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#バーナード嬢曰く。 6巻 評論(ネタバレ注意)

読書するのはめんどくさいが読書家を気取りたい一心で、読んだことにするふりに腐心する女子高生・町田さわ子、自称「バーナード嬢」と、その友人たちの読書語り。

読書あるあるネタ、読書家の自意識、SF好きの友人・神林しおりとの無自覚な微百合ネタなど。

ニッチなネタながらアニメ化もされ、いつの間にか作者・施川ユウキの代表作みたいな扱いに。

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「バーナード嬢曰く。」6巻より(施川ユウキ/一迅社)

テーマがテーマだけに「この漫画が好き」であること自体、読書通でインテリ気取れるアイテムになっているメタな面も。

初期には「読まずに語るいい加減なさわ子」を「グーパンで殴って修正する読書原理主義に尖った神林」みたいな読書家プロレス的なやりとりがあったんですけど、気がつけば「割りとちゃんと読書するようになったさわ子」と「丸く穏やかになった神林」みたいな感じに。

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「バーナード嬢曰く。」6巻より(施川ユウキ/一迅社)

他、長谷川さんと遠藤くんを含め、読書に対するスタンスが少しずつ違う二律背反を体現した4人が4人とも作者の脳内に住んでんだよな、と思うと奇異に思うより「わかるわかるー」ってなりますよね。

という読書家あるあるコメディ。

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「バーナード嬢曰く。」6巻より(施川ユウキ/一迅社)

さわ子と神林の対立というかボケとツッコミがギャグコメとしてのソリッドさを担保していたのが、近刊では対話を通じて互いの共通点と相違点を語り合って、固形というより水のような読み味に。

ギャグコメとしては以前の方がパンチが効いてた気がしますが、近刊の理屈くさいのにふんわりした優しいオチの方が、不思議と好ましく感じます。

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「バーナード嬢曰く。」6巻より(施川ユウキ/一迅社)

本を読んで語り合ってるだけなんですけど、なんか、青春だなって。

 

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