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#ヤニねこ 1巻 評論(ネタバレ注意)

ボロアパートで暮らすヤニねこは猫耳で美少女だったが、ぐーたらでだらしなくて下品で臭くて汚いヤニカスだった。

そんな彼女の、ぐうたらでだらしなくて下品で臭くて汚くて可愛くてちょっとエロい日常。

『ヤニねこ』1巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

という、Twitter発のショート漫画。

かつて自虐・他虐のための蔑称だった「おたく」や「腐女子」がそうなったように、「クズ」という自虐・他虐のための蔑称が

「(愛称としての)自称・他称」

として特にネット界隈でカジュアルになりつつあるような気がするんですが、それを象徴するような漫画。

『ヤニねこ』1巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

ルックスがおっさんだったらたぶん売り物になりませんが、ちょいエロ猫耳美少女であることで商品になったというか、

「見た目さえ美少女であれば、どこまで許されるか」

という「おっさんの美少女(※ケモナー)擬人化」の実験みたいなw

受け入れられているのは、ルックスの愛らしさ故なのか、自分の内なるクズ性の共感なのか。

『ヤニねこ』1巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

「マイルドなノワール」というか、ある種のクズ文学というか、原義の意味での「カタルシス」というか。

クズと文学は昔から相性良いですしね。

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「ぐーたらでだらしなくて下品で臭くて汚いヤニカス」

なのは自分もそうなんですけど、

『ヤニねこ』1巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

「俺はここまでひどくねえよw」

という下を見て安心する気持ちと、

「ぐーたらでだらしなくて下品で臭くて汚いヤニカスとして、よくぞここまで…!」

という「レペゼン俺ら」を讃える気持ちと、

『ヤニねこ』1巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

「これだけ刹那的なクズでも逞しく幸せそうに生きている姿はある意味、美しい」

という生命讃歌(そうか?)的な気持ちがないまぜになって、癖になるというか、

説明の難しい奇妙な共感と快感がありますね。

日常の中のちょっとした「小さな幸せと小さな不幸の連続」とも言えなくもないですけど、それ以上にマゾヒズム込みのナルシズムというのか、

『ヤニねこ』1巻より(にゃんにゃんファクトリー/講談社)

「安全にカジュアルに疑似体験できる『自傷の快感』」というか。

 

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