明浦路 司(あけうらじ つかさ)(26歳♂)は中学生でフィギュアスケートを始め、20歳を超えて初めてコーチに師事した遅咲きの選手だったものの、ソロから転向したアイスダンスで狭き門の日本選手権までたどり着いた。しかしその後はアイスショーのオーディションに落ちまくり実質フリーターの日々を過ごしていた。
選手を引退しコーチ業を営む元パートナーの高峰瞳(♀)から呼ばれアシスタントコーチとしての誘いを受けた日、高峰と司の元をある親子連れが訪れる。母親に連れてこられたのは、先日遭遇して縁があった、高い身体能力を持つ小学5年生の少女・結束(ゆいづか) いのりだった。
で始まるフィギュアスケートもの。
2巻で初試合を初優勝、3巻では級を上げて西日本大会へ。
将来、全日本選手権や五輪代表を争うことにになるであろうライバルたちが次々登場。
小さなアクシデントと大きなアクシデントの後、時制が飛んで1年後へ。
1巻で発火して2巻で爆発、いのりも母親も司も雨降って地固まって、腹を括ってオリンピック目指して一直線。スポーツものとしてノリノリで燃え盛る3巻。
子どもの低級位の大会で、命がかかってるわけでもオリンピックがかかってるわけでもまだないんですけど、「だから負けていい」なんて奴はスポーツ漫画の主人公にならんわね。特にいのりはフィギュアスケートにアイデンティティ全賭けしてるし。
フィギュアスケートを題材にした漫画は他にもありますけど、「5歳が競技開始の適齢期」「20代前半には引退」など早熟で「人生(前半生)賭けてる」の度合いが非常に重く、家族の負担も大きく、いのりに限らずこの作品に限らず「プロになる or ナッシング」になりがちで、本当に人生かかってて総じて重いんですよね。
今巻で将来のライバルになりそうな女の子たちが複数登場しましたけど、この中でオリンピックに行けるのは、いのりと光を除くと、多くてあと1人ぐらい?
五輪に出場する年代(10代後半)までに何人、選手として生き残っているのか…
という重たい題材ですけど、重さをエモさで支えつつも、ギャグコメ要素で楽しく読めるようにしてくれてるの、読んでてありがたいなと思います。
正直、1巻で劣等感に苛まれて泣いていた女の子が、小学生にしてこんなに堂々と力強く自分の人生と戦っていて、極端な話もう続きを読まなくても満足なぐらい感無量なんですけど。
いや読むけどね。
aqm.hatenablog.jp