今次エピソードのキーだけあって、バモラを可愛く描きますよね。かわよ。
霊媒師の家系(かけい)のギャルと、いじめられっ子気味で孤独なオカルトオタクの少年の同級生ガールミーツボーイから始まる、オカルトバトルなバディもの?
「ボーイ・ミーツ・ガール」、「オタクに優しいギャル」、「ラブコメ群」、「ちょいエロ」、「呪術廻戦、チェンソーマンなどの最近のジャンプのオカルトバトル漫画群」、「うしおととら」、「東京入星管理局」、「GANTZ」、「メン・イン・ブラック」、「漫☆画太郎」、
あたりを足して適当に割ったような感じ。
いろんなジャンルのごった煮、カオスな闇鍋みたいな漫画。クリーチャーも宇宙人から妖怪から幽霊から割りとなんでもあり。
ちょっと奥浩哉的とでもいうか、「描きたい画」が先に在って、そこから逆算してエピソードを繋げていってる作り方?と思わなくもないですが、よくわからんねw
倒すべきラスボスも、辿り着くべき約束の地も、提示されないまま、ただただ降りかかり続ける火の粉を払い続け仲間が増え続け経験を重ね続けてより強く成長していき続けるエピソードが重ねられます。キンタマ以外。
話の縦軸、キンタマしかない。
わけがわからないまま面白いまま、気がつけば10巻の大台。
自分のように漫画を一切描かない人間が
「この漫画はどうやって創られているのか」
を考える必要はないようにも思うんですが、作品をより楽しむにはより深い作品理解が不可欠で、特に不可解な作品ほどそれが必要な気もします。
作者が何がしたいかわからない作品は、読んでてどう楽しめばいいのかわからない。
面白いのに理解ができない、それを理解しようと試みる楽しみ、「なぜ自分はこの漫画を面白いと思うのか」考える楽しみ。
この作品は自分にとってその最たるものです。
テンプレのような学園ラブコメ展開と既知の「学校の怪談」のエピソードパートに、何の説明もなく突如襲来するタワーディフェンスバトルパート、ユニークで精緻なクリーチャー&メカの動かせるデザインを、体重が乗った肉弾戦と溜めの開放感がある遠隔攻撃を組み合わせたガンカタのようなバトル描写、作者の漫画読者としての原体験、必ずしも順風満帆ではなかったキャリア、ガンダムA、編集担当・林士平との出会いと編集作品の共通点、アシスタントとして師事した作家たち。
10巻にしてようやく、
「作者が何を描こうとしているのか」
というより、
「作者が(自分を制約する)何を描かずにいようとしているのか」
を曲がりなりにも想像できて、少し『ダンダダン』の楽しみ方が理解ってきた気がします。
「生存戦略、しましょうか。」
というセリフを、少し懐かしく思い出したり。
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