AQM

あ、今日読んだ漫画

2020年上半期に読んで面白かった漫画 34選

記事にした漫画は全部自分基準で☆3以上なんですけど、いちいち「☆☆☆」って付けるのもなあ、ということで☆4以上でタグつけてます。

同じ☆数同士の順番は単純に読んで記事にした順なので他意はないです。

 ★★★    面白かった

 ★★★★   すごい好き

 ★★★★★  愛してる

 ★★★★★★ 人生のお供

基本的に単行本単位(たまにまとめ読み)なので同じ作品が複数回登場することがあります。

読んで面白くなかったら、わざわざDISるのもなんなので記事にしてないです。

 

前回はこちら。

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じゃあ、そういう感じで。

 

 

★★★★★★

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単行本の帯のアオリは「美女!!トルネード!!巨大サメ!!爆散する恋心!!」

ロックすぎんだろ。すごい頭わるそう。何かと話題の林士平ブランド。

痛快に頭の悪い主人公・テンポよく汚い言葉の応酬・ファンキーな能力バトルバイオレンスのドB級ノリの殺し合いの行間に、使命と貞操と下心と恋心の狭間で密かに揺れる男女の機微を忍ばせて、切なく美しいエンディングを迎える傑作エピソード。

倫理感や規範意識に欠けるデンジの、それ故にピュアでロマンティックな恋。次巻冒頭のデンジのリアクションがまた、同じような経験をしたアムロやカミーユとまるで違って極めて刹那的なのが切ない。

漫画とは言え当然一人で作っているものではないんでしょうけど、時代が時代なら小説や舞台や映画に行っていた才能が、こうして漫画を描いてくれるのは漫画界には僥倖でしょうし、それらの業界にとっては損失だろうな、とか思いました。

 

 

 

★★★★★

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年明け早々とても話題になった作品なので、読んだ方も多いんでないかなと思います。Amazonのレビューでは意外と低評価も目立ち、合う合わないでけっこう人を選ぶ作品。

商業性より作家性の強さを感じる作品で、出版社はどこだろうと思ったら角川で、こういっちゃなんだけど「へえ、意外」と思いました。でもハルタも角川なんですよね。

初単行本とのことで、2作目にどんな作品を描かれるんでしょう。作者のパーソナリティをあまり存じ上げないんですが、なんか全然違う作風のもんが出てきそうな気も。

 

 

 

★★★★★

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もとからそうでしたけど、精緻な書き込みにさらに磨きがかかって恐ろしく高精細な漫画になってしまいました。新調したPCと4K対応の大画面モニターにも画面負けしない、紙面の隅々まで張り巡らされたイマジネーションとデザイン、とても贅沢なファンタジー日常漫画。

ドラマティックなことが起こる漫画ではないですけど、日々繰り返される日常はこんなにも美しいのか、と。

ここまで絵にこだわると筆が止まる作家が多いんですけど、腕を磨きながらもコンスタントにアウトプットし続けていて頼もしい。

 

 

★★★★★

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作品自体は2017年に発売された作品ですが、読んだのがこの時期だったので。増田と id:type-100 さんのオススメで読みました。 id:type-100 さんには森長あやみ先生の作品も教えていただいて、定期的にお世話になってます。

こういう「最終回の後の世界に生き延びてしまった」ような主人公の孤独、というテーマはハードボイルドでよく見られますが、それらの作品と比べてより淡々とより枯れた風情でナルシシズムが極めて薄いのが特徴。

ポップでキュートな絵柄に反した暗い絵本のような背景が、内省的でアンニュい作風を際立たせて作品世界全体がとても印象的で、読後も作品世界の後味が長く心に残る。

 

 

 

★★★★★

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上記作品の続編になります。こちらは2019年後半の刊。日常よりの中編連作だった前巻から変わって、一冊かけた大長編。

クライマックスのシーンがとても印象的でした。古来から伝わる童話には、現代に描かれる物語ではなかなか見られない、主人公に対して情け容赦のない辛く悲しい、非人間的と言っていい残酷な展開がたまに見られますが、何か通じるものを感じます。

ヒロインはその理知的で優しい強さ故に、自分の哀しみを怒りなどの他の感情に転嫁して解消することを決してせず、ただ涙を流します。読んでるこっちの心にまで穴が開いてしまう。

 

 

 

★★★★★

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主役二人の恋愛話を進める比較的シリアスだった文化祭〜冬休みが終わってギャグコメディ中心の日常に帰ってきた巻。

