親を喪い、卵から孵化した瞬間から、言葉と魔法を操る「森にすむ猫」(ケットシー)の子猫たちと一緒に母猫に育てられた竜。
自らを猫だと思い込んで育ち、長じて空を駆け火を吹き人間から「皇竜」と恐れられる存在となっても、その恩返しに猫の子孫たちの親代わりに狩りと魔法を教えその守護者を務めていた。
ある日、森の猫を害したことからかつて竜が罰を与えた人間の王国に、森で育った猫の1匹がきまぐれで訪れ、幼い王子と親交を持つ。
猫の身を案じた竜は、再び人間の街に降り立つ…
で始まるファンタジーもの。もとは「なろう」小説、のコミカライズとのことです
竜と猫と人と魔法にまつわる、少し哀しく、とても優しいファンタジー作品。童話、おとぎ話のような牧歌的な世界観を表紙がよく表しています。
今巻は、縄張り開拓の旅に出た猫と、魔法の素質と雑な性格にあふれる孤児院の少女のキャット・ミーツ・ガール。
人間の王都でケットシーであることを隠して「普通の猫」に擬態して暮らす猫。
猫じゃらし畑の主の猫たちの系譜。
年に一度のお祭りで王都に招待された猫竜と猫たち。
安定してるわー。初期設定がどうのこうのという細かいアレじゃなくて、もうなんか作品としての強度が違うというか。
多くの猫たちを見送ったはずの猫竜が、その子孫たちに囲まれて忙しそうで楽しそうでなによりだわ。
優しく楽しく可愛らしく、夢のあるエピソードばかりなので、絵本がわりにお子様にもぜひ。
しがらみの多そうなレーベルで、2巻が出るのはいつになるやら、と思っていましたが、意外と1巻から間を開けずに出ました。嬉しいクリスマスプレゼント。
3巻も早いといいな。
aqm.hatenablog.jp