AQM

あ、今日読んだ漫画

2020年下半期に読んで面白かった漫画 45選

記事にした漫画は全部自分基準で★3以上なんですけど、いちいち「★★★」って付けるのもなあ、ということで★★★★以上でタグつけてます。

同じ数同士の順番は単純に読んで記事にした順なので他意はないです。

 ★★★    面白かった

 ★★★★   すごい好き

 ★★★★★  愛してる

 ★★★★★★ 人生のお供

基本的に単行本単位(たまにまとめ読み)なので同じ作品が複数回登場することがあります。

自分的に★★相当だった読んで面白くなかった漫画は、わざわざDISるのもなんなので記事にしてないです。その他、世の中には自分が読んでない漫画の方が圧倒的に多いです。

出版社のマーケティングの参考のちっとでも足しになるんかなと思って、作品を読み始めたきっかけも書くようにしてみました。アンケートでよくあるじゃん。

面白い漫画を教えてくれたみんなさん、ありがとうございました。

 

前回はこちら。

じゃあ、そういう感じで。

 

 

 

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上半期の記事のブコメで id:yama_bousi さんが、またブログで id:gryphon さんがオススメされていたので読みました。

15冊もイッキ読みすればそりゃ15冊分面白く感じるの当たり前じゃん、って話なんですけど、なんかちょっとそういうの超越した未知との遭遇感。この漫画が面白いのは今に始まったことじゃないのは知ってるけど、俺が初めて読んだのが先月なんだからしょーがねッス。

もう3年も描いてるプロを今さら捕まえて「いきなり現れた!」みたいな扱いも大変失礼な話ですけど、「異才は外からやってくる」とでも言いますか、警察業界から漫画業界に送り込まれた黒船、というより作中の表現に倣えば「警察が育てた漫画が上手なゴリラが鉄砲玉として送り込まれてきてお仕事漫画界の玉座にウッホリ座ってしまった」という感じ。

ゴリラがたくさん出てくる漫画ですけど、1巻時点で面白く、にも関わらずその後15冊の間の向上、読み応えのあるエピソードを連発しながらのハイペースの維持、作者自身があまりにもゴリラ。

ジャンルの枠や漫画業界のお約束・因習・お作法にあんまり染まっていないように見え、基本的には楽しい漫画なんですけど、いきなり何を描きだすかわからないダークネスな不気味さも。分野に対する作家としての引き出しの多さと言うか「漫画に描けない話」のストックもいっぱい持ってそう。

 

 

 

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すんげー流行ってたので今月の最終巻発売にあわせてイッキ読みしました。

「面白かった漫画」に「鬼滅の刃」とか、普通ですいません。だって面白かったんだもの。

発行部数で言えば「ハコヅメ」の100倍、発行部数や興行収入をなぜかスポーツ新聞やワイドショーが見守ってくれるレベルで売れ、膨大な数のファンと幾ばくかの数のアンチを生み出し、この作品を貶してバズればファンに怒られ、褒めてバズればアンチに絡まれ…たかと思いきや解釈違いのファンと鬼滅アナリストたちに「俺にも一言言わせろ」と絡まれる、内容以前の問題で語るにあたってけっこう気を遣う作品になってしまった気が。お前ら鬼滅好きすぎだろ。俺も好きだけど。

若手・中堅の漫画家が連載中にゾーンに入ってスーパーサイヤ人化しちゃったような、個人的な体験としては「タッチ」連載時のあだち充や「スラムダンク」連載時の井上雄彦を思い出す、日本中のファンの熱量が作者に憑依して終盤を描かせたような印象の作品で、人気の全盛期に有終の美と若干の読み足りなさと余韻を残して完結したのも似ている。

一体どんな心境で原稿に向かい、どんな心境で作品を終わらせたのか、作者3人で対談とかしてくれないだろうか。

 

 

 

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1巻の感想を見ると

「アクタージュ」読んどけ、と私のゴーストが囁くので読んだ。

と書いてありました。

7月にこの記事を書いた翌8月に、原作・作画の2名の作者のうち原作者の不祥事(犯罪行為)により連載中止、新刊の出版中止、既刊の無期限の出荷停止・販売停止と、作品自体がほぼ絶版に近い状況になり、記事のサムネにAmazonから引用している書影も飛んでしまいました。ゴーストェ…

7月当時の私の感想の締めは以下のようなものでした。

次巻もとても楽しみです。待てば次巻が出ることの、なんと幸福なことか。

幻の13巻、14巻相当分もジャンプの連載を遡って購読してみましたが、とても面白かった。描かれない「ガラスの仮面」のその先を見せてくれるんじゃないかと期待していました。

当時ブコメにも書きましたが、人生には面白い漫画を描いたり読んだりすることより当たり前で大切なことが沢山ある、と自分は思います。残念です。

 

 

 

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アキバBlogの記事を参考にして読みました。

現時点で漫画家としての力量が他の漫画家と比べて著しく優れているとは思わない(すみません)ですし、この作品も初期設定の出オチの一発ネタみたいな建て付けなんですけど、その出オチの一発ネタが

「失語症の少女と、人の心が読めるテレパスの少女の、ガール・ミーツ・ガール」

という有りそうで無かったとても強力な初期設定。

もう何を描いても、それまでそれぞれ傷つき孤独だった2人の心の交流という優しい話になってしまいます。

「まんがタイムきらら」か「ガンガン」、あるいは「サンデー」あたり、もしかしたら「百合姫」かな?と思ったら、荒くれ者の脱法バトルと下ネタシュールギャグのイメージが未だ根強く残る少年チャンピオンです。「イカ娘」あたりの頃にタイマンで負けた当時の編集長が秋田書店に粛正・処刑されて編集方針が変わったとかそういうアレなんでしょうか?

夢のように優しい都合の良い設定ですけど、漫画ですし、夢だっていいじゃない。

 

 

 

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id:HECTIC193 さん、 id:DigitalGohst さん、 id:u_eichi さん、 id:uunfo さんが上半期の記事のブコメでオススメされていて、とてもたくさんの方がスターで支持されていたので読みました。

多くのレビューに「1〜2巻は同時発売だったので必ずセットで読め、1巻でやめるぐらいなら最初から読むな」という趣旨のことが書かれている漫画です。

DQNな毒親に虐げられる可哀想な女の子の辛気臭い話のスタートで、格闘漫画としてエンジンがかかるのは遠い先のことになりそうに見えて、自分も最初は正直「失敗したー」と思いましたよ、ええ。最初だけですけど。エンジンにニトロをぶち込んで火を噴くように加速する2巻。

「拳児」が漫画読者向けに中国拳法、特に八極拳の扉を開いたように、その歴史や精神性を含めてカポエイラ(カポエラ)の伝道師にならんとしている格闘漫画。比較対象がなさすぎて正直、大嘘描かれても信じ込んでしまうレベル。

ネットで情報の入手も動画の視聴も簡単にできるようになって、読者の目が肥えてハードルが上がっているものの、そこを乗り越えて描かれる異種格闘技戦はやっぱりロマンですね。

異種格闘技戦の漫画といえば、「喧嘩k

 

 

 

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なんで読み始めた作品か憶えてない。読む前はあらすじ見て「いけ好かない設定だな」と。

