

熊狙いのライフル持ち*1女性猟師・チアキ(31)に密着取材を申し込むフリーライター・伊藤。2人は熊を求めて日々、北海道の山中に入る。
伊藤が取材を始めて最初の猟期が終わり、一旦シーズンブレイク。チアキを取材した伊藤の著書が出版され、それに伴ってチアキ自身もメディアに取材されたりもありつつ、二度目の猟期に。

「クマ撃ちの女」7巻より(安島薮太/新潮社)
メディアに取り上げられたチアキに対する嫉視で?巻狩りで邪険に扱うベテラン猟師たちなど。
ここまでで猟師として経験を積んで成長しつつあるチアキ・伊藤と視点が同化した読者から見ると、「ざまぁ」的な俗っぽい「なろう」展開で、まあ楽しいんですけど。
チアキの師匠筋の初老の猟師以外、中堅〜若手の猟師は割りと俗っぽく描かれていて、猟のリアル・猟師のリアルを読者に感じさせようという作品なのかな、と思います。
普段交流のない男性猟師たちと一緒に巻狩りに駆り出されたチアキと伊藤。猟師たちは女だてらにクマ撃ち専門のチアキの腕前に懐疑的だが…という前巻の続きから。

「クマ撃ちの女」7巻より(安島薮太/新潮社)
なろう小説かよってぐらいチアキ無双なんですけど、この漫画は主人公が絶好調のときほど次のダークでデンジャラスな展開の前フリみたいなとこあるので、逆に読んでて警戒感が高まるわw
からの、という後半。
猟師界隈もご多分に漏れず高齢化と後継者不足と聞きます。

「クマ撃ちの女」7巻より(安島薮太/新潮社)
作者が「ソロでクマを撃つ若い女」という嘘を放り込んだこの作品を描く動機は、「ウケそうだ」以外にもそうした業界の憂いを知らしめたいという意図が多かれ少なかれあると思うんですけど、業界を憂う反面、この漫画読んでミーハーな気分で「自分もクマ撃ち始めました!」みたいなの絶対イヤだと思うんですよね。
なので警告の意味でもエクスキューズの意味でも、こうしたキツい展開・描写はこの漫画からなくせないだろうな、と思います。

「クマ撃ちの女」7巻より(安島薮太/新潮社)
「何があったらこの漫画が完結するのか」「ラストをどう持っていくのか」を想像すると、ハッピーエンド、ビターエンド、バッドエンド、日々は続いていくエンド、何パターンか思いつきますけど、仮に「チアキがもうクマ撃ちをしなくなる」展開をラストに持ってくるとしたら、「クライマックスで何が起こったらチアキがクマ撃ちをしなくなるか」を考えると割りと暗澹としてしまいますね。

「クマ撃ちの女」7巻より(安島薮太/新潮社)
誌面に描かれている限りでは、いろんな意味でクマ撃つ以外なんもねーもんな、この人。
たぶん始めた時からラストはある程度決まっているとは思うんですけど。
aqm.hatenablog.jp
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