かつて高橋留美子が「キャラが勝手に動いてくれる」と語ったように、個性的かつ共感性の高いキャラ群が育って同じ境地に達してる感じ。「お題×登場させるキャラのチョイス」の組み合わせで自由自在というか、ラブコメの主役二人がくっついちゃっても無限に話が作れるかのような印象で、シリアス展開を切り札に取っておける余裕。

資産家の子女が集う名門校のエリートかつ美男美女のラブコメ、という大変いけすかない設定のはずなんですけど、「ポンコツは七難隠す」といいますか。どいつもこいつもポンコツで愛おしいわ。

 

 

 

★★★★★

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モノクロの漫画なので当たり前なんですけど、白と黒で描かれていることが作画者の画風もあって第二次世界大戦当時のモノクロ映画のような効果で目に映ります。

作画の小梅けいとは素晴らしい仕事をしていて、この作品はとても見やすくわかりやすい綺麗な絵で描かれます。私はあらゆる漫画において必ずしもリアリティが最重要だとは思いませんが、この作品に関しては実録の戦争の話がこんなに綺麗な絵で描かれていいんだろうか、と思わなくもありません。モノクロ映画は血の色も泥の色も映しません。

反面、総天然色で、あるいはもっと写実的な絵でこの漫画が描かれていたら読者は半分以下に減るだろうなと思います。我々は人間が血と泥に塗れる光景に慣れていません。

この漫画作品は我々が消化できるように戦争のどギツさを薄めてくれている漫画であることには読者として自覚的でありたい、漫画を読んだだけでわかったような気になる傲慢だけは慎みたい、と思います。

 

 

 

★★★★★

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悪く言えば、挑発的なタイトルで耳目を集めて始まった割りにはタイトル回収せずに雰囲気エンドで終わった作品、ということになろうかと思います。この漫画を読んでも「マンガに編集って必要かどうか」の、作者なりの回答すら提示されません。巻数や結末自体、どの程度作者の本意だったのかもよくわかりません。

見ててハラハラする危ういヒロインに引っ張られて読まされた挙句の「漫画に対して誠実でありたい」という目新しくもないメッセージだけのビターな雰囲気エンドですが、雰囲気エンド自体、自分は嫌いじゃないので。

フワッとしてる分、考えさせられることはたくさんあり、そしてやっぱり作家さんにも編集さんにも漫画に対して誠実であって欲しいと、私も願います。

あと助平根性で申し上げれば、この作者が描く女性キャラがとてもチャーミングなので、ぜひ次回作もお目にかかりたいものです。

 

 

 

★★★★★

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まったくノーマークにしていた作者・作品で、巡回先のアキバblogで知りました。

アニメーション学院的な専門学校を舞台にした青春ものということでオタクサークルのモラトリアムな青春群像劇を描いた「げんしけん」を思い出しそうですが、全員に「絵師」を目指すというベクトルが与えられていて、コメディ色は強いものの「いつか何者かになりたい」願望を抱えた「美大もの」に近い感じ。

実力の世界、クラスメイトの圧倒的な才能、求められる努力、狭き門の将来、劣等感。

あとがきによると作者が学校時代を思い出しながら、「専門学校で頑張ってる人、絵で生計を立てたいと思ってる人に向けてのエール」にしたい作品とのことで、競争の激しい厳しい世界を垣間見せつつも重くなりすぎない、とても楽しい青春コメディに。会話芸も楽しいし…どいつもこいつもいいキャラしてて…

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(「SA07」1巻(津留崎優/芳文社)より)

 

 

  

★★★★★

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「弾いてみた」でネットのカリスマの凄腕ギタリストだけどぼっちでコミュ症、という、「けいおん」の唯とは真逆の特徴を与えられたヒロインのプロ志向のバンドもの青春ギャグコメ4コマ。

ぼっちギャグ進行ですけど、勇気を振り絞っての学校の文化祭ステージでの演奏、数万人のファンを抱えるネットのカリスマの正体バレと、バンド少女の大きなイベントが2つ。

ちなみに「けいおん」、1個上の「SA07」、この作品、と全部「まんがタイムKR」です。並べてみると分野やヒロインの性格は違えど、「いつか何者かになりたい」というテーマにギャグコメディからアプローチするやり方は「けいおん」よりも、むしろ「SA07」の方が近い感じ。

 

 

 