毎度お馴染みかぐや様です。自分は信者なので基本的に新刊が出たら半自動的に★5つです。

比較的シリアスな修学旅行編・兼・早坂編の完結。

秘書・執事・メイドと、誰かに仕える設定の脇役さんは控えめで有能で制服で時にクールで、たまに垣間見せる人間性のギャップが萌え萌えで、太古の昔から脇役フェチに大人気ですが、ヒロインかぐやの侍女・早坂はそれらの属性に加えてギャルでもあるので優勝です。おめでとうございました。

その早坂が前巻ラストで泣いていた以上、主人公たちがなんとかしなきゃいけませんね、ということでなんとかした巻。泣いていた早坂が笑顔になったので★5つです。よかった。作品全体に重くのしかかるストレス要因である四宮家との対決はまだ前哨戦に過ぎませんが、一旦置いといてとりあえず本当によかった。

その泣かせるエピソードの直後に余韻に浸る暇もなく、うんこネタ。

マジになりすぎた作者の照れ隠しなのかわかりませんが、緩急が見事というよりは照れ隠しで奇行に走る小学生男子のような、「この作者バカじゃないの」という感じ。

 

 

 

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「かぐや様」めっちゃハマったので読みました。

「かぐや様」の他の作家によるスピンオフ4コマ。スピンオフには珍しく、ヤンジャン本誌に「かぐや様」と並んで掲載。本編の脇役を主人公に、パラレルワールドではなく、本編と同一の世界観かつ裏設定で、たまに設定やエピソードが本編にフィードバック。

本編原作者の赤坂アカは、本編に登場しない裏設定を積み上げてキャラの深みやリアリティを出すタイプですが、その赤坂アカが他人に裏設定4コマなんか好きに描かせるかしらね、と自分はけっこう疑問に思っていて、監修してるのはもちろんなんですけど、本編でボツにしたネタを卸してません?

と疑うくらい、キャラ理解が深くベタ多めながらネタもキレッキレ。

本編を読んでいない人にはなんの価値もない、本編と表裏一体の二次創作で、単独では評価されにくい作品ですけど、たまにシリアスで重い話も混じる本編と違って常時気楽なギャグコメディということもあり、毎週ヤンジャンで

「『かぐや様』読み終わったけど、俺にはまだ『語りたい』がある!」

とウッキウキで、お得感のようなものが。

 

 

 

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なんで読み始めた作品か憶えてない。タイトル&表紙買いだったかな。

読者としての経験上、ポストアポカリプスのサバイバルものは、大崩壊や大規模転移が起こった謎で引っ張りつつも種明かしでそのメカニズムを読者に納得させるその難易度が高いこと、仮にキレイに謎が解けても作品コンセプト上ハッピーエンドに繋がりにくいことの2点から、ワクテカな序盤に対して終盤がグダる傾向が強く、読後の満足度が総じて低くなりがちなように思います。

この作品はお父さんと娘三人、一家四人のタイトルのとおりユルくて楽しい廃墟サバイバルで、そうした終盤のジレンマから「楽しい日々は続いていくエンド」で逃げるだろう、というよりそこで勝負する作品ではないだろう、と思っていただけに、ファンタジーながら綺麗に畳んで物語としての本懐と遂げた終盤に驚いて「うそやん!?」ってなりました。

「まるで夏休みの娯楽大作アニメ映画のようだ」と喩えるには、画面を少々若い女の子の水着姿に頼りすぎかもしれませんが、読後感よく満足度も高いハッピーエンドでした。

 

 

 

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前に1巻がセールでkindleランキング上位だったときに表紙買いがきっかけで読み始めました。

古代中国の伝奇にまつわる深い造詣をベースに、人と妖との交わりを時に哀しく、時にコミカルに、美しい筆致で。作者と自分の教養の格差を痛感させられるのが痛気持ちいい。あと、わけのわからないタイミングでわけのわからないギャグを投げ込んでくる謎のセンス。

旧友として主人公の母親の死と亡国に関わり、以来罪の意識を背負い続ける関係者を前に、主人公がミステリーの名探偵のように謎解きをしてみせる、過去回想エピソードの完結編。

過去巻の別のエピソードで

後世の人間の筆ひとつで異形の妖眚を凶兆から吉兆にすることもできた

との言葉がありましたが、今巻は謎解きをする名探偵こと主人公が、関係者と読者に対して最後まで嘘をつき通してしまったような、狐につままれたような違和感があります。

「凶兆を吉兆に」というより「優しい嘘」と言うべきかもしれないし、私の解釈間違いかもしれません。主人公は狐の変化で人を化かすのが本分ですし、主人公と共謀して読者を欺いたかもしれない作者の正体もわかったものではありません。

 

 

 

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アキバBlogの記事を参考にして読み始めた作品です。

前巻までにコツコツ撒いた種を回収・利用しつつ、主人公たちと読者の心に少しずつ疑惑の種を育てて小出しにスリリングに情報を明かし、衝撃の事実をショッキングな絵でわかりやすく提示、更に衝撃の展開に畳み掛けてまとめる、ということを一冊の中でスピーディにコンパクトにスケールだけはデカくやってのけた、快作ならぬ快巻。

前巻の英雄的な展開から一転、世界観も話の縦軸も主人公たちの動機もちゃぶ台返しする衝撃展開の巻ではあるんですけど、決して急な方針転換やテコ入れでやってるわけではないのは誰の目にも明らかで、「漫画力高ぇ!」ってなります。

とても素晴らしいと思う反面、

「バカな!何を考えているんだ!2巻あたりで打ち切られたらどうするつもりだったんだ!!」

と、まるでやられ役の幹部みたいなことを叫びたい気持ち。出し惜しみとは違うでしょうけど、必要なこととはいえ万が一このダイナミックな展開を温存したまま打ち切りになったらと考えると、作者も担当編集も胃が痛かったんじゃないだろうか。

 

 

 

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刊行中の作品で、この1巻自体は2016年の刊ですが、この7月に増田に名指しで「AQMに読んで欲しい」と言われるという、わけのわからない経緯で読みました。

読んで面白くなかったらだいぶ気まずい感じになるところでしたが、面白かったので助かりました。増田さん、面白い漫画を教えてくれてありがとうございました。

太平洋戦争・南洋諸島戦線に徴兵された末端の兵士の従軍記と言っていい作品ですが、最悪の体験に基づく従軍記で、史実と取材に基づくものの、連載開始時は一部は存命だった当事者や遺族に対する配慮からか、人名なども架空のフィクションのテイを採っています。

朝刊の4コマ漫画のような可愛らしい3〜4頭身のキャラクターたちが1巻から虫のように淡々と殺されていき、ご存知のとおり彼らの状況はその後も刻々と更に悪化していきます。

続巻についても後述しますが、生き残るために人肉食さえ描かれる凄惨な作品です。

心が強い時に読みましょう。

 

 

 

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もとはアキバBlogの記事を参考に読み始めた作品。

先日、週刊少年ジャンプでの連載が完結して、私は途中から連載派に転向したのでラストまで知ってるんですが、知らないテイでこの巻を振り返って何を書けば良いでしょうか。

巻タイトルの「ちょうめちゃくちゃ」のとおり、途中で悪役がボスに自殺の許可を求めるぐらい超めちゃくちゃなバトルを展開してる巻ですが、連載と言わず今日時点の既刊の9巻から振り返っても「あの頃はよかったなぁ…まだみんな元気だったもんなぁ…」とたった5ヶ月弱前の単行本の内容が遠い昔のことのように思えます。言ってる間に明けて1月4日に新刊10巻が出ます。

