京入星管理局」2巻より(窓口基/ジーオーティー)

この例で言えば「干潟の協定」「汽水域より向こう」のような専門用語・隠語についていちいち解説はされませんが、まあ読んでれば想像はつく、という匙加減。

少々気が早いし、漫画の感想として失礼かもしれませんが、アニメ映画化しないかなコレ。動く絵で観たいってのもあるんですけど、セリフのディティールがカッコ良くて「あの声優さんだったらどう演じるだろう」とかつい想像してしまう。

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「東京入星管理局」2巻より(窓口基/ジーオーティー)

新人漫画家みたいなフリするのやめてください。こんな絵がうまくて自信満々の漫画描く新人がいてたまるかw

なんというか、設定や作劇の思考のスタート地点が「主人公が悪い宇宙人をどう捕まえるか」じゃなくて、「どんな宇宙人になりたいか」「その宇宙人になったら地球でどんな犯罪をやりたいか」をまず考えて、それに対してようやく「じゃあ主人公たちはその宇宙人をどうやって捕まえるか」を考えてるように見えます。作者の過去の同人作品からの偏見かもしれません。

今巻の事件は、日雇いでそうとは知らずにテロ組織の輸送役になっちゃった貧困宇宙人、スナッフ中継専門の宇宙Vtuber、地球人の娘を育てる元・宇宙暗殺者。

エピソードごとに犯罪者が新キャラとして登場する、古畑任三郎方式の建て付けのせいもあるんですけど、犯人の宇宙人たちが毎回ものっそイキイキしてます。まず、人間の形をしてない、っていうね。

SFでハードボイルドな世界観ですが、小粋で優しい人情もののようなオチ、意外ですけど、良いわ。

今んとこ年イチ刊行ペース。長いお付き合いしていきたい作品。

うるせーよw

 

東京入星管理局 2【電子版限定特典付き】 (MeDu COMICS)

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  • 作者:窓口基
  • 発売日: 2020/09/30
  • メディア: Kindle版

 

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