★★★★★

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「実在しない面白動物」という嘘を放り込んだド日常もの。ド日常ものと言っても、面白動物が奇妙なリアルさを携えた奇想天外っぷり、かつ可愛らしいので飽きさせないというか、びっくりと笑いの連続です。ちなみに、今のところペットとして一方的に庇護する対象なので、ドラえもんやオバQのようにはなりません。

何にでも白黒つけたがる融通の効かない性格のヒロインが、面白動物との生活を通じて受容性を拡げていく、というタイトルに込められた裏テーマもあるんですが、あんま難しいこと考えずに、なかなか続きの出ない「よつばと!」のように楽しめる、と紹介するのが適切かもしれない。

「かんなぎ」の作者につき、絵は折り紙付き。

 

 

 

★★★★★

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先日出た完結巻も良かったんですが、出色だったのがその前巻。

「こういうのでいいんだよ、こういうので」は「孤独のグルメ」のセリフですが、ミームとしてネットでよく使われるようになりました。ミームになると、どこか上から目線で好きになれない言い回しです。では「こういうの"が"いいんだよ、こういうの"が"」ではどうでしょうか。うーん、「こういう"の"」呼ばわりがまだ偉そうな気がしますが、他に良い言い回しが思いつきません。

最終的に選ばれない「負けヒロイン」をどう扱うかはハーレムラブコメの永遠の課題ですが、王道、もしくはベタな、あるサブヒロインの宝石のように美しい失恋の話。

自分は「こういうのが」いいな。

 

 

 

★★★★★

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好きだから、自分を知って欲しい、一緒にいたい、触れたい、付き合いたい、結婚したい、と望んでしまうものなんですけど、彼女たちと彼の恋は「好き」しかなくて、未だ何も望んでいないように見えます。「無償の恋」というか。

ヒロインたちは高校生相当の年齢なんですけど、丸く幼く描かれたキャラデザインも相まって、まるで小学生の幼い純愛を読んでいるかのように錯覚してしまいますね。

言葉少なに夜を歩く少年と少女を照らすホタルの灯り。ここに居ないもう一人。

 

 

 

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観測範囲の問題かもしれませんが、最近は一つの世界観で短編エピソードを重ねる一話完結型か、ヒットのバロメーターたる10巻を超える超長編が目立つようになった反面、巻ごとに一冊ちょうどの中編エピソードを読ませる作品をあまり見かけなくなった気がします。

「大長編ドラえもん」とか、他と相対的に比べて考えたら全然「中編」ですよね。

全ての作品で中編構成がふさわしいわけではないですが、限られたページ数をコントロールして物語を構成する能力と、実績に恵まれて「看板売り」が可能な作家にしか中々できない、実は結構ぜいたくな創り方のように思います。

平凡な感想ですが、読後に良い映画を一本見終わったような「買って読んでよかった」って満足感があります。「大長編ドラえもん」みたいに。

 

 

 

★★★★★

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「通いの軍隊」みたいな勤め人ロボットもの。人類を守るべく、平和な日本の職場からの遠隔操縦のロボットで、侵略してくるクリーチャーと戦う。

変な設定に相応しく、主人公の人柄も能力もバトルものにあり得ないぐらい、塀内夏子作品の脇役みたいに地味なんですけど、バラバラで仲の悪かったダメチームが主人公の地味な努力を厭わない働きぶりが影響して徐々にまとまっていき、トップチームを出し抜いて団結して強敵に立ち向かう、成長譚の王道な高揚感。

王道とは言え、最初からチート能力持ちの主人公が多い昨今では逆に絶滅危惧種かもしれない。「ガンダム以外」のロボットもの漫画としても貴重。

 

 

 

★★★★★

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ヒロインレースが苦手で、受験をテーマにした青春群像バカコメとして楽しんできた人は、この巻を最終巻だと思うのも手だと思います。彼と彼女たちの最後の頑張りとその結末を見ることができます。

自分はマルチルートの良し悪しについては「読み終わってみないとわからない」派ですが、いずれにしても作者がラブコメとしてより青春ものとして描きたかったことは全てこの巻に置いていったように思います。

う"ぅ"〜、み"ん"な"よ"ぐがん"ばっだよ"ぉ"ぉ”ぉ"…

と言いたいとこですけど、各ヒロインの本命エピソードはご存知のヒロイン別マルチルートに持っていかれた感じなので、まあ読まないわけにはいかないですね。

 

 