ところで、自分はTwitterでたくさんの漫画家の先生をフォローしています。

前は「こんな漫画を読んで育った子どもたちの中から出てくる漫画家はどんな漫画を描くんだろうか」と思っていたんですが、Twitterを見ていると現役の若手・中堅の多くの漫画家がある意味「目の毒」のようなこの作品に注目し愛読し一喜一憂していて、「鬼滅の刃」とはまた違う意味で彼らの意欲やコンプレックスを刺激し、影響を与えているように見えます。

日本の漫画の一角が研ぎ澄まされて尖っていくのか、めちゃくちゃになるのか、よくわかりませんが、それは意外と遠い未来のことではないかもしれないな、と思います。正直、こんな漫画は同時代に一本でお腹いっぱいだと思わなくもないです。ハロウィンハロウィン。

 

 

 

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id:tonkotutarou さんがブコメでオススメされていたので読みました。

ご飯が俺を裏切って太らせてくるんだが。というのは一旦置いといて。

まるでシャブでハイになるがごとく、自己肯定感の低い主人公がつらい仕事・苦しい生活・将来への不安などの諸々を、美味しいものを食べて一時的にやっつけるだけの短編集。ちょいちょい「いや、一周回って自己肯定感すげえ高いだろこの女」という気も。

生命だったものをいただくことに偏執し、自らをロボットなどの無生物に見立てる主人公の思索は人生、生命、生物たち、細胞、社会、古代、地球、居もしない宇宙人にまで及び、そのへん歩いてる無言ですれ違う人々の脳みそのそれぞれの中でこれだけ面白い思索がグルグル回ってんのかと思うと全部中身開けて覗いてみたくなる。

他人と会話するシーンはほとんどなく文字情報の9割がモノローグで、ある意味、女がメシ食ってる絵を背景にプロレタリアートでカオスな随筆もしくは散文詩が乗っかっているだけで、「漫画とは一体なんだろう」とも。

「生命になれなかった生命」たるイクラへの強いこだわりは表紙にまでイクラを登場させ、表紙のイクラの粒を目印に漫画を買う人がもしいたら、2つ下の記事の「ヒナまつり」と間違えないように気をつけましょう。

 

 

 

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なんで読み始めた漫画かもう憶えてない。

狙撃手の戦術、戦場で狙撃対象を敢えて殺害せずに重傷を負わせて囮にし、救助に来る敵兵を次々に殺害する残酷なノウハウの話を読んだのは、「MASTERキートン」でしたか「パイナップルARMY」でしたか。

「ワールドトリガー」のようにゲーム的に兵士の能力と行動とメンタルに焦点を当てつつ、「ペリリュー」のように帰ってこない生命が死んでいく、描写も割りと容赦のない残酷な架空戦記。1エピソードに2〜3冊かけることが多い作品ですが、今巻は珍しく1エピソードを1冊に。

「戦争の狂気」と一言で表すのは簡単ですが、降伏する敵兵を皆殺しにした彼がそうする権利があるように英雄的に見え、人を殺せなかった新兵が殺せるようになったことが成長したように見える、残酷さを正面から描きながらも登場人物と読者の視野を狭窄させる戦争の魔力のようなものを体現した作品。

戦場で生き残るために彼らはあらゆる残酷なことをやりますが、そこまでして彼らを戦場に向かわせる動機の核はとても抽象的でフワフワしていることが示されて、読んでいて「本当に彼らと彼らは命をかけて殺し合う必要があったんだろうか?」と疑問に思います。増してや彼女には「優しくしてもらったから」以上の理由なんてなかったでしょう。ヒロイックでありながら、復讐すべき相手を同僚にしつつ初対面の相手を殺し、愛する者を犠牲にするチグハグさ、矛盾。人間のやることは本当に滅茶苦茶です。

過酷で残酷な中盤〜終盤に対して、優しく哀しく美しいエンディング。タイトル命名・導入・クライマックスからのタイトル回収も見事。こんなんズルいわ…

 

 

 

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本屋で表紙買いしたのがきっかけで読みました。

2010年に連載が始まって2020年に第100話で完結と、2010年代はある意味「ヒナまつり」の時代であった、と総括するのは、無理があるでしょうか。自分は無理だと思います。

2011年に1巻が出た当時、自分は仕事の人間関係でとてもストレスを抱えていて、「よつばと!」の11巻を買いに行った本屋で、ピストルを手にしたヤクザとイクラ丼を抱えた少女の組み合わせの表紙を不思議に思って手に取ったこのくだらない漫画に、「人生も仕事もテキトーでもいいんだ、世の中に意味不明なことはたくさんあるんだ」と「よつばと!」と同等以上にとても癒されて救われたのを憶えています。

ちなみにその時買った紙書籍の1巻は泥酔して寝てベッドで寝ゲロした際に枕元にあったせいでゲロまみれで読めなくなって捨てたので、電子書籍で買い戻しました。

長く続けるのが難しいと言われるシュールギャグを、クオリティを維持しつつコンスタントに10年間アウトプットし続けてキチンと完結させた、拍手で見送りたい名作です。「よ …なんでもないです。

全巻お持ちの方はご存知のとおり、表紙に登場した回数は、ヒナや新田さえも抑えて「イクラの粒」が19回で第一位です。なんなんこの漫画。

 

 

 

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主人公たちは、太平洋戦争の南洋諸島戦線で「持久を固持せよ」との指令受領を最後に本国との通信と補給が途絶し、島司令部も自決して壊滅した状態で、敵軍が支配する孤島に孤立してサバイブします。もはやこれを戦争ものと言って良いのかよくわかりません。

作者は過酷な状況にある彼らに厭戦を呟かせこそすれ、反戦を叫ばせることをしません。彼らは愚直に愚鈍に、生き延びて援軍がやってきて戦況が逆転し、ひいては祖国が勝利することをいつまでも夢見ています。彼らはその頃すでに太平洋戦争が日本の降伏で終結し、銀座で進駐軍が歓待されていることを知りません。

この作品では、彼らが虫ケラのように生き虫ケラのように死んでいく様子が淡々と描写され、人間としての尊厳が破壊されていきます。この尊厳の滑稽なまでの欠如と、にも関わらず本人たちが必死に状況を正当化しようと足掻く様が、どんな反戦メッセージよりも雄弁に戦争状況の本質の一面を炙り出しているように思います。

私は多くの戦争ドキュメンタリーが、当事者以外の押し付けがましい作為を感じてしまって正直苦手なんですが、この史実をベースにした凄惨なフィクションの作者の、自らをカメラとマイクに徹して「あとはお前が考えろ」と読者にぶん投げてくるがごとき姿勢は、ちょっと文句を言う気になれません。

 

 

 

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作家買い。

いわゆる「萌え絵」には当たらない絵柄だと思いますが、少年漫画の絵で女の子をとても魅力的に描く作家さんで、前作「だがしかし」のサヤ師で三白眼ヒロインの魅力をあらためて広く一般に知らしめた功績は記憶に新しい。

