

警視庁警備部警護課でSPとして定年まで勤め上げ退職した平賀雷蔵(65)。
孫の医療費のために大金を求めて、武道高段者・月給100万の求人チラシに魅かれて再就職した先は政府の外郭団体の裏組織、仕事の中身は女子小学生アサシン・美晴(11)とコンビを組んでの殺し屋稼業だった、というジジロリ・アクション・ハードボイルド。

「CANDY&CIGARETTE」11巻より(井上智徳/講談社)
ヒロインが可愛い子なんですけど掲載が青年誌別冊ということもあって、小学生にして敵をバンバン撃ち殺しグサグサ刺し殺し「あ、これアニメ化できないやつ…」ってなる。デュナンや素子やレヴィですらこんなに殺してねえw あとパンツ見えすぎ。
ちょっとびっくりしたんですけど、今巻で完結です。

「CANDY&CIGARETTE」11巻より(井上智徳/講談社)
自分から見て「上手くいってる作品」に見えていて、描けば描いただけ面白い作品だなと思ってなので、このエピソードで完結するとあんまり思ってませんでした。
オーバーだけど、「007」が完全に完結してもう続編が作られなくなる、的に、「えっ!?」ってなった。
恐慌で世界を操り支配下に置こうとする黒幕ファルコーネの一手、アメリカ大統領選挙に傀儡を当選させることを阻止するべく、SS機構の最後のミッションは大統領候補の暗殺となった。

「CANDY&CIGARETTE」11巻より(井上智徳/講談社)
ファルコーネとの暗闘の結末、入り組んだ愛憎と因縁の出口、そして美晴と雷蔵の生死は…
正直、もっと尺とってじっくり描かれる予定だったんじゃないかな、という、ちょっとバタバタっとした印象は受けます。
一部ご都合主義、全体的に駆け足気味ながら消化するべきエピソードはちゃんと消化されているので、打ち切りというよりは、11巻に収まるようにちょっと無理をした、ぐらいの感じ。

「CANDY&CIGARETTE」11巻より(井上智徳/講談社)
直感的に「次に早く描きたい作品のアイデアが浮かんじゃった」っぽい印象も受けます。
ラスト、エンディングはねえ。賛否両論というか好みの問題かなという気がします。ハッピーエンドと、ビターエンドのどっちが良かったか、って話ね。
良い悪いというより好みの問題だろうなあ。「名作になるよりこの作品らしさを選んだ」という気もします。

「CANDY&CIGARETTE」11巻より(井上智徳/講談社)
エピローグ、正直もう少し尺を長く読みたかったですけど、この作品らしいクールさというかドライさだったような気もしますね。
作品通してとても楽しく読ませていただきました。キュートな暗殺者とタフなジジイのコンビをもっと見ていたかったのでそこは寂しいですけど、次回作もとても楽しみしています。
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