★★★★★

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「一緒に一夜を過ごした男女が」「一緒に朝ごはんを食べる」「短編」を描きなさい。

というお題に則って描かれたようなオムニバス恋愛短編連作の第二集。

えちえちなのから、ピュアなのから、積年の片想いから、行きずりの関係から、ただの酔っ払いの介抱から、後の夫婦の青春の思い出まで。

オムニバスというより一人アンソロジーって感じで、シチュエーション縛りでよくこんなにたくさん描けるなw

どのエピソードも「恋の予感」の高揚感を感じさせつつ読後感良くホッとするような優しい話ばかりなのも、縛りっちゃ縛りですね。

 

 

 

★★★★★

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「だがしかし」作者の現作。

不登校の少年と吸血鬼美女が夜の街をふらふら歩くほぼ二人劇だったのが、私小説的な空気を保ったまま、この巻で魅力的な吸血鬼サブヒロインが一気に6人も増えました。ありがちなハーレムルートへの入り口を主人公の少年が素でバッサリ斬っちゃっててウケる。

エンタメ性に配慮した抑制的な作風、かつまだ2作目で、未だ読者に見せてない顔が控えてる作家なんじゃないかと勝手に期待しているので、あとがきで「筆が滑ってないか」と気にされてましたけど、むしろどんどん筆が滑って欲しい、と無責任なことを。

 

 

 

★★★★★

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好きすぎて最近この作品のために毎週木曜0時にヤンジャンをkindleで買うようになってしまいました。お金かかるわー。単行本の新鮮味が薄れるのが悩みどころ。

今となっては結果論みたいな話ですけど、恋愛に鈍感な主人公になりがちなハーレムラブコメより、好きな異性を意識しまくりの本命ラブコメの方が自分は感情移入しやすい。サブの石上が上手いこと効いて青春恋愛群像劇に。

直球が効いてるからこそ、この表紙みたいな変化球の組み合わせも萌えっときます。恋愛でも浮気でもない、師弟のような姉弟のようなかぐや×石上の信頼関係、微笑ましくていいよね。他にもそんな組み合わせがたくさんあって、読んでてニヤニヤしてしまう。

 

 

 

★★★★★

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4コマの名人によるTCG「ウィクロス」の公式4コマ。もとは id:whkr さんに教えてもらった作品。

借りてきたキャラを大事に描いた、いわば二次創作なんですけど、原作という「お題」に対する大喜利的というか、「ドラクエ4コマ効果」というか「アニパロコミックス効果」というか余技の方が腕の冴えが際立つというか、そんな感じのブーストがかかるものを、商業漫画の4コマの名人がやるとこうなりましたという感じ。

TCG「ウィクロス」を知らなくても全然楽しめます。その証拠に?私もこの漫画を通じてしか「ウィクロス」を知りません。

 

 

 

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「コッペリオン」作者によるジジロリハードボイルド。

2冊同時発売だったので普通に考えれば2冊分面白いのは当たり前なんですけど、世界を股にかけてラスベガスから東京、パリ、ボルドー、ドバイ、ペルシャ湾、クウェートと、ビルは吹っ飛びランボルギーニも吹っ飛びデータセンターも吹っ飛び飛行機は墜落しタンカーは沈没と「007かよw」ってくらいスカッと楽しくかっこいいクライムアクションで、2冊分以上に派手に読み応えがありました。

ワールドワイド展開も派手な爆発も、漫画で描く分には映画作るほど金かからないはずなんですけど、意外とそういう大作ハリウッド映画的な漫画少ないよね。まあ世界中で爆発すりゃ偉いってもんでもねえんですが。

 

 

 

★★★★★

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作品の核は強いてジャンル分けすれば「SFバトルもの」になるんでしょうか、読み味はまったく別物。日常色が非常に強く「ゆるふわ攻殻機動隊」といった趣。

29世紀の地球が舞台ですが、作者がSFの原点である「想像すること」を楽しんでいるのが伝わってきて、それに殉じるように登場人物たちが生き生きと暮らしています。ここまで行くと「人間とロボットの違いは」と哲学に行きがちなところ「あはは、よくわからんw」とばかりに、あっけからんと共生するロボットと人。

カタルシスの芯が良い意味でズレているというか、ストレスからの解放に頼らない作り。よく考証された描写で「悪いロボット」をかっこよく制圧するんですけど、ヒロインはずっと仕事の後のお楽しみのティータイムのことしか考えてなくて、悲壮感の欠片もなく生きてて楽しそう。