この漫画には現在、吸血鬼ヒロインが7人も登場します。どのヒロインも魅力的ですが、自分はこの巻のメインヒロインのコハコベ ミドリがとてもどストライクです。

中途半端な長さのボブカット、承認欲求が強く自分の可愛さに自覚的で、あざとく腹黒い性格をしていて、そのことにも自覚的です。「自分の可愛さを認めさせたい」というくだらない理由で主人公の少年を誘惑しようとしますが、その分、他人のくだらない承認欲求に対しても大らかで、あとこの巻ではメイド喫茶のメイドさんの格好で登場します。

作品の構成上、作品のメインヒロインの座をナズナがミドリに譲ることはないと思いますが、ミドリの出番がもっと増えるといいなと思います。

黄昏の住人たちに囲まれたダルげな少年が「自分とは」「人間とは」「恋とは」と回りくどく自問する、夜の匂いに満ちた青春もの。

 

 

 

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id:mouseion さん、 id:sun330 さん、 id:ardarim さん、 id:dalk さんが上半期の記事のブコメでオススメされていたので読みました。

ナーロッパというよりは「ドラクエ」や「ロードス島戦記」的な古典的なJRPGファンタジー世界観をベースに、世界を救ったパーティのその後を描く「最終回の後の世界」。エルフとヒトの寿命ギャップをキーに、寿命を迎えるかつての仲間たちを独り見送ってきたエルフの魔法使いの過去と現在と追憶を、哀愁をこめて、でも意外とコミカルに。

諸行無常な時の流れに感じる侘び寂びがいかにも日本人向きの感性のように思ってしまいがちですけど、名画「スタンド・バイ・ミー」でもフォーカスされたテーマで割りと万国共通というか、時間の流れがあらゆる物語を飲み込んで追憶にしてしまうというのは、とても普遍的な感性のような気も。

ある意味、青春時代が遥か昔になってしまった、漫画を読んだりゲームをしたりしてるうちに中年になってしまって、追憶がやたら琴線に触れるようになったのに気持ちだけは「エルフのように若いつもり」を抜け出せない、私やあなたに刺さって沁みるテーマで、おそらく国や民族性や世代の問題ではなく、シンプルに年齢を重ねることに伴う感受性の変化の問題が大きいんじゃねえかな、と思います。

ある意味、勢いと若々しさが失われつつある今の…いえ、話が逸れ過ぎるので、やめておきましょう。

 

 

 

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アキバBlogのオススメ記事を参考に読み始めました。

「一緒に一夜を過ごした男女が」「一緒に朝ごはんを食べる」「短編」を描きなさい。

というお題に則って描かれたようなオムニバス恋愛短編連作の第三集。

短くてちょっと色っぽくてドキドキする、どこか性善説で優しいちょっとした恋愛話が読みたいけど、エロ漫画が読みたいわけではないし、某なんとか委員会はちょっとシニカルで苦手だった。

という人にオススメです。

セッ久する男女・しない男女、関係が続いていく男女・すれ違っていく男女、切ない男女・幸福な男女、エピソードによって様々ですが、恋に落ちかける男女に対する作者の優しくポジティブな視線を感じる作品群。

「この二人の続きが読みたいなあ」って読み足りなさを感じるエピソードが多いのは余韻というものでしょうか。この作品が成功しているバロメーターなんだろうな。

「はあ、どっかにこんな恋落ちてねえかな」って落ちてねえから漫画で読むんだよ。

 

 

 

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タイトル買いですが、電子書籍化をずいぶん長く待っていました。

「なろう」の人気作のコミカライズで、「このマンガがすごい! comics」という「そんなレーベルがあるのか」というところから約3年前に出版された漫画。この8月にようやく1巻が電子書籍化されました。やったぜ。

孵化した時から「森にすむ猫」(ケットシー)に育てられ、長じて人間から伝説の「皇竜」と恐れられるぐらいに育ち、恩返しに森の猫の一族の子育てを手伝いその守護神となった竜の話。

猫より人よりずっと長い寿命を持つ竜が、長い時間、代替わりしていく猫たちと人間たちを見守り見送っていく、「葬送のフリーレン」と同じく「寿命ギャップ」をテーマにしたファンタジー作品。ちょっとしたハリポタ要素も。

いわゆる「当たりコミカライズ作家を引いた」ってやつで、人も猫も竜もとても可愛らしい。「異種間仲良しもの」としても楽しめる、少し切なくてとても優しい、悠久の時を揺蕩うおとぎ話。お子様の絵本がわりにもオススメ。

コミカライズが紙書籍で5巻まで出ていますが、しがらみが多そうなレーベルで電子版の続きが出るのはいつになることやら、と思っていたらこのクリスマスに2巻が電子書籍化されました。やったぜ。

 

 

 

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「苺ましまろ」の新刊と間違ってクリックしたついでに買って読んだのがきっかけでした。

この作品をダシに他の作品を貶すのはあまりよくないと思うので、他の作品をダシにこの作品を褒めましょう。たいして変わんねえ気もするな。

私のようなオタクは、続きが描かれないことによっていつまでも完結しない作品を、ネタとして口にすることでいつまでも話題に挙げ続け、ややもすれば「長い時間をかける気長な大人の趣味」「信者としての愛を試されてる」と自虐まじりながらのある種の選民的な意識で「続きが待望される伝説的な作品」と持ち上げがちです。

この作品が掲載された漫画誌でも、私も好きな複数の作品が既にそうした在り方を許されていて、この作品も「もっと読みたい」はあっても「続きが気になる」はない日常系ということもあり、同じことをしようと思えばできたはずだと思いますが、スパッと完結しました。

続きが描かれない作品には作品の特性や創作そのものの難しさ、なにしろ人間がやっていることなのでケースバイケースで様々な事情があり、一概に非難されるべきだとは思いませんが、だからと言って読者を待たせず作品の名が風化することを恐れずキチンと完結していく作品たちを、リスペクトしなくていい理由にはならない、と自分は思います。もちろん面白いことが前提ですが。

飽きやマンネリがくる間際の、読みごろ手頃な巻数での潔い完結。上野を舞台にした悪ガキたちの少々シュールでアホで愛らしい、楽しい日常ギャグコメディで、私はこの漫画がとても好きでした。まじリスペクト。

 

 

 

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自分の記事読んだら、あらすじの紹介が1〜2巻と同じ作品とは思えないほどガラッと変わっててワロタ。

高校生の華奢な女の子が次々と屈強な格闘家たちに挑んで倒していく、普通に考えたらファンタジーなんですけど、なにしろカポエイラがよくわからん。脚の筋力は腕の数倍と言うし、初見殺しの変則的な回転系の動きの蹴りで威力も増してるだろうから、こういうもんなのか…? いやいやいや…

タイマンをこなしていく展開から、トーナメント、大乱闘と、展開が単調になりがちな格闘漫画に巻数の割りに変化がついていて、読んでて飽きないし先の予想もつかない。ギャグセンスも独特。

異種格闘技戦ってちゃんと描きさえすれば自然と面白くなるもんですけど、今時はネットで何でも調べられるし動画も観れるので、「ちゃんと描く」上で漫画として成り立たせるために読者を騙す「嘘」というか、ファンタジーを混ぜるのが大変だろうと思います。そう言う意味でカポエイラの「名前だけは知ってるけどよくわからん」感は割りと絶妙。

 

 

 

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はてブでインタビュー記事かなんかが話題になっていたので読みました。

実在のエロゲーソフトハウス「カクテルソフト」をモデルに、90年台のエロゲームーブメントの歴史を漫画で再構築。元の同人誌を商業出版化するにあたってKADOKAWA編集部のチャンネルを総動員して実在のゲーム、ソフトハウスにこの漫画に登場させる許諾を取りまくったという、物凄い熱量で描かれる業界回顧漫画。商業化にあたって追加されたコラムも熱い。

エロゲーが急速に進化し市場が拡大していく黎明期、一戸建てのパソコンショップの2階の畳敷一間にデスクとPCとスタッフをぎゅうぎゅうに詰めこんで黎明期のエロゲーを作ってましたという、もう完全に「時には昔の話を」by加藤登紀子の世界。

ときメモ、震災、地下鉄サリン事件、エヴァンゲリオン、世紀末の時代。語られる数々の伝説のゲームたち。一時代を築いたモノ創りの熱い高揚感。「エロゲー版のハイスコアガール」?

