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#地球から来たエイリアン 2巻 評論(ネタバレ注意)

西暦2220年。

人類は超高速(宇宙)航法技術を手に入れ、各国は大航海時代の欧州列強のように宇宙に進出し入植可能な惑星を探査・開発していて、日本もその例外ではなかった。

惑星開発省 生物管理局の新人職員・朝野みどりは、日本が管理する惑星「瑞穂」に配属され、未知の生き物との出会いに目を輝かせていた。

しかし、彼女が最初に携わった仕事は、

ぬいぐるみのようにキュートな見た目を持ちながら人類に害を為す性質を持つ原生生物・プクルを、防疫上の観点から絶滅させることだった…

という、未来で宇宙なSFもの。

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「地球から来たエイリアン」2巻より(有馬慎太郎/講談社)

作品タイトル「地球から来たエイリアン」は地球人類の日本人を指します。

借りものではなく、作者が世界観設定を創るタイプの作品で、「ヘテロゲニア リンギスティコ」が「文化人類学・言語学・民俗学ファンタジー」だとしたら、この作品は「生物学・疫学・環境倫理学SF」と呼ぶのに相応しい作品。

欠員の補充のために支部に配属されたみどりだったが、そのみどりの活躍により欠員した職員が復帰。みどりの支部内での配属は宙に浮いてしまう。

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「地球から来たエイリアン」2巻より(有馬慎太郎/講談社)

深谷支部長はみどりを当面、各部課に転々と短期配属し以てOJT研修とすることを発案する。かくして研修配属の順番を巡って、全課長が招集された…

ということで、生物管理局 第4支部(惑星「瑞穂」を担当)の各部署で1〜2エピソードずつOJT研修する展開に。

・調査2課 惑星「瑞穂」の生物を研究所内で観察・分析 今回は生きながら腐っていく生物の生態分析

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「地球から来たエイリアン」2巻より(有馬慎太郎/講談社)

・広報課 惑星「瑞穂」の生態研究の成果を人類社会にアピール 新種生物の尿を飲めと強要される

・畜産2課 人類に益する希少生物の探査 原発爆発事故の放射能汚染現場で新種探索

・畜産1課 人類に益する生物の飼育・収穫 人類と共存共栄するためのエコシステムのために生物を殺せるか

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「地球から来たエイリアン」2巻より(有馬慎太郎/講談社)

1巻で広げた風呂敷を少しキュッと軽く畳んで整えた感じで、生物管理局のお仕事の日常がより具体的に描写されます。

相変わらずコミカルな進行ではありますけど、生物「トキジク」の悲しく美しい生態の謎明かしなど、ちょっとしたミステリ要素も。

課長が一同に会するシーンが「幻影旅団集合」みたいなっててちょっとウケるw

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「地球から来たエイリアン」2巻より(有馬慎太郎/講談社)

前巻で「レベルE」の名前を出しましたけど、今巻はちょっと「もやしもん」っぽくもありますね。好奇心が満たされつつ、ヒロインが先車から渡された鍵の形も徐々に明らかに。

SF生物学お仕事もの、という感じで楽しい作品。

 

 

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