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#2.5次元の誘惑 15巻 評論(ネタバレ注意)

先輩たちが卒業し、高校の一人漫画研究部として日々部室で二次オタ活動に勤しむ奥村(高2♂)。

学校が新入生を迎えたある日、漫画研究部のドアを叩く一人の新入生がいた。奥村と同じく古の名作「アシュフォード戦記」「リリエル外伝」とそのヒロイン「リリエル」をこよなく愛する彼女・天乃リリサは、キャラ愛が高じて高校生になったらコスプレイヤーになることを夢見ていた。

『2.5次元の誘惑』15巻より(橋本悠/集英社)

四天王の上に女王様がいるんかな。

というボーイミーツガールから始まるコスプレ青春もの。それぞれの葛藤を乗り越え界隈を騒がすコスプレチームとなり、四天王と呼ばれる頂点のコスプレイヤーたちにも認知されるように。

コスプレデビュー、夏コミ、冬コミ、文化祭、と怒涛の一年が過ぎ年度が改まりまして、各自進級、まり姉は卒業して常駐OBに。

新学年ということで学園もの恒例のお楽しみ、新一年生の新キャラ登場。

『2.5次元の誘惑』15巻より(橋本悠/集英社)

オタク度が濃すぎて新一年生たちに敬遠される漫画研究部(兼コスプレ部)の扉を叩いたのは、特進クラスのハイスペお嬢様・華 翼貴(はな つばき)だった。

遺伝と環境に恵まれ勉強もスポーツも趣味も達者にこなす彼女は、しかしそれ故に情熱の捧げどころを見つけられずにいた。

漫画アニメに夢中になる奥村の姿を見かけ、「オタクになりたい」と志望してオタ部の扉を叩いたのだった…

『2.5次元の誘惑』15巻より(橋本悠/集英社)

度々「オタク論」を擦ってきた作品で、今回のエピソードも新キャラの彼女の視点で「オタク論」を別の切り口から。

まあ、なろうと思ってなるもんじゃなくて気づいたらなってんのがオタク、と大半の読者は知ってはいるわけなんですが、彼女の思春期らしい煩悶を糸口に「生産と消費」「二次創作の生産性」など再び興味深くオタク論が擦られます。

というテーマを持ちつつ、持ち味のオタクパロディネタをマシンガンのように吐き出しながら楽しく高クオリティかつハイテンポに、初心者女子がイベントでコスプレデビューするところまで一気に。

『2.5次元の誘惑』15巻より(橋本悠/集英社)

初期と比べると個性の強いキャラもだいぶ増えて、キャラが被らない新キャラ入れるの大変だろうなと思ってたんですけど、シリアス面でもコメディ面でも古株に劣らない、ゴージャスにビューティフルで強力な新キャラねじ込んできました。

漫画の満足度とか評価とか点数とか、自分の場合満足度の高い「完結が描かれた巻」を高く評価しがちで、作品完結を待たずとも「エピソード完結を迎えた巻」に良い評価をつけたくなりがちで、そういう意味で今巻は翼貴のエピソードとしては「話の途中」の「前フリ巻」で、クライマックスやエンディングを迎えるエピソード完結は次巻以降に持ち越しなんですけど、

『2.5次元の誘惑』15巻より(橋本悠/集英社)

なんですけど、こんだけエンタメ性の密度高く描かれると読んでるこっちも話の途中でもすんげー満足度高いもんですね。

こういうの「構成力」と言っていいのかちょっとわかんないんですけど、とにかく楽しそうに漫画描くわ、この作者。

巻末描き下ろしのおまけ漫画には、本編で予告されていた「翼貴の採寸シーン詳細」を収録。

『2.5次元の誘惑』15巻より(橋本悠/集英社)

どすけべのど変態だわ、この作者。

 

 

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