テーマがテーマでしかも回顧録なんで内容的にも世代的にも刺さる人にしか刺さりませんが、刺さり方が深い上に刺さる世代の人口も多いんだよなっていう。

 

 

 

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アキバBlogの記事を参考にして読みました。作者の初連載・初単行本とのことです。

「沖縄・西表島」「北海道」「福井・東尋坊」「伊豆大島」への旅を4篇8話でまとめて単巻で完結する、タイトルどおり一人でフラっと行く国内旅エッセイ漫画。本当はもう1箇所行く予定が新型コロナウイルス禍で予定がポシャって、最終回の5篇目(9話目)は急遽「旅と人生」と題して作者の半生の回顧を割りと赤裸々に。

旅の様子を高密度ながら見やすい絵で、旅先の風物や風景、食べ物、体験、準備したものからかかった予算まで事細かに、旅先で作者が感じた情感がストレートに伝わってくる丁寧な描写。自分もどっか行きたくなるなーコレ。

学生時代の引きこもりに続いて、成人してから漫画家を目指すも芽が出ずメンタル闇落ちして、一度は夢を諦めて漫画を描くことから離れて日本中を旅をしまくっていたところ、「漫画に描かないか」とポラリスの編集から声がかかって復帰してのこの作品とのことです。漫画家のデビューに至る半生記短編としても面白い。人間万事塞翁が馬ですね。

本作のセールスは知りませんがとても好きな作風だったので、次回作にもぜひお目にかかりたく、お待ちしてます。

 

 

 

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アキバBlogの紹介記事を読んでる途中に誤クリックかなんかで間違って買ってしまったのがきっかけで読み始めました。

トイレ好きの男子高校生が異世界に転移して、美少女仲間と冒険しながらうんこ漏らしたり、妖精にうんこするのか訊いたり、世界樹の葉でケツ拭いたり、倒したスライムでケツ拭いたりするファンタジー。

という、氾濫する異世界ものに対するウンチテーゼとして一石を投じる問題作。ごめんなさいウンチテーゼって言いたかっただけです。

アホな男子小学生が一生懸命考えたような話にふさわしい、詰まったトイレの水が溢れるようにレバー全開のままラストは世界の存亡を賭けた戦いに。ラストバトルで主人公の背中を押す、トイレを愛した歴史上の偉人の英霊たち。まるでZガンダムの最終回みたいに熱い展開だけど、誰!????

ラストは王道の熱血バトル展開ながら、第一話から感動の最終話まで、一瞬たりとも「トイレと排泄」というメインテーマから手を離さずに作品としての節を貫き通し、甘口すぎるぐらいの欲張りハッピーエンドの大団円、ウォッシュレットで洗い流したお尻のように爽やかな読後感。男子小学生が考えたようにアホな話だけど、男子小学生のように一生懸命考えられ作者に愛された作品。異世界ものの理想形、と言ったら褒めすぎだろうか。うん、ごめん褒めすぎた。

 

 

 

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なんでこのシリーズ読み始めたのか憶えてない。

好事家たちの間で評価が高い「ポンポさん」シリーズですが、これまでのエピソードは若き敏腕プロデューサーであるポンポさん自身や、映画監督ジーンや女優の卵フランちゃん、才能を見出された比較的素直な天才たちの王道ビルドゥングスロマンだったのに対し、今回の主人公は、ニヒルに斜に構えて芽が出ないもう一人の女優の卵と、作品が難解すぎて評価されないSFマニアの、捻くれた二人。

一見、前回までと同じようなパターンの展開に見えて、今回は頭が良くてプライドが高くて人目を気にする、理屈っぽく面倒臭く孤高を気取るお前らのような彼らが、いかに世に受け入れられるモノを創って天才たちに肩を並べるか、ある意味いかに妥協していくかの過程に焦点が当たります。

自分の持ち味を殺さず活かしたまま、いかに殻を破って折り合いをつけるか。学ぶこと、妥協すること、絶対に譲れないこと。多くの演劇もので使い尽くされてきた鉄板メソッドの真逆を疾るヒロイン。彼らを支える覚悟と情熱。

「16bitセンセーション」もそうですけど、モノ創りのお話はバトルやスポーツや恋愛とはまた違う、成長が形になっていく過程に一種独特のワクワク感があって良いですね。

 

 

 

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id:type-100 さんが今はなきはてなハイクでオススメされていたのがきっかけで読み始めました。

中学生編だった前作「ぶんぶくたぬきのティーパーティ」(全5巻)の続編、高校生編の3巻。

タヌキ、キツネ、コウモリ、ネコの女の子たちがそれぞれ一家ともども人間に変化して社会で暮らし、女子高生として高校に通う日常ギャグコメディ。

フルカラー、変則4〜6コマ、「まんだらけ」刊という変わり種。

まるで「まんがタイムきらら」系の美少女日常ものフォーマットのような設定ですが、キャラ人気に甘んじることなくストイックにネタで勝負するストロングスタイル。絵もおしゃれで可愛らしいので最強です。

私はこの作者をシュール、ナンセンス、ベタ、ほのぼの、なんでもありの天才だと思っています。面白さがずっと高止まりで安定していて、無条件の作者買い。

作者に対して「もっとたくさん描け、もっと早く描け、ずっと長く描け」以外に特に言いたいことがありません。結構いっぱいあるな?

実は結構な話数がWEBで無料で読めます。

laza.mandarake.co.jp

 

 

 

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アキバBlogの紹介記事を参考にして読み始めました。

1巻を「士郎正宗のように難解で士郎正宗のように面白い」と評したところ作者から「いいね!」をされたのは、「我が意を得たり」だったのか、褒めて話題に挙げたからというだけの意味だったのかよくわかりませんが、私はそう解釈する漫画です。

SFですがサイバーパンクな技術の代わりに超現実的な宇宙人のテクノロジーが用いられ、地球で犯罪を犯す異星人たちがそもそも人間の外見と能力をしていません。更に作品の顔見せとして設定情報が詰め込まれた上で省略までされていたので、1巻はまるで「攻殻機動隊2.0」のように読み解くのが難解な作品でした。いや、「1.5」ぐらいかな?

