
明浦路 司(あけうらじ つかさ)(26歳♂)は中学生でフィギュアスケートを始め、20歳を超えて初めてコーチに師事した遅咲きの選手だったものの、ソロから転向したアイスダンスで狭き門の日本選手権までたどり着いた。しかしその後はアイスショーのオーディションに落ちまくり実質フリーターの日々を過ごしていた。
選手を引退しコーチ業を営む元パートナーの高峰瞳(♀)から呼ばれアシスタントコーチとしての誘いを受けた日、高峰と司の元をある親子連れが訪れる。母親に連れてこられたのは、先日遭遇して縁があった、高い身体能力を持つ小学5年生の少女・結束(ゆいづか) いのりだった。

「メダリスト」4巻(つるまいかだ/講談社)
で始まるフィギュアスケートもの。
基本シリアス進行ながらこまめにコメディで空気を抜いてくれて、エモくて泣けるのと同時に読んでて楽しく、読みやすい。
3巻で時制が1年飛びまして、小学5年生でフィギュアスケートを始めたいのりも6年生に。
1年間で初級から5級に駆け上がり、同学年の憧れのスケーター・神嵜光と戦えるノービス大会の舞台に立てる、ジュニア年代の頂点・6級まであと1級。

「メダリスト」4巻(つるまいかだ/講談社)
「試合巻」ではないですが、昇級試験に向けた夏合宿、そして昇級試験まで。
6級昇級の課題は、幼少からフィギュアスケートを始めた多くの選手を振り落としてきた2回転アクセル。
いのりは夏合宿で2回転アクセルを習得できるのか、そして昇級試験の行方は。
という4巻。
絵が上手いのは別に1巻から分かってましたけど、今巻で司先生(大人)が本気で滑るシーンがほぼ初めて描かれて、ちょっと「えっ!?」ってなります。

「メダリスト」4巻(つるまいかだ/講談社)
子どものスケーティングでは使われないエフェクト技法が多用されてめちゃくちゃかっけー。
こんだけスケーティングシーンを描けるのに、早くシニア編で全力で描きたいだろうに、グッと我慢してじっくりジュニア編描いてんのね、この人。
5歳から始めた選手たちを、小学5年生から始めて1年間でごぼう抜きにしていったいのり。
1巻の頃の、劣等感に苛まれて泣いていた可哀想な子どもだったいのりは、正直読んでる方もしんどかったですけど、物語上の必然だったとは言え描いてる作者が一番しんどかっただろうし、その分、愛着もあっただろうな、と思います。

「メダリスト」4巻(つるまいかだ/講談社)
この回想コマの置きどころが絶妙よね。こんなん泣くわ。
いのり本人の過去の自分に対する感傷は、同時に「もうあんないのりを描くことはないんだ」という作者の感傷かもしんないですね。
小学生編はまだ続きますけど、いのりが過去の自分を乗り越えて光と同じ舞台にたどり着いたこの巻は実質「第一部 完」つってもいいのかもしんない。

「メダリスト」4巻(つるまいかだ/講談社)

「メダリスト」4巻(つるまいかだ/講談社)
いよいよ、と楽しみなんですけど、フィギュアスケートはリアルも漫画も、「ジャンプの着地で転びませんように><;;;」ってハラハラさせられっぱなしで心臓に悪いわ。
あー続きを早くまとめて30巻ぐらい読みたい。早よ描いてちょ。
aqm.hatenablog.jp