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#マリッジトキシン 3巻 評論(ネタバレ注意)

高名な暗殺稼業の名家の嫡男、下呂ヒカル。

一流の「毒使い」として活躍するものの、生育・生活環境から非モテまっしぐらで人並みの幸福は諦めているものの、家からは後継者作り・結婚を急かされ、ついに妹の人生が「家の犠牲」にされかけたの機に婚活を決意。

『マリッジトキシン』3巻より(静脈/依田瑞稀/集英社)

暗殺ターゲットだった凄腕の結婚詐欺師の女に請うて「婚活アドバイザー」になってもらい、かくて彼女を相棒に暗殺者の婚活が始まった…

という、暗殺バトルラブコメ。でいいのかなジャンル。

「毒使い暗殺者」「応援ガールラブコメ」「可愛い男の娘(もしくは女装男子)ヒロイン」の変化球に、時勢を反映した婚活がテーマ、キャラデザも高身長・黒髪・無愛想クール・デキるイケメン・ついでにメガネと、流川とか伏黒とかアキくんとかイケメンキャラの王道の系譜だったりと、「ツボというか定番性癖おさえてんなー」という今時のジャンプ作品マーケティングの優等生、という感じ。

『マリッジトキシン』3巻より(静脈/依田瑞稀/集英社)

本作は主人公の能力は「毒殺」ながら、少年漫画らしいバトルに持ち込みやすいしかけも。暗殺者ながらいわゆる「悪人しか殺さない」少年漫画タイプ。

暗殺と二足のわらじ、というより一石二鳥狙いの婚活方面で相棒になるメインヒロインですけど、男の娘(もしくは女装男子)。

『マリッジトキシン』3巻より(静脈/依田瑞稀/集英社)

エピソードごとに依頼主や護衛対象のゲストヒロインが替わって(増えて)いく『シティハンター』方式、でいいのかなコレ。

通常進行では攻略対象にならない「香役」が男の娘ヒロインで、「当たりヒロイン」を引くまで繰り返しガチャできるお得なシステム。

エピソード「依頼人・嬉野編(もしくはvs音使い編)」が今巻で完結、ショートエピソード「蟲使いの結婚式」を挟んで「殺し屋狩り編」に。

『マリッジトキシン』3巻より(静脈/依田瑞稀/集英社)

暗殺者版の『黒子のバスケ』というか『テニスの王子様』というか、暗殺者バトルというよりジャンプ異能力バトルで、とりあえず「子どもは牙突やアバン・ストラッシュみたいには真似できねえな」と思う反面、「テーマが婚活の時点であんま子ども向けでもねえんだよな」という。

だからといって「大人向けのリアル路線」でもないんだよな。割りと不思議な漫画。

一子相伝の殺し屋の家系の「兄殺し」や「宗家と分家」など、ちょっと『修羅の門』を思い出す描写も。あっちは武術の家系ですけど、まあモチーフが似てるしね。

ストーリーは警護対象の気弱な女子大生・嬉野が、一連の騒動を経てタフに成長するお話で、「人間としての強さや成長」の描写が嬉野にこそ割かれているのが良いですよね。

この人が描く女の子、可愛いよね。

『マリッジトキシン』3巻より(静脈/依田瑞稀/集英社)

なんつーかあの、エピソード完結してエピソードヒロイン・嬉野とのしばしの別れが訪れて、脳内で自然と『GET WILD』のイントロが流れてしまうw

 

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