「2012年 全国の中学校でダンスが必修となり
テレビやネットでクローズアップされることが急増した
中・高ダンス部は今や2千を超え
部員数は6万人以上にのぼる
そしてその男女比は実に5対95」
共感性羞恥でダンスを観ることすら苦手な新入生・小谷 花木(こたに かぼく♂)、通称「カボ」。
長身でバスケ部出身、吃音症(どもり)で言葉での自己表現が苦手、他人に合わせて生きつつどこか窮屈さを感じている少年が、高校でダンスに夢中な少女とダンス部と出会う、ボーイ・ミーツ・ディスティニーなダンスもの。ジャンルで言うと「ストリートダンス」でいいのかな?
以前の記事のブコメで id:raitu さんがオススメされていたので。
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どう見てもカボが主人公なのは間違い無いんですけど、タイトル「ワンダンス」が「ONE DANCE」かと思ったら「WON DANCE」っつって、2人のヒロイン、「宮尾 恩」通称「恩ちゃん」、「湾田 光莉(わんだ ひかり)」の名前の音、「おん」と「わんだ」と微妙に掛かってるのはなんでしょうね。「せっかくなんで軽く掛けてみました」ぐらいの感じかしらん。
初心者ながらバスケ経験者で運動神経は良好、長身なのでダンスも映えるという素質持ちの主人公が部活のレッスン、コンテスト、ダンスバトルを通じてダンサーとして開花していくオーソドックスな展開。
ダンス自体は野球やサッカーに比べるとメジャーとは言えないので、ダンスを知らない人間にもわかりやすく、あとはもうキャラが魅力的でダンスがカッコよければそれでヨシ、なジャンル。言うのは簡単ですけど「わかりやすくかっこよく魅力的に」ってそれができれば誰も苦労はしませんね。
ダンスの技術の基礎、
恩ちゃん可愛い。
コンテストとバトルのダンスのコンペ体系、
と、わかりやすさは申し分なし。見てたらやってみたくなりますね。
ダンスの描写は同じセグメントに「ムラサキ」ってコンテンポラリーダンスを題材にした化け物みたいな漫画がいるんですけど、
そこまで観念的にならずに、という感じ。
エロ漫画、格闘漫画と並んで、人体描くのが下手くそだとどうにもならないジャンルですけど、人体を正確に描けた上で崩して動かすカッコ良さの快感みたいのが読んでて気持ちいい漫画。
抽象表現ではなくPOPPIN'のヒットの写実表現。バトル漫画で覚醒した人みてーだな。
題材になるストリートダンスのルールがシンプルな分、ダンスの凄さを絵で表現しようとすると、後の話になるほど「カッコいい絵を描きたい欲」がエスカレートして行って、より観念的になっていき人気は離れ筆は止まりと、漫画で絵にこだわりすぎると悪循環にハマるケースが多いんですけど(「ムラサキ」も続巻が出ません…)、
この作者はエスカレートしていくというよりは、この人の中で画風のトレンドが移ろっていくタイプの人なんかしらね。
最新4巻のこの辺とかすげー上條淳士っぽい影の使い方。
イケメンたちと美少女たちが男女の垣根のないダンスの舞台でかっちょよく踊ってバトる眼福な漫画です。ラブコメもあるよ。
自分は恩ちゃん推し。
aqm.hatenablog.jp
(選書参考)
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