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あ、今日読んだ漫画

#かげきしょうじょ!! 11巻 評論(ネタバレ注意)

AKB的なグループで総選挙13位ながら握手会でファンに「キモチワルイ」つって炎上、追放されるように卒業した元アイドル、無表情クールで人嫌いの愛。

すみれの花咲く頃、宝塚的な歌劇団に付属する養成機関・音楽学校への入学を果たし、そこで出会ったのは長身と強い体幹を持ち天然で天真爛漫で天才肌の少女・さらさ。

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「かげきしょうじょ!!」11巻より(斉木久美子/白泉社)

10代半ばで人生を自分の意思で歌劇に投じた"強い"女の子たちの、清く正しく美しく、熱くてシビアな楽しい青春。

前巻以来の、「オルフェウスとエウリュディケ」を題材とした課題に挑む本科生たち。

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「かげきしょうじょ!!」10巻より(斉木久美子/白泉社)

さらさの暴走、転向した男役で好評を博す愛、不可解というか難度の高い演出家・高木先生のレッスン。

と、楽しいんですけど、「オル×エウ」の授業や練習に終始してあっという間に本編終わり。

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「かげきしょうじょ!!」11巻より(斉木久美子/白泉社)

というか、基本的に本編、3話分しか入ってないんですよね、毎回。いいとこで終わったこともあって、やや読み足りない。

演劇もの・女優ものの作劇はヒロインのインプロヴィゼーションでなんとかしてしまうのが定番で、監督や演出家というのはヒロインの才能に惚れ込み畏怖し、それを引き出すためのモチベーターに近い(そして往々にしてヒロインの本番の演技に「恐ろしい子…!」って一番驚いてる)描かれ方が多いんですけど、ヒロインの演技を演出プランにカッチリ合わさせにくる支配的な演出家の描写というのは、漫画作品では珍しい気がしますね。

作中まだ演劇学校ということもあり、またリアルではそれが普通で、「支配的」というよりは演出家と俳優のイメージを本番までに一致させることがそもそも本来あるべき姿なんだと思いますが。

で、毎巻恒例の番外読み切り短編。今巻はさらさの異母姉・詩織編。

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「かげきしょうじょ!!」11巻より(斉木久美子/白泉社)

意図が読めない不可解なキャラでしたけど、この短編で心情が露になってグッと読者が感情移入できるキャラに。

男系・世襲の芸事の家に女に生まれた葛藤、異母妹・さらさへの思い。

主従が逆転してるというか、読み切り短編で完成度・読後の満足度が高いので、近刊はむしろ本編より番外編の方が楽しみになってきた感まである。

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「かげきしょうじょ!!」11巻より(斉木久美子/白泉社)

割りと淡々と話が進むんですけど、クライマックスに向けてギュッとアクセル踏み込んで一気にエモくなるんですよねえ。

言うまでもなくさらさは頑張ってるし、素直な性格で周囲への感謝も忘れない子ですけど、そのさらさが見えない、知らないところでも支えてくれた人がいたんだねえ。

 

 

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