2巻はこの作品本来の通常運転に入ったということなのか、打って変わって「攻殻機動隊SAC」のスタンドアローンエピソードぐらいのわかりやすさと少年漫画展開で、1冊に3篇、人情話のように我々地球人類の情緒に訴えるエピソードが続いて、作者の本意かわかりませんがわかりやすく面白かったです。

主人公の捜査官たちは狂言回しの位置づけで、宇宙人犯罪者側の主観の描写が多用され、なんというか作者のSF的創作の着眼点が「宇宙人にやって来られる地球人」目線ではなく、「地球にやってきた宇宙人」目線に寄ってるのが、とてもSF的でユニークだな、と。

地球の人なのよね?作者。とか思ってTwitterフォローしてみたら「チェンソーマン」の展開にショック受けてたりしてギャップが可愛い。アンタの漫画も別の意味で大概やが。

 

 

 

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はてブでたまたま見たWEB連載が神回(コミケ編)だったので読み始めました。

露出度の高い美少女のビジュアル推しの表紙で、かえって過小評価で損してるというか、食わず嫌いで読まれていない漫画なんじゃないかなと思います。私がそうでした。

読んだら結構な回数泣いたわ。

美少女たちのコスプレをテーマにした作品で、着替えシーンや露出度の高いコスプレ姿などで全年齢の範囲のエッチなシーンがあるのは確かなんですけど、蓋を開ければラブ要素すら薄めに、コスプレにかけた情熱的な青春ものと言ってよく、一般的なイメージ上のコスプレらしくなくジャンプらしい、バトル漫画もかくやという熱い生き様とプライドのぶつかり合い、精神と技術の成長、ぶつかり合いを越えて芽生える友情。

オタクとしてどこか不器用さや生きづらさを抱えた引っ込み思案なヒロインが多く、彼女たちがコスプレを通じて成長して自信を獲得していく様、「げんしけん」のあの子に向かって

「おい…見てるか大野…お前を超える逸材がここにいるのだ…!! 10人ぐらい!!」

と安西先生みたいに語りかけたくなります。

普段は居ても居なくてもいいような男子主人公が、大事なところで度々重要な役割を果たして状況を打開するのも良いですよね。

 

 

 

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硬派な作品ですが、アキバBlogの紹介記事を参考にして読みました。

「機を見るに敏」と言いますか、このノーベル文学賞作家の古典を現在国内で唯一翻訳出版している新潮社の企画勝ちのような作品。このコミカライズは角川の「戦争は女の顔をしていない」コミカライズのヒットの後、新型コロナウイルスの世界的流行開始の後、原作「ペスト」の再ヒットの後に連載が開始されました。

わざわざそうしただけあって、作中のペストの流行と現実の新型コロナウイルスの流行は、特に人間や社会のリアクションにゾッとするほど符号するところが数多く見られます。

自分はこの作品の結末を知っていますが、注意するべきはこの原作はフィクションである点と、おそらく「不条理と相対する人間を描く」ことが目的の作品であって、決して「伝染病克服の必勝法」が描かれているわけではない点です。

ある意味「便乗商法」的ですが、出版社の、こうした機会に古典の名作を見直そうという「便乗」は、自分にはとても知的で好ましく健全なものに思えます。自分にとって「好ましくない便乗」との差異はなんなのか、少し考えてみたくなりますね。

 

 

 

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作者のTwitterの投稿に一目惚れして単行本化を待っていました。

りえ子という関西弁の女の子が、実家で飼ってる柴犬・ポン太と散歩しながら学校であった出来事をポン太にブツブツ愚痴ってるだけの漫画です。ポン太は人語を話しこそしませんが、りえ子の言葉を解し、心の中でツッコミを入れます。

読切短編から連載・単行本化に至った経緯もあり、第1話はりえ子が大学進学で実家を離れることになりポン太にお別れを告げる話から始まり、第2話以降りえ子の小中高時代の散歩のエピソードをランダムに遡ります。

「ドッグイヤー」と言われたとおり、人間と犬の寿命は「葬送のフリーレン」のエルフとヒトのように違い死に別れる宿命であることが、第一話で提示されて作品のベースにあるにも関わらず、この漫画はあくまで楽しい日常ギャグコメディのショートショートです。

私の中の「新作・オブ・ザ・イヤー」で、かつ自分がいま一番「最終回がはるか遠い未来でありますように」と願っている漫画です。

 

 

 

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なんで読み始めた漫画か憶えてない。

ネームというかセリフのキレに自信アリの作者による「そしたら喋り専門の職業の漫画を描いてみましょか」といったテイのラジオDJのお仕事漫画。破天荒ヒロインのべらんめえ女は飲み屋で喋りの達者さと面白さをスカウトされてバイト感覚でDJに。

作中で北海道胆振東部地震をモチーフにした大地震が発生。災害報道はラジオの本分とはいえ、不謹慎が服着て歩いているようなヒロインが被災者が多くいる災害報道に携わるのは水と油で失敗するだろう、アジャストしてたぶん面白くないおとなしいエピソードになるだろう、と思ってたんですけど、逆に水を得た魚のようにきっちり不謹慎ヒロインらしく面白かった。やりよる。

あと地味なシーンの脇役のセリフですけど

私が好きな物語はストイックな人 いい人が書いたお話ではない

汚れた水を吸って咲いた花のような物語だ 欲望を醸して生きていこう

いいセリフだなコレ。やりよる。

 

 

 

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前シリーズの1巻の自分の感想によると

kindle漫画のまとめ買い20%OFFクーポンを何に使うか「GS美神」か「のだめ」の買い戻しにするか迷ったんですが、やっぱ読んだことないのにしよう、と思ってこれにしました。

だそうです。

若き日本人ジャズサックスプレイヤーのサクセスストーリー、日本編に続いて第二部に相当するヨーロッパ編の完結巻。

音が聴こえない漫画というメディアを逆手にとった手法は「TO-Y」以来の、と言っていいんでしょうか? 次の「ワンダンス」もそうですけど、動かず聴こえず、絵と文字でしか表現できないはずの漫画における各分野の天才の表現は、ずいぶん多様化・進化して多くのバリエーションを持つようになったなーと思います。囲碁がわからなくても面白かった「ヒカルの碁」のように、ジャズを知らなくても音が聴こえなくても面白く読めます。

バンドの解散、最後のライブ、友との別れ、新たな旅立ち、と読んできた読者にとっては伏線なりの展開で意外でもなんでもないラストですけど、とても丁寧にエモーショナルに。親が死んでも泣きそうにない連中が泣きながら演奏してんの、ズルいよなー。

とても私的な思い出ですが、14年前にリネージュ2の今はなきゴースティンサーバの掲示板で読んだ、残していく友人に向けて「あなたから誰かが去るときは」と題されたとても美しい手紙のことを、久しぶりに思い出しました。

 

 

 

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以前の記事のブコメで id:raitu さんがオススメされていたので読みました。

吃音で言葉を操ることに悩みを抱える男子高校生が、ストリートダンスと出会って覚醒していく部活ダンスもの。イケメン男子とキュートな美少女がとてもカッコよく踊りたくる眼福な作品。恩ちゃん大好き。

これもそうですね、漫画の絵が動かないのを逆手にとって絵と絵の行間をスタイリッシュに読ませてすげえカッコいい。表現技法もいろんな要素を取り入れて次のダンスシーンはどんな風に描かれるかとても楽しみ。

