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#ハコヅメ~交番女子の逆襲~ 22巻 評論(ネタバレ注意)

架空の自治体、岡島県・町山市が舞台、岡島県警 町山警察署 町山交番に配属された新人女性警察官・川合麻依と、彼女を取り巻く町山警察署の先輩・上司の警察官たちが織りなす、警察官お仕事漫画。

元警察官が描き、「パトレイバー」「踊る大捜査線」の香りのするギャグコメディに溢れた日常要素と、生々しくダークネスな事件や人間の側面が同居する奇妙な作品。

『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』22巻より(泰三子/講談社)

今一番面白い漫画の一つじゃないかなと思います。自分は好きすぎて連載の有料のWEB掲載を毎話、毎週木曜日0時に即読みしてます。してました。「現役漫画家で天才を3人挙げろ」と言われたら、自分は1人はこの人を挙げます。

メディア上で「第一部 完結」が宣言され、前巻の21巻が発売されている時点で連載は既に終了しています。

comic-days.com

次回作は同じくモーニング誌上で時代劇とのこと。たぶん幕末もの。

ということで、『ハコヅメ』は一旦、次巻か次々巻で一旦終了。

『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』22巻より(泰三子/講談社)

ムカつく顔やなw

巻末のアオリでは

「ラストアタック(ロングシリーズ)前、今巻が最後の休憩所です!」

とのこと。

というわけで、アオリのとおり日常回の巻。

シリアス要素とコメディ要素が霜降り肉のように入り組んだ展開で読み味の振り幅が大きい作品で、近年ヒットして面白い漫画の特徴とも言えますが、茶化しちゃいけないところで茶化さないバランス感覚の強い作家。

『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』22巻より(泰三子/講談社)

その分、センシティブなテーマを扱うことの多いロングシリーズではシリアス要素の比重が重くなり、比例するように読み味も重くなります。

「今巻が最後の休憩所」とのことで、明るく楽しいコメディの『ハコヅメ』はある意味読み収めの巻。

「キャラ萌え」よりも「関係性萌え」の作品の本領を遺憾なく発揮。

『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』22巻より(泰三子/講談社)

警察庁から出向してきたエリート中のエリート、クールな本部長がチャーミングで、出てくると「当たり回」になりやすいですね。自分が好きなだけかな。

大人気の長期連載ながら煮詰まり・マンネリ・ネタ切れなどを起こした際に、『スラムダンク』『チェンソーマン』など、「第一部 完」は力づくの勝ち逃げというか、読み足りなかったり伏線回収しないと納得しなかったりの読者は「他に描きたいことができたけど、この作品は私のライフワークなんです」と言われると納得せざるを得ず、評価を下げずにバッファを持たせる上手いやり方。

『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』22巻より(泰三子/講談社)

『ハコヅメ』第二部が警察ものになるのは当たり前なので、「またこの人、警察ものかよ」って言われなくて済みますし。

第二部開始とともに時制が数年飛んだり、作品のカラーがガラッと変わったり、なんだったら主人公が変わってしまったりと、どうやって意表をついてくるのか今から楽しみですね。

って、まだ完結巻じゃないですが。秋冬に始まると予告されていた(ような気がする)新作がまだお目見えしていないのも、ちょっと心配ですが。

 

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