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#ウィッチウォッチ 12巻 評論(ネタバレ注意)

『SKET DANCE』『彼方のアストラ』の作者の現作。

乙木守仁は、超人的な身体能力を持つ鬼の末裔であることを隠して普通に暮らしていた。

守仁の高校入学を控えた春休み、長期出張で海外へ出発する父と入れ替わりに、魔女の聖地に修行に出ていた幼馴染のニコが帰還。

『ウィッチウォッチ』12巻より(篠原健太/集英社)

両家の同意のもと二人は一緒に暮らし、守仁はニコの使い魔として彼女を予言された災いから護衛することに。

6年ぶりに再会したニコは可愛らしく、しかし強力ながらどこかポンコツな魔女に成長していた…

という、幼馴染の鬼ボーイ・ミーツ・魔女ガール・アゲインに、ニコの使い魔となる同居仲間が守仁以外にも天狗、狼男、吸血鬼と増えて、同居日常ギャグ学園ラブコメたまにシリアスバトルな漫画に。

『ウィッチウォッチ』12巻より(篠原健太/集英社)

シリアスなバトルもので人気を博したカッコよ可愛いキャラたちの、ギャグだったり緩かったりする日常や恋愛・ラブコメをもっとじっくり見てみたい、というのは人気作であれば多かれ少なかれ発生して、多くの場合その役割は公式スピンオフや二次創作に託されることになるんですが、

「一次創作内で自分で全部やっちゃおう!」

「バトル・ギャグ・コメディ・ラブコメ・日常・ホラー・ファンタジー、少年漫画のジャンルを全部一作品内でやっちゃおう!」

という作品。

『ウィッチウォッチ』12巻より(篠原健太/集英社)

ギャグコメディな日常をやりつつ、シリアスに悪役と対峙するバトル要素と、ニコと守仁のラブコメ要素が大きな縦軸に。

こういう作品では、シリアス要素とラブコメ要素の進展がある程度連動して、クライマックスに同時に山場を迎えるのが理想で定番なんですが、今巻でラブコメ要素がけっこう動きました。

『ウィッチウォッチ』12巻より(篠原健太/集英社)

守仁の恋愛音痴はラブコメ主人公の定番要素ながら生い立ちや能力と密接に結びついていて、進展しそうでしないラブコメ展開に上手く組み込まれていますが、これがクリアされる予兆、ラブコメとしてのゴールの形が見えてきました。

定番の理想を言えば、タイミングを同じくしてシリアス要素も進展が近く、引いては完結が近づいているとも言えます。

『ウィッチウォッチ』12巻より(篠原健太/集英社)

ジャンプの人気作品の引き伸ばしは度々批判の対象になってきましたし、自分も批判に与したことは一度や二度では無いんですが、現にこうして自分が大好きな人気作が完結の予兆を見せ始めると、

「まだまだ終わってほしく無い」

「ずっと連載し続けて欲しい」

と願ってしまうのは、要するに自分も「共犯者」の一人なんだな、と考えてしまったりします。

『ウィッチウォッチ』12巻より(篠原健太/集英社)

『ウィッチウォッチ』が連載され新刊がで続ける今の幸福を、もう少し長く味わっていたい、と思ってしまいます。

 

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