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#瑠璃の宝石 4巻 評論(ネタバレ注意)

アクセサリーショップで水晶のアクセサリーに身惚れた女子高生・瑠璃は、

『瑠璃の宝石』4巻より(渋谷圭一郎/KADOKAWA)

母親に小遣いの前借りをせびるものの断られる。

母親が断る口実に言った「水晶なんて爺ちゃんが山菜採りのついでに山で拾ってた」を真に受けた瑠璃は、バスの終点の山奥に一人分け入るものの、どうすればいいかわからない。石を抱えてうずくまる瑠璃に声をかけてくれた女に、瑠璃は意を決して尋ねる。

彼女、鉱物研の大学院生の凪は、こともなげに水晶が取れる場所を告げ、瑠璃の頼みを聞いて案内をしてくれる。そこには巨大な水晶鉱床が広がっていた。

『瑠璃の宝石』4巻より(渋谷圭一郎/KADOKAWA)

から始まる、ガール・ミーツ・ガールで鉱物採集をテーマにした、ハルタらしいニッチな趣味・学問もの。ややコメディ寄りの専門ジャンル漫画。特に百合ではない。

凪と水晶との出会いから、銭ゲバ気味に金目の鉱物を狙っていた瑠璃が、徐々に鉱物そのものの魅力と知的好奇心に目覚めていく。

『瑠璃の宝石』4巻より(渋谷圭一郎/KADOKAWA)

高校生、大学院生、大学生の3人パーティに、前巻から委員長体質で鉱物研究者志願でヒロインのクラスメイトが加わって、女子ばかりの4人パーティに。

今巻は遠征、トパーズ採集旅行。温泉回もあるよ!

宝石の美しさに魅入られたのを入り口に、そして凪の教えを導きに、瑠璃が鉱石を通して地質、水、川、海、地球、宇宙、そして過去と未来、

『瑠璃の宝石』4巻より(渋谷圭一郎/KADOKAWA)

時間の流れに想いを馳せるロマンチックな思索を、丁寧にわかりやすく。

やってることは地味なんですけど、地味を通じてその背景にある広大な世界を、推理し想像する楽しみ。

瑠璃が将来について考えることを避ける描写が度々出てきます。

『瑠璃の宝石』4巻より(渋谷圭一郎/KADOKAWA)

自分の未来の可能性が決定してしまうことへの怖れは大人になっても在りますが、鉱物を通じて瑠璃が学ぶ「変わらないこと」「変わっていくこと」が、将来を考えることを怖れる瑠璃の背中を押してくれているような、優れた青春ものにもなっています。

『瑠璃の宝石』4巻より(渋谷圭一郎/KADOKAWA)

ジャンルでいうと「ニッチ趣味×美少女」ものですけど、可愛くて勉強になってロマンがあって美しくて、相変わらず良い漫画だなあ。

 

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