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#ふらいんぐうぃっち 12巻 評論(ネタバレ注意)

マナが豊かな東北・青森は弘前の親戚の家に修行のためにホームステイしている女子高生魔女・真琴をヒロインに置いた、綺麗な絵、牧歌的な風景、コメディタッチながらのんびり穏やかな、人間社会に内緒で暮らす魔女たちの可愛らしくちょっと不思議な日常もの。

『ふらいんぐうぃっち』12巻より(石塚千尋/講談社)

近刊は絵のタッチ・画風の改造に励みつつ、作劇の中心は真琴の姉でその才能と天衣無縫な性格から若くして魔女業界を度々震撼させる事件を起こして注目を集める天才魔女・茜にフォーカスしたエピソードが増えつつある気はします。

茜が「面白れー女」にもほどがあるので仕方がないw

それ以外にも、巻数を重ねるごとに魔女の友人たちが増えていき、今巻は過去に登場した魔女オールスターによるお風呂回もw

『ふらいんぐうぃっち』12巻より(石塚千尋/講談社)

キュートでチャーミングないろんなタイプの魔女たちによる群像劇っぽくもあり、眼福な作品。

夏休みの東京への帰省の帰り、飲んで酔っ払って新幹線に乗り遅れそうになって世界の時間を止める大規模魔法を展開した茜に対して、魔女協会が下した罰は、来たる魔女の祭典「ワルプルギスの夜」に向けて、チベットの秘境に封印されている「はじまりの火」を採取してくることだった。

『ふらいんぐうぃっち』12巻より(石塚千尋/講談社)

茜は友人の魔女の犬飼と武闘派魔女の二瓶を伴って、チベットの封印に赴くが、そこには巨大なゴーレムが守護する扉があった…

その他、真琴による魔女向けローブ屋さん業の始まり、天才魔女・茜のお騒がせスマホ&SNSデビュー、暇な魔女総出による「秋の運び屋さん」のお手伝いなど。

珍しく、というかこの作品初めてかな? バトル描写もw

『ふらいんぐうぃっち』12巻より(石塚千尋/講談社)

一般人たる我々読者からしたら「非日常」の最たるものながら、これが彼女たちの「日常」と「日常の中の小さな冒険」なんですよね。

「非日常な日常」を過ごせる彼女たちが楽しそうで羨ましいし、こうした豊かな空想を絵で表現してエピソードにして作品にして、それを楽しみに待って手に取って読む読者を抱える作者が、「漫画家」としてというより「空想家」として羨ましい、と子どもの頃に「空想家」だった身として思います。

自分も漫画家になればよかったな。

『ふらいんぐうぃっち』12巻より(石塚千尋/講談社)

天才魔女にしてITオンチ・スマホ初心者な「面白れー女」が、SNSの承認欲求バズ大戦に新規参戦。何も起こらないはずもなく…

呑気でほのぼのとして穏やかだけど驚きに満ちた日常を、美しく可愛らしく叙情ただよう美麗な画風で。

どこを切り取っても楽しくて可愛くて綺麗な、

『ふらいんぐうぃっち』12巻より(石塚千尋/講談社)

贅沢な日常漫画。

 

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