現代、ただし頻繁に怪獣に襲来され「怪獣大国」となった日本。「防衛隊」が組織され、襲来の都度、怪獣を討伐することで社会が保たれていた。
かつての防衛隊志望に挫折した怪獣死体処理清掃業者・日比野カフカ(33♂)は、防衛隊志望の後輩に触発され再び入隊試験受験を決意するものの、いろいろあって人間サイズの怪獣に変身する体質となってしまう。
目撃情報から防衛隊に「怪獣8号」として指名手配されたまま、怪獣変身体質を隠したカフカの防衛隊入隊受験が始まった。
という、「SF」でいんだよねこれ。「バトル」もつけていいんかしら。
自分は特撮に関する造詣があまり深くないので、「怪獣」というと東宝の「ゴジラ」シリーズ、円谷の「ウルトラマン」シリーズが2大「怪獣もの」として頭に浮かびます。
いずれも怪獣は超巨大な体躯で、独り人間社会の都市部を蹂躙した後、大体において最終的に駆逐されます。
それらの怪獣は人間とのコミュニケーションが一部を除いて基本的に不可能で、闘争心はあるものの、人類に対し敵対の意図があるのかすら結構よくわかりません。
「なんか歩いた先に街があって、体がデカいので轢いちゃった」だけじゃねえのか、みたいなのもちょいちょい見かけます。
「物言わぬ破壊者」「群体でなく個体」が、私の従来の怪獣のイメージ。
上記は自分が勝手に思っていた怪獣のイメージなので、当然、創作される怪獣がそれに倣う必要はなく、現に本作に登場する怪獣、結構ベラベラ喋り、また明確に人類に悪意を持っているように見えます。
よく考えたら主人公が「ああ」なので不思議はないですし、ライバル的なポジションを想像するに予想されて然るべきでしたが、今巻などを読むと1話を読んだ時とずいぶんイメージ違ってきたなあ、と思います。
この予想の裏切られ方が私にとって吉と出るか凶と出るかはまだわからないんですが、「従来の怪獣もの」の概念から外れていく代わりに、「よくできたジャンプのバトル漫画」に寄っていきつつあるな、とも思います。
吉と出るやら、凶と出るやら。
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