主人公自身がそうであるように共感性羞恥で人を選ぶかもしれないテーマですけど、もともと人体の動きを美しく見せるのがダンスで、それを美しいキャラクターたちがやると男女に限らずセクシーというか、とても官能的で読んでてクセになります。アニメ化したらアニメーターが死ぬやつ。

展開的には素人が成長して覚醒していき、なぜか読者までもがドヤ顔になるオーソドックスな成長譚の展開ですけど、これ系はまあもう、スポーツ漫画的にシーンをカッコよく描ければもうほとんど勝ちなので。

 

 

 

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とてもショッキングな巻。

これは漫画でフィクションで作り話で、私の実生活には1ミリも影響を与えないはずなのに、それでもこんなに救いのない展開、ショッキングな描写、凄惨な絵。今年読んだ漫画でこの作品のこの巻が一番悲しかった。

荒削りな作風に見えて、実に冷静に緻密に周到に、このエピソードを1冊に収めるために連載上の前後の話の尺を調整することまでして、私たち読者の感情にショックを与え、忘れられない爪痕を残すための計算が張り巡らされています。

かつて、担当編集・林士平氏は「漫画家・藤本タツキの妹」を名乗る不審なTwitterアカウントを発見し「漫画家・藤本タツキへの悪質なストーカー」として告訴も検討したそうですが、そのアカウントの主が当の藤本タツキ本人であると当人から告げられ、畏れ慄いたそうです。

デンジを人間にするために必要だった的な必然性があったんでしょうし、作者は「その方が面白いと思ったから」としか答えないかもしれませんが、この巻のこの展開を読んだ今なら私も、当時の林士平氏の気持ちがわかる気がします。

「なんでこんなことをするの?」と。

 

 

 

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去年の夏に大ブレイクして、kindleランキングを席巻していたので読み始めました。

その後アニメ化も決まったド少女漫画。ド少女漫画とはいえ、もともと今はなき「ジャンプ改」で連載が始まり、雑誌の消滅に伴って白泉社に引き取られた曰く付き。恋愛要素もほぼ皆無。読む際は必ず実質1〜2巻にあたる「シーズンゼロ」(上下巻)から読みましょう。

10代半ばにして人生を歌劇に捧げた少女たちの清く正しく美しい、熱い青春もの。

毎巻、後半1/4ぐらいのページ数をかけて登場キャラ一人にスポットを当てた短編が挿入されますが、これのおかげで毎巻の読後感が大変良く満足度がとても高い作品。今巻の新キャラの短編も熱くてとても良いです。

ベースになるのは意外と「熱血と根性」なんですけど、青春ものでもコメディとのバランスやメリハリ、クサく陳腐に感じさせないエモーショナルなセリフ・モノローグの言語感覚や演出センスに優れた漫画家が、すごい増えた気がしますね。絵さえ上手けりゃよかった時代じゃなくなったいうか。そんな時代なかったか。漫画家って大変。

青春の輝きが熱くて眩しくて、読んでておっさん目が潰れそう。

 

 

 

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サブ主人公の石上とつばめとミコの、未満恋愛の三角関係の緊張感を高めつつも、今巻冒頭で提示された「恋だけが『好き』じゃない」をいろんなキャラの組み合わせでバリエーション豊かに並べて見せる巻。

「恋だけが『好き』じゃない」って「男女の仲ってそれだけじゃない」って、それはそうなんですけど、ラブコメ界隈でトップ付近を走るあなたがそれを言語化しちゃうんですか、という感じ。

私は前は「つばめ先輩派」だったんですけど、描写の端々に先輩の石上に対する気持ちが冒頭で示された「恋じゃない好き」であることを示す透明な薄い膜のようなものと、作者本来の持ち味の厨二病な理屈臭さが感じられて、つばめ先輩いい人なんだけど「こりゃ脈ないわー」っていうか読者感情的には「ミコちゃんがんばれ!」になっちゃうよねーっていうね。

二期までやったTVアニメも好調で好評、三期も発表済みという、名実ともにラブコメ漫画の現役暫定チャンピオン。次の主題歌も鈴木雅之を切に所望いたす。

 

 

 

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作家買い。

「カッコイイとは、こういうことさ。」とは、宮崎駿の映画「紅の豚」のキャッチコピー。

中年・初老の男性のダンディズムをこよなく愛するオノナツメ節が炸裂している、「ACCA」世界観の現作。1冊1エピソード完結の映画的なスタイルが似合います。

多くの男性作家の描くハードボイルド小説や「紅の豚」が、影を背負った中年の主人公を写す鏡、承認する装置として作中に主人公に憧憬を寄せる若い女を配置せずにはいられないのに対して、この作品にはそうした役回りが置かれません。

それは社会的なステータスや承認欲求の発露ではない、若い女の承認を必要としない、純粋に個人の生き様としてのダンディズムの美しさに対する作者の期待や欲望がより深く、「ダンディズムにナルシシズムは不要」という妄想の純度がより高いせいかもしれません。

さて、ここまで書いといてなんなんですが、厳密には今巻では主人公の同世代もしくは歳上の中年女性との男女関係が描かれています。

これは作者が自己を投影しやすいヒロインを若い女の代わりに置いただけなのか、作者が主人公にロリコン的でない成熟した男女関係を営める人間性を求めた結果なのか、それとも「女を騙した元詐欺師」の経歴にリアリティを持たせたかっただけだと解釈するべきでしょうか。

作品外で作者に訊くのも野暮なので、続巻でその後の描かれ方を待つ楽しみにしたいと思います。

 

 

 

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なんで読み始めたか憶えてない。たぶん1巻の表紙買い。

今年読んで一番悲しかった漫画が「チェンソーマン」9巻だとしたら、今年読んで一番頭にきた漫画はこの作品のこの巻でした。

原作の序〜中盤までやTVアニメでずっと謎だった、ヒロイン・高崎美咲が両想いでありながら主人公と結ばれることを拒んできた理由、その秘密がようやく明かされます。

読んであまりにも頭にきたので、一晩寝て起きて一日働いて職場の同僚に「昨日読んだ漫画が頭にきた」と愚痴って寒空の下を歩いて頭を冷やしながら家に帰って、それから感想を書きました。頭を冷やす前に書いて消した感想には「こんなクソ漫画読まなきゃ良かった」と書きました。Twitterでも「もう読むのをやめる」という読者を少数ですが何人か見かけました。

私はまるで昼のメロドラマにどハマりしてマジ切れしている人のようです。あるいは彼女と喧嘩した男子高校生のようです。私のこの怒りのやり場は、続巻で一体どこに向かうんでしょうか。当然、この作品がこのまま終わるとは思っていませんし、「クソ漫画」とも「読まなきゃ良かった」とも本当はそんなに思ってません。なんやこの文章。DV彼氏か。

ほんと、俺キレさせるとは大したもんだよ、この漫画。

余談ですが熱心なファンが多いのか検索流入のアクセスがとても多い記事ですが、みんなさんはてなーじゃないので読んで無言で去って行くという、この記事が作品ファンに一体どう思われてるのか全く見えなくて地味に怖い。

 

 

 

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作家買い。

この巻だけ読むと高校の二人天文部の、両片思いの男の子と女の子が夏休みに二人で星空の撮影旅行に行くお話です。ここだけ切り取って映画にしても成り立っちゃうくらい眩しくて美しいエピソード。

