「おとぎ話なんかクソでしょ」
「あんな途中で解ける魔法の何がいいの
約束破ったからしょうがないとか
時間を過ぎたからしょうがないとか
何がしょうがないの バカみたい」
「魔法が途中で解けるのは
それが自分の力じゃないからよ
メイシー あたしたちは魔法をかける側でしょ」
ネットでは「オサレ師匠」の愛称?で知られる久保帯人の新作。
なんか短期連載なんでしたっけ? そんな話をどこかで読んだような。
あらかじめ自己紹介しておくと自分は作者の代表作「BLEACH」をほとんど読んだことがありません。正確には10巻ぐらいの時期かなあ?に漫画喫茶で既刊をイッキ読みしてそれっきりです。
次に再読しようと思った頃には既にものすごい巻数の作品になっていて、諦めました。「BLEACH」、最終的に連載15年、全74巻。
という、久保帯人作品初心者が読みました感想であることをあらかじめお断りしておきます。
ロンドンは裏からドラゴンが関与しているが、表ロンドンの住人たちはそれを認識していない。
表ロンドンで女子高生として暮らす新橋(ニイハシ)ノエルと、アイドルグループのリーダーのニニー・スパンコールは、裏ロンドンでは自然ドラゴン保護管理機関「ウイング・バインド」のエージェント"魔女"として、人間に益をもたらすドラゴンの飼育管理と、人間に害をなすドラゴンの駆除に従事していた。
ある日、ノエルの表ロンドンでの先輩である男子高校生が、ドラゴンにまつわる事件に巻き込まれる…
という能力バトルもの?
人間と共存共栄したり災厄をもたらすドラゴンと関わるヒロインたち、「鬼太郎」やら「GS美神」やらの「妖怪退治もの」の妖怪をドラゴンに置き換えた上で、ロンドンで魔法使いと聞くと「ハリポタ」要素を混ぜ込んだような設定に見えます。
読んでて古い記憶が少し蘇りました。
この人の漫画、1巻時点で設定が複雑ってわけじゃないし、説明不足ってわけでもないんですけど、読んでてイマイチ腹に落ちてない段階で話はどんどん展開しちゃって、展開先でまた腹に落ちてない設定が雪だるま式に増えていって、気がついたらいつのまにかなんとなく世界観がわかったような気がする。
あと、主人公が属する組織が部署間で利害が相反すると、スパイアクションみたいに現場で味方のエージェント同士が平気で殺し合いするよねw
という、なにか腑に落ちなさはあれど、かっこいい絵とセリフと高い漫画力でグイグイ読ませてしまう、15年間少年ジャンプのエースの一柱を担ったのは伊達じゃない、という感じ。
なんかこう、読んでて「読者の納得感と、漫画の面白さって、実は全然関係ないんじゃないか?」と思わされる、独特の空気。
強そうな親方たちが後ろに控えてたり、ポエムでかっこいい名言が乱舞したり、見栄の切り方、コメディの抜き方、見開きバーン!ロゴバーン!って久保帯人節が健在にして全開という感じです。
ものっそ厨二病なんすけどねえ、日本を代表する厨二病ともなると、やっぱものっそクールでカッケーんすよねえ。
あと裏ロンドンって、地下なんだかなんなんだかよくわかんないままですけど、「ソウル・ソサエティ」ってなんか懐かしい用語が出てきましたけど、なんでしたっけコレ。