西尾維新の原作を大暮維人がコミカライズして週刊少年マガジンに掲載の鉄板漫画。キャラデザVOFAN準拠。こんなに美麗な絵でコミカライズされると原作冥利に尽きるでしょうね。ちなみに自分は原作とアニメを消化済み。
順番を入れ替えて、羽川の猫のエピソードの前に「こよみヴァンプ」・傷物語。
化物語シリーズの原作小説は、近刊はちょっと追えてないんですけど、20冊ぐらいは所蔵してて読破済みなんですが、なにしろ冊数が多いのでなかなか再読していないです。最後に読んだのは何年前だろうか。特にアニメで同じ話が観れちゃうってのもあるんですけど。
このコミカライズの今巻の原作「傷物語」も読んだのはだいぶ昔で、あんまりもう憶えてなくて、劇場版三部作も第一作は観に行ったんですけど、バタバタしてた時期でそれっきりになってました。
要するに、あらすじはぼんやり憶えてるけど、細部は忘れてる状態でした。
巻の前半で「こよみヴァンプ(傷物語)」が完結、後半は「つばさキャット(化物語 05)」に。
原作小説は書き下ろしですが、巻数が多く刊行中に後付けで追加された設定・伏線も多く、連載作品のようなライブ感があってそれはそれで乙なもんなんですけど、このコミカライズは20冊以上にわたる原作の行く末を踏まえた上で頭から描かれているので、「原作の後付け設定」をスムーズに初期エピソードに組み込んだり、エピソードの接続がスムーズになるように順番を入れ替えていたりして、ただ原作通りにコミカライズしてるだけの作品ではありません。
書き下ろしの小説にはライブ感があって、連載の漫画には先々まで見通した完成度があるという、逆転現象が起こってて面白いね。
ネタバレですが、「傷」に「鬼」が吸収されて生死郎が既に登場していたり、「化 05」が「傷」の後に回っていたり、構成の「再構築」のようなものが行われていて、美麗なビジュアルに目が奪われがちですが、作劇も原作既読勢にとっても非常に付加価値が高いコミカライズです。
追加のコメディシーンも楽しいです。
さて「化 05」ですが、アニメ1期の最終エピソードでもあり、ここまでがコミカライズされるのはある程度既定路線なんですが、その後「偽」にいくんでしょうかどうなんでしょうか。
大暮維人は残りのキャリアを、オリジナル作品を描くのか、「化物語」シリーズに捧げるのか。「化 05」まで消化して原作小説2冊分ですが、原作自体はその後20冊以上?残っています。
個人的には両方読みたいので、大暮維人が2人いればいいのに、と思います。
大暮維人のキャリアといえば、自分の在住地がバレますが、12月から宮崎市で「大暮維人展」が開かれるそうです。
「なんで宮崎で?」と思ったら、Wikipediaを見たところ、どうやら宮崎県のご出身なんだとか。
ja.wikipedia.org
せっかく近所で開催されるので、行ってみようと思います。
「会場内撮影可」とのことなので、可能であればレポートなども記事にできれば。
aqm.hatenablog.jp