思いつきでサザンオールスターズの名曲「真夏の果実」をエンドレスでかけながら読んでみると、「誰かに抱かれた夢」「泣きたい気持ち」「夜が待てない」「こんな夜は涙見せずに」と、その歌詞のフレーズが今巻の内容に驚くほど符号していることに気づきます。ラブソングの歌詞とラブストーリーが符号するのはある意味当たり前ですし、桑田佳祐の歌詞がそれだけ普遍性を持っているというだけのことかもしれません。たぶんサザンの他の曲を流したって多かれ少なかれ符号するでしょうし、TUBEの曲でもそうかもしれません。

「真夏の果実」の歌詞はどこか追憶を窺わせるものですが、この漫画はこのあまりにも美しい夏の後、どうなっていくでしょうか。この作者の作品らしからぬイヤな予感さえしてしまって、ここで読むのをやめてしまうのがこの時間を永遠に閉じ込めてしまえて一番幸せなような気がして、胸がギュッとなります。

 

 

 

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作家買い。見落としてたのをMSSPのeoheohさんのブログで知って読みました。

「今日から俺は!!」「お茶にごす。」などで著名な西森博之の新作は、他人の心が読めるテレパス少女と元ヤン天然男の、血の繋がらない父娘もの。

設定的には「ヒナまつり」「SPY×FAMILY」などの他、超能力がなければ「よつばと!」などにも近いポピュラーな設定。作者らしくワイルドで無鉄砲な展開ながら、それらの作品と同じくヒロインの女の子・カナカが可愛らしい。

主人公のマサは年齢不詳ながら居酒屋を営む成人で、作者の長編作品で主人公が高校生じゃないのは1990年の「甘く危険なナンパ刑事」以来30年ぶり。ヒロインとの関係にも恋仲ではなく親子をもってくるあたり、年齢からくる心境の変化か、自分のようなファン層の高齢化によるものか。

不幸な境遇にいたカナカが1巻終了の時点でマサに引き取られてもう十分幸せそうでメデタシメデタシ感というか、一冊で割りと成り立っちゃってる感もあるけど、2巻予告もめちゃくちゃ面白そうで続きがとても楽しみ。齢57にして作者の新境地が見られるか。

 

 

 

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「少女終末旅行」っぽいな、と思って1巻をタイトル買いしたのがきっかけ。

人類が滅びた世界を、動物たちと言葉を通じる女子高生と、飼い犬の柴犬が往く。宇宙人や河童、神様などが作者が思いついたネタに合わせて脈絡なく登場し、ポストアポカリプスの悲壮感の欠片もない。

読み味的に「×(ペケ)」(新井理恵)を彷彿とさせる会話芸ギャグコメ4コマ。

犬描くの上手いというか、たぶん犬描くためだけにフルカラーにしてる。なんだったら人類が滅亡してる設定も犬の出番をより増やすためだけなんじゃないか説ある。人間いるとセリフでコマ面積を奪っちゃうもんね。

「犬が好き」しか伝わってこない漫画ですけど、あの手この手で笑わせ泣かせて読者を犬好きに巻き込んでこようとします。

「今日のさんぽんた」と併せて柴犬が熱い下期、自分の中で機運が高まり過ぎて、なんでか23,000円の柴犬スカジャンを予約注文するという謎の行動に出てしまった。

 

 

 

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なんで読み始めた漫画か憶えてない。読む前は「タイトルのセンス頭おかしい」と思ってた。

原作を読んでいない自分の失敗は、本作品の刊行中にTVアニメ版を全話観てあらすじを知ってしまったことです。大抵の場合、既に話を知っている作品のコミカライズを読むことほど退屈なことはありません。にも関わらずずっとエキサイティングであり続けたコミカライズ版が、いよいよTVアニメ版の最終回に追いつき、公式に「第一部 完」となりました。

この内容を全体像を壊すことなく省略し再構成して決められた尺に収めたTVアニメスタッフも見事なら、省略されない情報量の密度を活かしつつ独自の演出も交えて爆速で見応えのある第一部を完成させた作画者・東條チカも見事。

「幼女戦記」は二度美味しい。あるいは原作を読んでも三度美味しいんでしょうか。

私は従前から「これだけ描ける漫画家を何年この作品に拘束して良いのか」と、まるで自分が原作者や編集者であるかのようにハラハラしていて、「第一部 完」の文字をAmazonの商品概要で見た時、とてもイヤな予感がしました。

幸いにして作画者が交代するような情報は見られず安堵しています。東條チカの筆による次巻以降の「私の知らない物語」がとても楽しみです。

 

 

 

★★★★★

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WEB連載の第1回がはてブで話題になってたので読み始めました。

端的に言うと、1巻と比べてすんなり感情移入して泣ける話が少ないな、と思います。

それは当たり前で、彼女たちは後世の我々に泣ける話を提供するためにナチスドイツと戦ったわけではなく、また戦う中で戦争に蹂躙されたと思われた彼女たちもまた戦争の一部として誰かを蹂躙したことが、この作品には記されています。アレクシエーヴィチは実に冷徹に、彼女たちが隠していたかった戦場における「恥の記憶」を文字にして歴史に残しました。

「千年狐」で語られたように、歴史はそれを語る者、書き留める者のバイアスでいかようにも形を変えてしまって、「真実」を残す難しさを考えずにはいられません。

彼女たちは戦場において度々非道を働きましたが、その憎悪と暴力の積み重ね、「恥の歴史」としての戦争が人類社会からナチスドイツを葬り去ったのも事実で、この作品は未だ「恥の世紀」を生きる私に様々なことを想起させます。

この「恥の歴史」を文字にして残す呪いのような営みが、いつか現れ世界から戦争を消し去ってくれる天才たちを助けるヒントになったりするんだろうか、などと愚にもつかないことを考えてしまいます。

 

 

 

★★★★★★

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この作品をここに並べるのはもちろん「2020年下半期に読んで面白かった漫画」という記事の本来の趣旨に反するおかしなことですが、そんなもんは私の匙加減次第です。

私は萩原一至が何かする度に「うるせーバスタードの続き描け」と心の中で思ってしまう心の貧しい人間ですが、

こればっかりはGJだと言わざるを得ません。

軟派なラブコメ漫画に対するジャンプ編集部内のスタンスも統一されてなかったであろう時代に、新人を捕まえて「サンデーの高橋留美子とあだち充に対抗せよ!(※意訳)」という無茶振りでしたけど、ジャンプラブコメの先駆者の一つとして堂々と彼女らの作品と肩を並べ、ジャンプの誌風もちょっとだけ変えてしまって、80年代を代表する伝説的なラブコメ作品に、とてもたくさんの人に愛され影響を与えた漫画になりました。

私は今でも「鮎川」や「まどか」という名前を見るとちょっとドキッとするくらい、鮎川まどかがとても好きでした。たぶん一生ちょいちょい読み返していく作品。

まつもと泉先生のご冥福をお祈りします。

 

 

 

★★★★

なんかいっぱいあるんでここから勝手に見てください。

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定期記録。

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#買って良かった2020

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しんどくなってきたので来年はいろいろ数を減らしていこ…

 

じゃあ、おわりです。

来年も面白い漫画に恵まれますように。

 

よければ、あなたが読んで面白かった漫画の話も聞かせてください。