 

 

 

★★★★★

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一定の確率で人間が何かの動物や植物に徐々にメタモルフォーゼしてしまう、治療法のない「変身病」が存在する社会、という不条理な舞台背景で人間ドラマが描かれる連作短編。

一昨年の刊なんで何を今更と思われるかもしれませんが、読んだのが今年なので。すみません。読んでも読んでも知らない面白い漫画が未だいっぱいあって困ります。

人生が理不尽に中断され、自分が自分以外のものになっていく恐怖、振り返るそれぞれの人生。何人かのSF作家が挑んだテーマを、劇的でない代わりにより身近に、より切実に。

 

 

 

★★★★★

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漫画家と姉さん女房の読んだら結婚したくなる系の新婚コメディ4コマ。

もともとシュール・ナンセンス畑の作者さんで、本作を含め近作はケレン味を抑えてわかりやすい面白さ・可愛さを描いて成功してる印象。

が、本作主人公の「わかりにくい漫画家」軒並ライジの作中作4コマを描くときだけ作者の本性が嬉々としてほとばしっていて、「作家が描きたいもの」「読者が読みたいもの」のギャップの現在地が鮮やかに。名人芸の手加減の匙加減が垣間見えるような。

いや、そういう漫画じゃないです、本質はあくまで光属性系の可愛らしい新婚さん4コマの良作です。

 

 

 

★★★★★

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何かと話題の林士平ブランド。一見ファミリー向けのようなルックスですが結構ハードな世界観で、少年ジャンプ本誌じゃなくて実験的な「ジャンプ+」の連載。

今巻は犬の話ですけど犬そのものより、犬をめぐって酷薄な闘争に身を投じる大人たちが、「何のために戦っているか」を決して見失っていない決意のようなものにグッときてしまいました。

「今日が平和でなによりだ」 あぁ、なんて良い決めゼリフ…

あと変顔プリンセス化してるアーニャが面白可愛い。

 

 

 

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やり手の店長と人の良いバイトがリフォームした古民家で保護猫と一緒に営む猫カフェの日常を切り取った一話完結型の連作短編。猫の描き方がまた一種独特で、漫画表現における猫の可愛さってなんなんだろう、と考えてしまいます。

自分が猫好きというのもあるし、作者の人柄が滲み出るような優しい話ってのもあるんですけど、大ヒットになりにくいですけどやっぱり短編って良いです。

そんなん言いつつ、知らなかった作家さんなんですが、同じ作者の4巻まで出てる美大を舞台にした長編の別作がとても評判が良いようなので、近いうちに読んでみよう。

 

 

 

★★★★★

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夫と死別して実家に戻った子持ちのヒロインと、妻と離婚して実家に戻った幼なじみの、アラフォー同士のお隣さん…お隣さんラブコ…ラブコメじゃねんだよな。今んとこラブってわけでもないし、コメディでもないし。

地味な設定でいくえみ綾じゃなきゃ読んでないですが、いくえみ綾なので面白いです。そんな雑な褒め方があるか。

1日2回どころか、10年以上一度も思い出しもしなかった、別冊マーガレットを毎月楽しみに一緒に読んでいた昔の彼女を思い出しました。追憶と、それでも続いていく毎日の生活、人生。なんつーか、大人んなっちゃったなぁ。

 

 

 

★★★★★

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少年ジャンプらしい能力バトルの、長かった少年ジャンプらしい訓練戦がついに決着する巻。ついにクララが立ちました!嘘ですクララなんか出ません。

必殺技による一発逆転や無双展開に頼らない、戦術や駆け引きのリアルっぽい緻密さと、張った伏線をきっちり回収する作風が売りで、考察や予想しながら読むととても楽しい漫画。

このSNSの時代に「読者の予想の裏をかいてやろう」というよりは「読者の予想の上を行ってやろう」というスタイルの作者は大変だろうなと思います。

いやー、かっこよかったし、シビれたね。

 

 

 

★★★★★

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未来SFの世界観の楽しみの一つというのは、科学技術の進歩もしくは天変地異や戦争が、人類社会や生活や人間の在り方をどう変えたか、作者の想像力の成果を楽しむことかなと思うんですが、同時にそれらの出来事があっても「何が変わらなかったか」の描写も大切だなーと最近思います。

