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あ、今日読んだ漫画

#それでも歩は寄せてくる 14巻 評論(ネタバレ注意)

2人しかいない将棋部の、おさげデコ部長・八乙女うるし(高2♀)と、好き丸出しのくせに頑として認めない無表情部員・田中歩(高1♂)の、告白前の高校生男女が好き丸出しで部室で将棋指しながら甘酸っぱくイチャイチャしてる、可愛いは正義のショートラブコメ。

歩は一応、将棋でうるしに勝ったら告白しようと思ってるみたいです。

『それでも歩は寄せてくる』14巻より(山本崇一朗/講談社)

マスターランクの絵力(えぢから)とシンプルで力強いセリフ力(せりふぢから)を活かした、ラブコメの王道、正攻法。

日常ラブコメですけど時間が流れる系で、うるしが3年生に、歩が2年生に。歩に中学時代以来の片想いをする新1年生の後輩ちゃんも入部。

仲間が増えた将棋部の秋、うるしは高校3年生で受験勉強で将棋部は引退…ではないですけど身を引き気味に。

『それでも歩は寄せてくる』14巻より(山本崇一朗/講談社)

2学期ということで、恋の体育祭、恋のハロウィン、恋の文化祭、と学園ラブコメ定番イベント巻。

歩に片想いする後輩の凛ちゃんの登場で隠れ三角関係みたいになってるけど、

「She said i'm ready for the "blue"」

というか、うるしと歩の相思相愛ぶりを凛ちゃんは理解っていつつも…という。

『それでも歩は寄せてくる』14巻より(山本崇一朗/講談社)

受験生で将棋部活動を控えがちなうるしに代わって、今巻は開幕からその凛ちゃん推しのエピソードが続きます。

歩を、というより読者を凛ちゃん好きにさせたいのかなとか思ったんですけど、メタに考えると成就しないであろう恋をしている凛ちゃんに、どうも作者自身が惚れちゃってる、予定以上の思い入れが生まれちゃってるんじゃないか、という気もします。

作者は他作品だと「安心して読める」「予定調和」な日常コメディが中心なんですけど、本作の凛ちゃんだけが作者の特異点というか、やたら凛ちゃんを可愛く描くし、よく動くよなあ。

『それでも歩は寄せてくる』14巻より(山本崇一朗/講談社)

作者がサブヒロインに肩入れし過ぎると読者が荒れたり作品世界が壊れたりして、過去にもそういう作品はあったんですけど、キャラ愛故に荒れたり壊れたりするラブコメのライブ感の方が愛おしかったりも、しますよね、という。

予定調和で終わった作品よりもいつまでも印象に残ってたりとかね。

そもそも他人様を萌えさそうというなら、メインヒロインであれサブヒロインであれ、作者自身がヒロインに惚れちゃって(るように見え)なければ、

『それでも歩は寄せてくる』14巻より(山本崇一朗/講談社)

少年漫画のラブコメなんて始まんないよね、っていう。

 

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