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#逃げ上手の若君 8巻 評論(ネタバレ注意)

「魔人探偵脳噛ネウロ」「暗殺教室」の松井優征の新作は、鎌倉時代末期〜南北朝時代〜室町時代初期を舞台にした歴史物。設定・登場人物は史実ベース。

鎌倉幕府のトップ・執権として世襲で地位を継いできた北条氏の嫡子の少年・北条時行。しかし、幕府と敵対する後醍醐天皇側に寝返った足利高氏(尊氏)により、鎌倉幕府は滅ぼされてしまう。

『逃げ上手の若君』8巻より(松井優征/集英社)

北条氏の滅亡により大切なものを全て奪われた時行は、信濃国の国守にして神官の諏訪家を頼りに落ち延び、足利への復讐を誓う。

という伝記もの。シリアスに史実を追いつつも、演出としてギャグコメディ色も強い作品。

主人公・時行の持ち味は強い生存本能に基づく逃げの天才。

『逃げ上手の若君』8巻より(松井優征/集英社)

1335年3月、信濃動乱を経て、時行が歴史にその名を轟かしWikipediaに載るレベルの「中先代の乱」。「為に作品が始まったエピソード」、時行の人生のハイライトの一つ。

今巻はその緒戦、信濃国での諏訪一党による挙兵、因縁の中ボス、地頭・平野将監入道、国司・清原信濃守との決着、そして遂に北条時行としての名乗りまで。

『逃げ上手の若君』8巻より(松井優征/集英社)

主人公の「逃げ上手」要素は戦闘から身の振り方まで複数ありますが、その一つだった「北条時行としての正体を隠す」がようやくこの巻で終わり。

長かったですが、ここからようやく史実に載るレベルの快進撃ならぬ怪進撃、「鎌倉奪還」の開始。

『逃げ上手の若君』8巻より(松井優征/集英社)

これまで隠密めいた暗躍や、味方のサポートが中心のエピソードでしたが、ここからは主人公始め主要キャラを中心にしたバトルシーンによる大戦(おおいくさ)展開。

併せて、今巻も大活躍だった重要キャラの死も刻々と近づいています。

信濃平定を一冊で描き切りましたが、「中先代の乱」は何冊かける感じかしらん。

ジャンプ本誌に連載する漫画としては作品寿命の頓死もあり得るかなりリスキーなテーマですが、

『逃げ上手の若君』8巻より(松井優征/集英社)

史実をベースに面白おかしく少年漫画化しながらよくここまで辿り着いたと思いつつ、ここからが見せ場の本番だけに、更に気を抜けないなあ、という。

ここから先の「時行のあらすじ」はWikipediaにすら割りと詳しく載ってるレベルですが、どう独自要素を入れてくるか楽しみですね。

 

 

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