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#ハコヅメ~交番女子の逆襲~ 20巻 評論(ネタバレ注意)

架空の自治体、岡島県・町山市が舞台、岡島県警 町山警察署 町山交番に配属された新人女性警察官・川合麻依と、彼女を取り巻く町山警察署の先輩・上司の警察官たちが織りなす、警察官お仕事漫画。

元警察官が描き、「パトレイバー」「踊る大捜査線」の香りのするギャグコメディに溢れた日常要素と、生々しくダークネスな事件や人間の側面が同居する奇妙な作品。

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「ハコヅメ~交番女子の逆襲~」20巻より(泰三子/講談社)

今一番面白い漫画の一つじゃないかなと思います。自分は好きすぎて連載の有料のWEB掲載を毎話、毎週木曜日0時に即読みしてます。「現役漫画家で天才を3人挙げろ」と言われたら、自分は1人はこの人を挙げます。

「ファブル」「かぐや様」と並んで、自分が毎週更新日の連載最新話(有料)を首を長くして楽しみにしている数少ない作品。

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「ハコヅメ~交番女子の逆襲~」20巻より(泰三子/講談社)

休載もほとんどなく、内容も「当たり」しか出ないクジを引いているようなもので、「いつも載っててずっと面白い」という意味で単調な作品であると言えるかもしれません。

今巻は1巻まるごと、ほぼシリアス巻。連続エピソード「伊賀崎警部補の胸襟」①〜⑩。

日常コメディ展開が基本の本作に暗くシリアスな影を落とす、過去の「奥岡島事件」の、その続きのエピソード。

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「ハコヅメ~交番女子の逆襲~」20巻より(泰三子/講談社)

岡島県警の特に暴対・公安まわりと反社の暗闘は本作途中から通底するもう一つのテーマで、キーマンだった虎松譲二の死をきっかけに、偶発的な事態も重なり、今巻で一気に噴出。

非常にスリリングな展開・描写で進行し、主人公ヒロインたちいつもの面子もこれに大いに巻き込まれます。

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「ハコヅメ~交番女子の逆襲~」20巻より(泰三子/講談社)

わー。まるで警察もののドラマみたい。

作者から読者へのせめてもの情けなのか、事件そのものは一応本巻内で決着するのが救いっちゃ救い。次巻は事後処理、エピローグ的なエピソードが続きます。

源や河合の「陽の主人公」の活躍に対する、タイトルロールの伊賀崎警部補の本編と回想での「隠の主人公」としての活躍ぶりのギャップも、かっこいいというか、なんというか、凄惨すぎてちょっと憧れるとかそういうアレじゃないですねコレ。

連載リアルタイムの間は「なぜこの人がタイトルロールなんだろう」「いつ活躍するんだろう」と思いながら読んでたんですけど、まさか始まる前にほとんど終わっていたとは。

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「ハコヅメ~交番女子の逆襲~」20巻より(泰三子/講談社)

20巻の大台到達ですけど、衰えるどころか新しい巻ほど冴え渡っていきますね。

あー、「ハコヅメ」おんもしれー。

 

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