#AQM

I oppose and protest the Russian invasion of Ukraine.

#怪獣8号 5巻 評論(ネタバレ注意)

現代、ただし頻繁に怪獣に襲来され「怪獣大国」となった日本。「防衛隊」が組織され、襲来の都度、怪獣を討伐することで社会が保たれていた。

かつての防衛隊志望に挫折した怪獣死体処理清掃業者・日比野カフカ(33♂)は、防衛隊志望の後輩に触発され再び入隊試験受験を決意するものの、いろいろあって人間サイズの怪獣に変身する体質となってしまう。

目撃情報から防衛隊に「怪獣8号」として指名手配されたまま、怪獣変身体質を隠したカフカの防衛隊入隊受験が始まった。

という、「SF」でいんだよねこれ。「バトル」もつけていいんかしら。という王道変身ヒーローもの。

f:id:AQM:20211203132801p:plain

「怪獣8号」5巻より(松本直也/集英社)

「正体を隠した変身ヒーローもの」の魚でいったら「大トロ」と言っていい一番美味しい展開の「仲間たちに正体バレ」のカードを4巻で早くも切ってしまいました。

怪獣との戦闘中、仲間のために正体を現して「怪獣8号」の姿で戦ってしまったカフカは、味方で有るはずの防衛隊に拘束され、処分が検討される事態に。

一方、立川基地の崩壊で暫定的に隊員の配置が他の各隊に割り振られることととなった第3部隊。ヒロイン・キコルが配置されたのは防衛隊の最精鋭たる第1部隊。部隊を率いる最強戦力の鳴海の能力と為人とは…

展開も敵の怪獣が人間サイズで人型で人語を喋るようになってきて、怪獣ものというよりはジャンプによくある凡百のバトル漫画の土俵に降りてしまって、正直ちょっと飽きてき始めたところだったんですが、新展開と新キャラ・鳴海でちょっとテコ入って楽しく読めました。

バトル描写的にも「怪獣だけど人型」なんですけど、右フックからそのまま自分の脊椎をへし折りながらもう一回転して二連撃と、

f:id:AQM:20211203132738p:plain

「怪獣8号」5巻より(松本直也/集英社)

人体には不可能な戦技が織り込まれて、「まだ終わらんよ!」と気合入ってますね。

この手の「人体には不可能なバトルスキル」、大好物なんでガンガンやって欲しい。

新キャラ・鳴海はネットのお前らが性格そのままに戦闘能力だけ最強になっちゃった系ですけど、誌面にいるだけで面白くなっちゃうパーソナリティと戦闘時の強さのギャップで人気出そうね。

f:id:AQM:20211203132820p:plain

「怪獣8号」5巻より(松本直也/集英社)

多くの史実やフィクションで「天才」と「変人」がセットで描かれたことで、読む方ももう「どこか変人じゃないと天才に見えない病」みたいになっちゃってるとこありますけど、あんま主人公以外のキャラの「強さの理由」を求めない作品であることもあって、鳴海は「変人」か「究極の凡人」か、なかなか判断つかない絶妙のセン突いてきたなw

f:id:AQM:20211203132840p:plain

「怪獣8号」5巻より(松本直也/集英社)

さっき読んだ「魔都精兵のスレイブ」といい、ジャンプ系作品は新キャラにいきなり愛着持たせる手管がこなれてて上手いよね。弱めだったギャグコメ枠とイケメン強キャラ枠を1人でこなして、こんなんまんまと好きになっちゃいますやん。

バトルはかっこよく、不可欠なキャラ人気もコメディ要素も補強されて、どんどん「ジャンプバトル漫画」としてのクオリティは上がってきて、遠からず「一番面白いジャンプバトル漫画」を争うようになるのかもしれんね。

f:id:AQM:20211203132902p:plain

「怪獣8号」5巻より(松本直也/集英社)

連載初期からの読者で「ジャンプで見たことのない漫画」に期待した人もいたかとは思うんですけど、まあそれはそれとして。

長く続いてナンボのジャンルで、言うてもまだ5巻ですし。

 

aqm.hatenablog.jp

aqm.hatenablog.jp