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#劇光仮面 1巻 評論(ネタバレ注意)

『シグルイ』の作者の現作。

自分は『シグルイ』は未読です。癖の強い絵がちょっと苦手で敬遠しました。

作者が一緒なら絵も一緒なんですが、本作は表紙に執拗に描き込まれ塗り飾られた男の乳首が描かれてないのでw アレ苦手だったんですよね。

あと自分はいわゆる「特撮オタク」ではなく、そちらの方面は詳しくないです。あらかじめ。

『劇光仮面』1巻より(山口貴由/小学館)

実相寺二矢(じっそうじ おとや)、29歳、職業アルバイト。

大学時代のサークル「特撮美術研究会」、通称「特美研」で盟友だった切通(きりとおし)の通夜に参列後、彼の遺言に従い、「特美研」時代の仲間たちと共に、彼が愛用した特撮スーツ「劇光服」を裁断し弔う、儀式を行う。

1巻の、「現在」の時間軸で描かれた物語は、まあ言ったら、以上です。

癖が強いw

『劇光仮面』1巻より(山口貴由/小学館)

儀式と並行して回想されるのは彼らの学生時代、「特美研」現役時代の出来事。

特撮美術に秘められた物語を見出し、またその創作者の戦時中の逸話を取材する中で、彼らの中で「特美」は文化を超えて思想となっていく…

続巻をまだ読んでないんでアレですが、思想はやがてカルト化し、劇光服をまとった彼らは独善的な私刑集団・天誅組と化し、やがてその活動の中で人を殺し、大学当局に解散させられた。

かのような示唆が見て取れます。

『劇光仮面』1巻より(山口貴由/小学館)

「特美研」の用語や儀式は特殊化・様式化され、その美意識にはオマージュされた特撮ヒーロー以外に、日本刀・旧日本軍・特攻隊などのモチーフや、鍛錬された肉体への憧憬や執着が見られます。

オブラートに包んでいうと、「三島由紀夫的」な思想の傾倒傾向。

あぶねー漫画描いてんな、というか、カルト思想テロリスト集団の青春時代回顧の話になっていきそうな感じがすごいしますね。

『劇光仮面』1巻より(山口貴由/小学館)

『ゴジラ』『ウルトラマン』『仮面ライダー』などをリスペクトしつつオマージュして作中作として取り入れつつ、それらを「子どもたちのヒーロー」に留めおかず、思想的・宗教的な偶像に祀りあげる自ら傾倒していく若者たち。

前述の通り、1巻は葬式やってるだけなんですけど、現役時代の彼らが起こした事件は、まだ「匂わせ」の段階で、「なにやったのよ」と興味を引く意味で「ツカミはOK」という感じ。

『劇光仮面』1巻より(山口貴由/小学館)

場所を琵琶湖に変えて、原発事故も発生している世界のようです。

あと「東京」が「帝都」のままなんですかね?

戦後の歴史が現実とパラレルに分岐した世界。

自分が好きな作風では決してないんですが、こんなん、続きがあったら読んじゃいますよね。

作中の彼らもさることながら、作者に対して「何をする気なのよ」という。

『劇光仮面』1巻より(山口貴由/小学館)

いやー。癖が、癖が強いw

 

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