未亡人となったヒロインが亡くなった夫の葬式を済ませ、遺骨をロボットの息子と二人で45日間かけた宇宙旅行で故郷の地球の実家に届ける話です。

今のところ話はまだ序盤ですが、「変わったこと」「変わらなかったこと」がどのように融合して社会を形成しているのか、作者の想像力の成果である世界観が「パトレイバー」のように士郎正宗のように、楽しめるSF作品になっています。

 

 

 

★★★★★

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フィクションだってわかってんですけど、私小説っぽいというか、「漫画の舞台」に上がってないその辺の両片想いの中学生の心の中を勝手に覗いているような、リアリティとはベクトルの違う生々しさがあって、それが読んでるこっちに存在しない経験のデジャブを感じさせます。

漫画にするにはあまりにも些細な片想いのサインの連続にフォーカスを当てて「細かすぎて伝わらない片想い選手権」とでもいうか、あまりにも繊細な「あるある」というか。

少年漫画ですけど、むしろ時間をもう巻き戻せない大人に刺さりに行ってるような。

と、多くの読者に「自分のための物語」と錯覚させることに成功しているというか。

 

 

 

★★★★★

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TVアニメ化で話題になり好評を博しましたが、世界が拡がってあの頃より更に面白くなっているので、当時楽しんだけど今は読んでないという人には特にオススメです。

いわゆる「日常系」ですが、高い画力と愛すべきキャラクターたちをベースに、作者の豊富なイマジネーションの世界を美味しく楽しめる、「ハクミコ」と並ぶとても贅沢な日常系。

この人も最初っから絵が上手かった印象ですけど、いま1巻を読み返すと最新刊と比べて全然印象が違って、上手い人は上手くなるのも上手いんだなーと。

 

 

 

★★★★★

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広島を舞台にお好み焼き屋の看板娘な女子高生がヒロインのほのぼの系4コマ。いろいろあって3巻での完結に9年かかった。

一見萌え系の表紙で「まんがタイムきらら」(芳文社)っぽいですけど、「クレしん」でおなじみ双葉社の「まんがタウン」。

もちろん広島弁のヒロインは可愛らしいし作品としても推してんですけど、キャラ人気よりも初見の人が雑誌を手にとってどの時点から読み始めてもすぐに楽しめるように作られた「普遍的な面白さ」というか、4コマごとにオチのつくクラシックな王道4コマ。

連載期間こそ長かったものの、コンパクトな巻数でハートウォーミングな大団円で終わったのも良かった。

 

 

 

★★★★★

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プレイの瞬間を切り取ったかっこいい止め絵や、戦術の駆け引きを俯瞰のピッチ図で魅せる二昔前のスポーツ漫画と比べて、作者の頭の中にある映像イメージをいかに誌面に落とし込むか、という「流れ」や細かいボール捌きの技術の写実性にこだわった映像的なスポーツ漫画が増えたなあ、と思います。

それを描ける作者もですが、読者もそれを受け容れられるようになったのは、インターネットと動画サービスの普及の賜物で、現実のスポーツシーンの試合や名選手・名場面を数多く観てイメージを共有できるようになって、描き手と読み手のイメージのレベルが一緒に上がったのが大きいんだろうなー、と。

ちょいちょい破天荒でサッカー素人もサッカー通もある意味等しく置いてけぼりだった「キャプテン翼」がそれでも面白かったように、プレイのリアルさや映像的な写実性と漫画としての面白さはまた別なんですけど、両方兼ね備えた作品だなーと思います。

 

 

 

★★★★★

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高校生男子と5歳上の従姉の同居恋愛もの。直木賞作家の長編恋愛小説をどこか80'sカルチャーを彷彿とさせるレトロでシャレオツなカラー作画でコミカライズ。

正直「一応押さえとくか」ぐらいでそんな期待してた作品ではなく(失礼)、この巻も「1〜2巻に続いてウダウダやるんだろう」とナメてかかってたんですけど(失礼)、恋愛のカタルシスで突然殴りかかってきたというか、いきなりハートを刺しにきた感じ。

「僕ヤバ」甘酸っぱくて最高ですが、青年誌の恋愛ものには「いとしのエリーかめぞん一刻か」という、少年誌とはまた違った良さがありますね。年上ヒロイン最高。

 

 

 

★★★★

なんかいっぱいあるんでここから勝手に見てください。

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定期記録。

 

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じゃあ、おわりです。

よければ、あなたが読んで面白かった漫画の話も聞かせてください。

 

 

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